概要
児嶋一哉(画像右)と渡部建(画像左)によるプロダクション人力舎所属のお笑いコンビ。1993年結成。2人とも東京都八王子市出身で、東京都立日野高等学校の同級生である。
後述通りの芸風はコントメインでボケとツッコミが不定、両者で考えている。
コンビ名は渡部が考えたJoy(喜)、Angry(怒)、Sad(哀)、Happy(楽)の頭文字を繋げた「JASH」に、「ん」が付くコンビは売れるジンクスに倣い児嶋が否定を意味する接頭辞「UN」を付けてしまい「UNJASH」に、つまり「喜怒哀楽が無い」という意味になってしまった。
同級生のコンビではあるが二人の芸歴は異なっており、児嶋のほうが渡部より少し先輩で、児嶋はスクールJCA1期生で同期はケンドーコバヤシ、中川家、陣内智則、たむらけんじ、ココリコなどであり、渡部はJCA2期生で東京03飯塚、ロンドンブーツ1号2号、DonDokoDon、ペナルティ、バナナマン設楽、ますだおかだなどである(但し、2人を同期扱いするパターンもある)。
これは児嶋が先に養成所を通っており、同級生コンビに憧れを持っていた故大学に通っていた渡部を誘った経緯がある。しかし、この時既に四人の同級生に断られていて渡部は五人目だった。
ちなみに、高校時代の二人はよくある同級生コンビとは異なり、仲が良いとは言えず距離があった。児嶋は芸能界に早く行きたくて周囲と距離を置いていたので前述の人望のなさに繋がり、渡部は所謂クラスの中心にいる人気者だった。そのため、後述の不祥事以前からコンビ間の衝突も何度か起こった。
90年代はアンタッチャブルとくりぃむしちゅー(当時:海砂利水魚)でユニット「ゲバルト一族」を結成していた。また、ボキャブラ天国にも出演していた。
爆笑オンエアバトルは初回から出演していたが、いきなりオフエアデビューだった。その後はオンエアを積み重ね、2003年に第5代チャンピオンに輝いた。
そして、2000年代からはエンタの神様に定期出演するようになり順調に知名度を上げてきたが、元々距離があるコンビなので次第にそれぞれ得意分野での活動が多くなっていった。
しかし、2020年6月に渡部が不祥事が発覚して芸能活動を自粛、コンビは解散しなかったがしばらく児嶋のみの活動になった。その後、2022年2月15日放送の白黒アンジャッシュで復帰したが、コンビでの活動は現在白黒アンジャッシュのみに留まっている。
メンバー
児嶋一哉(こじま かずや)
1972年7月16日生まれ
渡部建(わたべ けん)
1972年9月23日生まれ、神奈川大学卒業
代表作の種類
勘違いネタ
お互いが勘違いをしながら話が進んでいってしまう、日本語の難しさを逆手にとったアンジャッシュが一番得意とする手法のネタで、彼らの代名詞ともいうべきネタ。「柱の死角」「蕎麦屋と婚約者」「この人誰だっけ?」「俺の自慢の…」など。児嶋の場合、下ネタやゲイネタを連想することが少なくなく、後半になってくると勘違いに気づかないほうがおかしいワードなども飛び出してくる。結局、最後までずっと勘違いしたままネタが終わるパターンが多々で、途中で勘違いしていたことに気づくパターンは稀である。また、彼ら以外にも勘違いネタをする者もいるが、そのほとんどはオンエアされていない。
実はこのネタの手法は、児嶋がジュンカッツ(名倉潤がネプチューン結成前に活動していたコンビ)のネタを参考にしたことが発端であった。尚、名倉からの発想の快諾は得ている。
また、勘違いの内容も2種類あり、同じ単語だが意味をそれぞれ違う風にとらえるパターンと、文章自体を勘違いするパターンがある。
前者は小学校の先生である児嶋が「手のつけられない(性格の)悪い子がいる」という発言を、小児科の先生の渡部が「(末期がんのような)手の施しようがない悪い子」という発言だと勘違いしたりする「教師と医者」など。
後者はバイトの面接で来ている児嶋の「トラックの運転ができる(から、商品の運搬もできる)」というアピールを、児嶋を万引き犯だと思っている渡部が「トラックの運転ができる(から、店の商品を根こそぎ盗むことができる)」という発言だと思う「バイトの面接と万引き犯」などが該当する。
これの応用として、渡部が児嶋の存在にすら気付かず、児嶋が渡部の発言(主に携帯電話での会話)を全て自分への指示だと勘違いするコントもある。例として「障子を隔てて」「本番直前の楽屋」「診察の結果」がある。また、映像を使ったものには「社員旅行の写真」「写真をFAX」「車と彼女」がある。この場合後述する携帯電話ネタの応用とも言える。
音響ネタ
渡部とマスコットの会話で話が進む。マスコットの音声は音響係の児嶋がサンプリングマシンを用いて出すが、操作ミスや不具合などで間違えたセリフが流れてしまう。
