二ノ国(映画)
えいこうのざんがい
概要
レベルファイブが製作・販売している人気ゲームシリーズ二ノ国のアニメ映画化作品。
二ノ国は、ゲーム最新作が製作・販売されたのが2012年であり、映画はそれから7年後となる2019年に制作・公開された。
ゲーム作品の段階でスタジオジブリと協力して製作しており、映像と音楽の両面でスタジオジブリからの影響が強い作品であった。その為、映像面や音楽面といった面も原作同様ジブリを彷彿とさせる。
最終的な興行収入は4.1億円。
あらすじ
本作はゲーム作品とは異なり、設定こそ原作から引き継いでいるが、映画の為に製作された完全オリジナルストーリー。
当然のことながら登場する人物も全て完全オリジナルキャラクターであり、ゲーム登場キャラクターとは何のつながりもない。
また、小学生をメインターゲットしていたゲーム作品とは異なり、当時ゲームを購入していた世代をメインターゲットした為か、キャラクターの年齢層が上がっている。
ストーリーも母や祖国を助けるために少年が冒険するファンタジーに重点を置いていたゲーム作品とは異なり、二ノ国を舞台に繰り広げられる三角関係が軸に置かれている。
主なキャスト
・ユウ
本作の主人公。幼少期に事故で下半身付随となる。養子で、車いす生活を送っている。
幼なじみであるコトナのことが好き。
・ハル
ユウの幼なじみ。コトナと付き合っている。
・コトナ
ユウの幼なじみ。ハルの彼女。
・アーシャ
二ノ国のエスタバニア王国の王女。コトナと魂を共有している。
評価
人気ゲーム作品を原作としているとは思えないほど、酷評された映画。
本作が公開された同年の同月には同ジャンルの映画作品として酷評を受けたドラゴンクエストユアストーリーと言う作品があるが、それに輪をかけて酷い評価を受けている。
それは興行収入と言う結果にも表れており、最終的に14.2億円の興行収入を記録したユアストーリーに対して、本作は10億円も低い4.1億円で終わっている。
スタジオジブリが全面的に協力していたゲーム作品とは違い、監督がジブリを抜けたこともあってか、作画に関してもところどころ欠点を指摘されているが、最大の問題はシナリオ。
とにかくシナリオに酷評の全てが集約されており、褒められている点が一つもない。
どこがどのように悪いかを言うとすれば、映画の内容を一から十まで書き記すことになるので差し控えるが、一言で言えば、設定も何もかもが破綻している。
往年のファンほど、「この作品の出来に失望した」という声は多く、この作品によってレベルファイブの評価にすらも傷をつけたと言って良い。
以前から日野晃博氏の脚本製作能力に関しては疑念の声が多かったが、この作品によって脚本家としては致命的と言ってもよいくらいに信用を失う結果になった。
映画の影響なのかは不明だがしばらくのレベルファイブは映画については触れなくなり、密かに影へと潜めるようになる。
そしてソーシャルゲームで「二ノ国:Cross Worlds」が発表。信頼を取り戻せるのだろうか