勝手にゼロの使い魔シリーズ
かってにぜろのつかいましりーず
概要
カゲヤマ氏による、勝手に『ゼロの使い魔』の続編を描いたというコンセプトの元描かれた二次創作作品。
本来は二次創作投稿サイトである『ハーメルン』にて2015年5月から連載されていたが、
小説投稿サイト『カクヨム』にて二次創作許諾が出たことによりカクヨムに移転している。
また、筆者のカゲヤマ氏曰く、本作は当初原作者であるヤマグチノボル氏の
代筆にならんとして筆を執ったとのことであるが、奇しくも連載開始の次月である6月25日に
代筆者である志瑞祐氏による刊行が決定したため、その願いは打ち砕かれている。
・・・・・・しかし、そこに込められた熱意と原作へのリスペクト心は紛れもなく本物。
原作20巻から引っ張ってきた数多の伏線から広げられる圧殺的なシナリオと「キャラクターをキャラクターらしく演じさせる」
ことには定評があり、筆は違えど「もうお前ヤマグチノボルでいいんじゃね?」と一部の読者に思わせるという。
世界観
本作は「ゼロの使い魔」の21巻という名目で描かれているため
設定・世界観は原作と基本的に同じである。
また独自に虚無魔法やエルフの先住魔法、元素の兄弟についての独自の解釈があるが
虚無の設定に関しては原作の設定に沿っており違和感はなく、
またエルフの先住魔法と元素の兄弟に関してもカゲヤマ氏曰く
「烈風の騎士姫に絡めていく」とのことであり、現状さして問題はないように思える。
本作の特徴
・「あの設定をそこに持ってくるのか!?」と読者に言わせんばかりの
原作の設定を縫うように紡がれた重厚なシナリオ。
・原作の特徴であった群像劇の側面も色濃く受け継いでおり、
既存のキャラクターをメジャー・マイナー問わず丁寧に掘り下げることにより
登場する新キャラクターは(原作で言及済みの)ほぼ1人である。
・原作では見られなかった胸熱シーンやセリフを余すことなく堪能できるが、
そのシナリオの重さに比例しコメディ度は少々低めである。
正史「ゼロの使い魔」との主な相違点
主な点は以下の3つである。
ゲームのルート分岐のように考えると
すんなりと作品に入り込める。
・正史だと中途でネフテス水軍の攻撃により海竜船が撃沈するが、本作はそのまま追跡を振り切りガリアへ向かう。
・正史だとカスバ侵入によりテュリュークを人質に取るが、本作だと逆に捉えられる。
・正史だとアンリエッタと共に進軍するヴィットーリオが、本作だと一足先にネフテスへ向かう。
変更点が大きいため話の流れも大きく変わるが、とはいえその執念は凄まじく
後のメモリアルブックにて公開されたプロットと本作での設定等は
似通っている点が多々見受けられる。