使用されるマスコットとしては主に「ピーポくん」(警視庁から許可を得て正式名称で演じられる前は「ピーポーくん」としていた)や「キュータくん」(東京消防庁のキャラクター)、「トレインくん」(架空の鉄道警察キャラクター)などがある。ヒーローショーで渡部がヒーロー役となり、複数の人物で行う場合もある。また二人とも誘拐犯という設定で渡部が誘拐した子供の親に電話し効果音を児嶋が流すネタも過去にはあった。
なお最近ではこのネタをさらに応用したものとして、連絡ミスが原因でゲストが来ないラジオ番組という設定で、渡部が司会で児嶋が音響のADとして録音素材のゲストの声をテープで再生し、渡部は児嶋が作った台本とアドリブでラジオ番組を進めるネタ(同様のネタがアニメ版『ケロロ軍曹』でもあった)が派生している。渡部の質問に対し児嶋が流すゲストの声はあまりに的外れなためCM中に児嶋が渡部に「なんだこれ?」と言われる。「ゲストのお天気お姉さんが来ない」や「新婚のプロ野球選手とお料理番組の女子アナが来ない」等。このネタは後述するバカAD児嶋ネタを応用したネタとも言える。ちなみに音響ネタが前半で使用した台詞を後半に流用して笑いを取るのに対し、ラジオネタは台詞全てがネタとなっている。
映像ネタ
バカADこと児嶋がディレクターへの昇進をかけて映画や飲み物のCM・通販番組などを作成したり、児嶋が作ってきたものや、持ってきたもの、または防犯カメラでの児嶋の様子などを2人で見るというもの。これらのネタは「巨大モニターで状況を確認する」という点が共通している。ミスは始めは凡ミスのものが多いが、回を重ねるごとにだんだんエスカレートしていく。また、児嶋がADのネタでは後半、児嶋の態度が悪くなってくる。
また番組編集ではモニター内で渡部が司会、児嶋がゲストを演じることが多い(その他は主に事務所の後輩が出ている場合もある)。なお最近ではこのネタを応用したものとして前述したとおり音響ネタの応用したネタとミックスしたラジオネタがある。
主な作品は「バカAD児嶋」「年賀状」「新婚旅行の写真」「銀行の防犯カメラ」「結婚式のリハーサル」「殺陣」。
携帯電話ネタ
つながりのない二人が隣りに座り、それぞれ携帯電話で別の話をしているが、お互いの会話が変な感じに噛み合ってしまう。「生徒と会話する家庭教師/友達と会話する男」、「娘を誘拐された父親/彼女と会話する男」の2バージョンがある。この種のネタは最近ではあまり見られないが、応用したものとして前述の勘違いネタとミックスしたネタが多い。
泥棒ネタ
泥棒(児嶋)が忍び込んだところを関係者(渡部)に見つかってしまい、渡部が児嶋を近日来るはずだった人物だと勘違いし、児嶋がその人物に成り代わってごまかそうとする…という古典的なネタ(落語やコント、ギャグマンガの定番)。
「アイドルの楽屋に泥棒」「ご祝儀泥棒」「お笑い事務所に泥棒」の3つがあり、エキストラが登場することも多い。その他、「2人の空き巣」のように渡部も泥棒であり、空き巣に入ったところ偶然同じく泥棒である児嶋と鉢合わせし、お互いをごまかすために各々を家人かその関係者だと偽ってごまかそうとするパターンもある。また、これに似たネタで、置引き犯・児嶋が盗品を自分のものだとごまかそうとする「職務質問」、児嶋が借金取り(渡部)から逃れるために別の人物だとごまかす「借金取り」、二股をかけていた児嶋が浮気相手に自分の彼女(渡部)を妹だとごまかす「二股男のピンチ」などもある。
ちなみにいずれのネタも、ドラマ『古畑任三郎』の第22回「間違えられた男」に酷似した展開が見られる。
小ネタ集
短いネタをテンポよく連発していくコント。「感動エピソード」「実は…」「どきどきする瞬間」など。ちなみに披露するのが1分ネタに限られる爆笑レッドカーペットでは「感動エピソード」を1本だけして終わるようにしている。
余談
アンジャッシュの代名詞である勘違いネタは何度か中国の国営放送でパクり被害(?)に遭われたり、渡部の活動自粛中に水曜日のダウンタウンでさらば青春の光と空気階段と野性爆弾が新作の勘違いネタを披露した「キングオブすれ違いコント」が開催されたりした。ちなみに、優勝はさらば青春の光だった。
関連画像
また、pixivではイラスト内の人物が勘違いしたまま話を進めている状態にこのタグがつけられることもある。→アンジャッシュ状態
関連タグ
アンタッチャブル…同じ事務所にいる似たコンビ名の後輩、こちらもオンバトチャンピオンでコンビの活動休止期間があった。
千鳥 とろサーモン…同じ同級生だが先輩後輩関係のコンビ。前者は養成所に通っていないがメンバーの一人がもう一人を誘っている、後者は養成所に通っているがその理由はメンバーの一人が不合格だったから。