概要
開発時はPSPという名前だったが、西ドイツ警察に「P7」として採用されたことから以後P7という名称で販売されている。
撃発機構と作動機構(閉鎖機構)が特徴的だったが、商業的には大成功と言うほどでも無くこの機構を受け継いだ後継にも恵まれなかった。
構造
作動機構
作動機構はガス遅延ブローバックという珍しい方式であった。
これは、閉鎖機構をワルサーPPと同様にスライドの重さとスライドスプリングで閉塞するストレートブローバック(シンプルブローバック)を基礎としている。
… が、これでは比較的威力の弱い弾薬しか使用できず、仮に強力な弾薬を使用すると銃身から弾が飛び出る前にスライドが開いてしまい、銃が破損したり射手が大怪我を負う恐れがあった。
そこで、ガス圧作動式の銃のように銃身に発射ガスを抽出するガスポートを設けて、発砲の際に生じるガスをガス圧が掛かるとスライドが閉じる方向に作用するシリンダーに導くことで、銃身に弾がある状態=ガス圧が高く掛かっている状態ではスライドを確実に閉じ、銃弾が銃身を離れるとガス圧が抜けて、発砲の反作用でスライドが後退するというものであった。
撃発機構
敢えて操作方法が近い銃を挙げれば、ダブルアクション/シングルアクション兼用のコンベンショナルアクションである。
この銃はストライカー式でグリップ前面のレバーを握りこむことでメインスプリングをコックできる『スクイズコッカー』なるものが組み込まれている。
このため、ダブルアクションの安全性と即射能力、シングルアクションのトリガープル(撃ちやすさ)を両立させた画期的な機構であった。
スクイズコッカーを握り込んだあと、発砲せずに放した場合はメインスプリングが開放されるため、"普通の"ダブルアクションオートでのデコッキングレバーを操作した状態と同じ状態となり、安全にホルスターに戻すことができた。
しかしながら、メリットはあっても恐ろしくマイナーな構造で射手が操作を習熟し易いとは言えず、グリップが握り辛い形に大型化することも相俟って全く普及しなかった。
東京マルイがエアコッキングガンを発売している。