マイリトルゴート
まいりとるごーと
概要
後にPUIPUIモルカーを手掛けることとなるアニメ監督・見里朝希が大学終了製作作品として発表したフェルトを使用したストップモーションアニメ。
童話「狼と七ひきの子山羊」を題材に、児童虐待や育児放棄、過保護から来る洗脳教育といったテーマをグロテスクな描写とともに訴えかける。
2018年・新千歳空港国際アニメーション映画祭の審査員特別賞や第22回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の審査員推薦作品選出など国内外で多数受賞を重ねる高い評価を獲得した。
あらすじ
あるところに、七ひきの子供を持つ母ヤギがいた。母の留守中、子山羊たちは母の言いつけを守らず、家に狼を招き入れ、全員食べられてしまった。
このことに気づいた母山羊は狼が寝ているすきに腹を裂いて中から子山羊たちを助け出す。
ところが、一番最初に食べられた子山羊は完全に消化されていなくなり、助かった6匹も胃液で体毛がはげ、焼けただれた見るも無残な姿になってしまう。
そんな中、母山羊はある一匹の山羊を連れてくる。それは、山羊の被り物をした人間の少年だった…
登場人物
夏希
主人公。父親から性的虐待を受けている事が劇中の描写より暗示されている。
ある日母山羊によって彼女達の家に無理矢理連れてこられ、消化されてしまった長男トルクの代わりにされてしまう。
当初は山羊たちから逃げ出そうとするも、子山羊たちがPTSDに苦しむ姿を見て自らのケープを長女に差し出した事で山羊達と和解する。
山羊たちによって父親が死んだため、最終的にはトルクの代わりとして生きる運命を受け入れた。
母山羊
7匹の子山羊を持つ。長男のトルクが消化されてしまい、人間の夏希をトルクの代わりとして育てようとする。以前に自身の不注意で子山羊達が狼に襲われ、そのトラウマから子山羊達を家に軟禁している模様。
子山羊
母山羊の子供。長男のトルクは狼に消化されて死亡し、残りも隠れていた一匹を除いて全身焼けただれてしまう。
母山羊からは洗脳に近い教育を受けており、夏希をトルクと思い込む。唯一、顔にひどい火傷を負った長女だけは疑いをかけたが、夏希から山羊のケープをもらったことで心を開く。それにより夏輝がトルクでないと他の子供達も悟ったが、夏希に危害を与えようとする者には六神合体して戦った。
最後は夏希と同じ色違いの被り物をもらう。
夏希の父
夏希の父親。夏希を心配して迎えにやってきたが、実は息子である夏希に日常的に性的虐待を加えている変態親父。子山羊たちからは狼に見える。妻の存在については彼のスマホの待ち受け画面に存在が確認されているが、現在どうしているのかは明かされていない。
夏希を助けようとした子山羊たちを返り討ちにし、夏希に性的暴行を加えるも母山羊にスタンガンで気絶させられ、狼のように腹を裂かれて中に石を詰め込まれ川に沈められた。