地球の走り方 世界ラリー応援宣言
ちきゅうのはしりかたせかいらりーおうえんせんげん
概要
2017年、トヨタのWRC復帰で9年ぶりに地上波ラリー番組が復活。メインMCにアンジャッシュを添え、芸人がラリー会場で体当たり現地リポートを行うなどラリーの魅力を存分に視聴者にお伝えするバラエティ番組である。ラリーハイライトは番組後半に行う。
出演者
すれ違いコントが人気の芸人。渡部はメインMC、児島は「コジナビ」というカーナビを模したCGキャラクターでラリーの情報をお伝えする。児島は2017年スペインラリーを観戦している。
桂田アマンダ純
自称ラリー女のモデル。過去に放送されたラリー番組の国沢さんポジションであるが、ラリーの戦術やドライビングテクニックを喋ったりはない。最終回は現地リポートを行う。
現地リポートを行う2017年当時の人気芸人。ドライバー(主にヤリ=マティ・ラトバラ)にインタビューを頻繁に行うため、彼らから顔を覚えられている。また、WRC公式映像によく映り込んでいた。
番組の実態
と、ここまで見たら面白そうな番組であるが、その内容はラリーを知らない人をラリーファンにするための番組に過ぎず、モータースポーツ競技の番組かと思いきやバラエティ番組だったこともあり、古来のラリーファンからは不評。簡単に言えばカーレースの番組かと思いきや世界の果てまでイッテQを見ているような感覚に襲われたという。
現地リポート
現地リポートはラリーと全く関係ないことを多く行っており、インスタグラム対決・ラリーカー乗車券をかけたゲーム・灼熱の地域でラリードライバーに冷えピタを貼りに行くといった内容であった。また、ある回の現地リポート最中にブリリアンのコウジが全裸で湖に飛び込むシーンが放送。ラリーファンからは「なぜラリーを応援する番組で芸人の全裸を見なくてはいけないのか、全裸で湖に飛び込むことがラリーの魅力なのか」とクレームがつけられることとなった。ちなみにラリーファンでなくても、この現地リポートはつまらないという声が上がっている。
また、2018年ラリーフランス回ではレイザーラモンRGがトミ・マキネンに扮し、1997年にフランスにて起こったクラッシュを紹介した。ちなみに某番組のパロディーを無許可で行っていたらしく、ナレーションがコーナー終盤に謝罪した。
ラリーハイライト
この現地リポートに耐えかねた後、ようやくラリーハイライトとなるが、簡単に言うと優勝争いとトヨタのドライバーの結果しか報道しないため、ハイライトで触れられるドライバーは毎回決まっている。オジェ、ヌービル、タナク、ミーク、ラトバラ、ラッピ、ハンニネン(2017年まで)以外のドライバーは出演することはまれ。つまり、優勝争いしない限り番組にて紹介してもらえないのである。一応、2017-18年の間にWRCのトップカテゴリで走っていたドライバーの7割は番組で紹介されたものの、一部ドライバーは紹介してもらえなかった。
また、新規に解りやすくするためかラリードライバーに異名がついている。しかしその異名もラリーファンからしてみたら首をかしげるような内容ばかりである。その他、過去に放送されていたラリー番組では一切行わなかったラリードライバーへのボイスオーバーを採用。しかし、ボイスオーバーの声優の数もそこまで多くなく、タナクとラッピは同一人物が行っている。また、一部ドライバーは勝手なキャラ付けがされており、ミークは英国紳士、オストベルグはやんちゃなにーちゃんの喋り方になっていた。
前述のとおり、優勝争いが重点的になるため、優勝争いにからまないドライバーたちの争いやクラッシュシーンは全面カット。2018ラリートルコではブリーンのマシンが炎上するハプニングがあったものの、OPのワンシーンに採用されたのみ。
また、ヒュンダイチームの扱いが酷く、ドイツが拠点のヒュンダイラリーチームを韓国呼ばわりされたり、ヌービル以外のドライバーは番組中で異名がつけられなかったりと散々であった。特に優勝争いをしたミケルセンとソルドは2年間で名前すら呼ばれていない。
当然WRC2クラスの結果はない。ただし、2018年スウェーデンで勝田貴元が優勝した時のみ軽く触れられた程度。
不適切表現
2017年ラリードイツ
ドイツのハイライトの冒頭で「ドイツは田舎を走る退屈なラリー」と紹介し、編集スタッフがつまらない展開に頭を抱えたり失神するシーンを放送、さらに優勝したタナクに対しリアクションが薄いとバカにした上に最後は「渡部さんごめんなさい」とつまらないラリーを見せてしまったことをナレーションが渡部に謝罪した。
これに対してラリーファンは番組がドイツを侮辱していると激怒。つまらなくても面白くするのが編集スタッフの役目であるのにも関わらず、全編通してつまらないの連呼。見所も多く存在し、フォルクスワーゲン撤退によりシートを失っていたミケルセンがシトロエンからスポット参戦し2位、トヨタのハンニネンが4位に入ったが、番組は最後まで無視であった。これを逆の立場で考えるとドイツのラリー番組が「日本は田舎を走る退屈なラリー」と紹介しているようなものだと批判されることとなった。なお、これについて番組からの謝罪はなし。
2018年ラリーフランス
トヨタと表彰台争いをしていたシトロエンのミークはやらかしが多いドライバーだと番組で紹介すると、出演者がミークに対し「やからせ!やからせ!」とコール。そしてミークが崖から横転すると、トヨタの表彰台が有利になったからか出演者が大喜び。渡部は「ミークありがとう!」とクラッシュを歓迎するような内容を放送した。これに対して当番組を視聴していたJ sportsのラリー番組MCの栗田佳織がtwitterで「MCがクラッシュを大喜びして悲しい気持ちになった」とツイート。いいねが1000件を越え、ラリーファンから大バッシングを食らうこととなった。特に渡部はMC失格どころか人間失格とも言われた他、ラリー以外のモータースポーツファンにも番組の悪事が知れ渡り、もう二度と見ないという視聴者が多く現れることとなった。もちろん番組からの謝罪はなし。
その後
2018年最後の放送で番組は来年もまたやるかのような演出をしておきながら、公式サイトで終了が発表された。のにも関わらず2019年唐突に「世界ラリー応援宣言2019」という5分番組がスタート。しかし、大半がトヨタのCMであり、事実上2分程度であったという。しかし、3戦目のメキシコで突如番組終了。3戦しかやらないなら放送した意味はなんだったのかと視聴者から困惑されることとなった。また、この番組と入れ替わる形で4戦目以降はBS日テレが1時間枠でラリーハイライトを放送開始。こちらは真面目なラリー番組となっており、ラリーファンからは好評を得ている。
余談
WRCではなく世界ラリーという表現を用いている。理由はテレビ朝日特有の世界●●に合わせた、他のWRCとの混合を避けるためとも言われているが、BS日テレではWRCという表現を用いている。ラリーファンからは不評。ちなみに過去に放送していた番組や特集で世界ラリーという単語が使われた例はほとんどない。
そもそもこんな番組いつやってたんだ?というラリーファンも多く存在した。放送局はテレビ朝日1局であったため、関東ローカル番組の扱いである。関東以外で視聴するにはTVerで無料配信を見るしかなかった。つまりTVer向けに作られた番組と言っても過言ではない。