概要
レベルファイブが製作したRPG。2010年にDS版、2011年にPS3版が発売。
『となりのトトロ』や『千と千尋の神隠し』などのアニメーション製作で知られるスタジオジブリが製作協力している。音楽は久石譲が担当。
ニンテンドーDS版『二ノ国 漆黒の魔導士』とプレイステーション3版『二ノ国 白き聖灰の女王』の2バージョンがある。
システムや見た目は全く違うが大筋基本のストーリーは同じである。
なお、最初から2つのハード別に製作は並行して行われており、移植ではない。
『白き聖灰の女王』の方が後から発売されたので、追加されたキャラクターもいる。
続編として『二ノ国Ⅱレヴァナントキングダム』がプレイステーション4で発売予定になっている。
2019年8月にアニメ映画が公開された他、同年9月に『白き聖灰の女王』がNintendo Switchで発売予定。
他にも、媒体を変えて、『二ノ国』シリーズは展開されている。
- 二ノ国大冒険モンスターズ
- 二ノ国 ホットロイトストーリーズ
- 二ノ国:CrossWorlds
ストーリー
オリバーはある事故で最愛の母を亡くしてしまう。悲しみに暮れるオリバーだったが、彼の涙が人形に触れると、突然人形が動き出した。人形の正体は、涙の妖精『シズク』だった。シズクは現実世界とは違うもう一つの世界『二ノ国』からやってきたのだ。二ノ国は、『ジャボー』という魔道士によって危機にさらされており、オリバーに二ノ国を救ってほしいと頼む。無理だとためらうオリバーだったが、『二ノ国へ行けば母親が助かるかもしれない』というシズクの言葉を聞き、オリバーは二ノ国へ旅立つことを決意する。
登場人物
オリバー
声 - 多部未華子
透き通った心を持った主人公の少年。母のアリーを亡くしてしまうが、シズクと出会ったことで二ノ国へ旅立つことになる。
マル
声 - 長澤まさみ
二ノ国でオリバーが出会った少女。歌うことが好きで元気な女の子。一ノ国(現実世界)では『シェリー』という病弱な女の子。
シズク
声 - 古田新太
二ノ国の涙の妖精。ジャボーの魔法で人形の姿に変えられ、人形はアリーからオリバーにプレゼントされたが、オリバーの涙に触れたことで魔法が解かれた。オリバーの透き通った心を見出し、彼を二ノ国へと導く。
ジャイロ
声 - 大泉洋
元詐欺師で、オリバーの仲間。華奢で弱そうな容姿をしている。スリを繰り返して生計を立てている。オリバーのある物を盗んだことで彼と知り合う。
二ャンダール14世
声 - 八嶋智人
ゴロネール王国の王様で、王国を統括しているが、ゴロゴロしており、やる気をなくしている。一ノ国ではオリバーの隣の家で飼われている猫の『フランク』。
カウラ
声 - 渡辺えり
ババナシア王国の女王。食欲が止まらなくなっており、腹が大きくなっている。一ノ国では『レイラ』という牛乳屋のおばさん。
ブヒーデン
声 - 溝端淳平
民を1000の法で縛り付ける皇帝。何故か美しいものを『醜い』と言って毛嫌っている。豚のような鎧を付けているが、その正体は美しい容姿を持っている青年。
アリー
声 - 黒田知永子
オリバーの母親。ある事故で亡くなってしまう。
マジックマスター
DS版のパッケージには「マジックマスター」と呼ばれる本(B6サイズ,352ページ,約500グラム)が同梱されている。この本にはストーリーの進行に必要な図形(本作中では"ルーン"と呼ばれる)などが記載されており、プレイヤーはストーリーの進行に応じてタッチパネルにルーンを描く必要がある。本書に描かれているルーンがないとストーリーの進行は不可能である。
そのため、プレイヤーは常に本書を携帯していなければならない(携帯ゲームなのに)。製作者側は「ゲーム業界初の本とゲームの新しい連動」を特徴に挙げているが、プレイヤーの一部からは違法コピー(マジコン)対策の一環という見方もある。
ゲームシステム
漆黒の魔導士
このゲームでは、ソフトに付いてくる本(魔法指南書「マジックマスター」)に描かれている『ルーン』と呼ばれる紋章を、DSのタッチペンで描くことで様々な力を発揮する。
白き聖灰の女王
魔法をタッチパネル操作で使っていたDS版とは違い、コマンド選択によって魔法を使う。
DS版は斜め見下ろし視点の2Dタイプだったが、PS3版はTPS視点の3Dタイプになっている。
そういうこともあって、PS3で当時出ていた多くのRPG(テイルズとかFFとか)とパッと見は同じような感じで、あまり変わらない感覚でプレイできる。
また、作中のすべてをCGとして構築してリアルタイム処理でシームレスに動かされている。
それ自体はPS3世代ならば珍しくもないが、それをジブリ調の絵柄にして、アニメっぽい動き(=非現実の動き)を再現することを大きな目標として掲げられて、それを実現している。
いうまでもないことだが、アニメっぽい絵柄と動きをCGで再現するのは未だ発展途上の領域である。CGにおいては写実的な現実とリアルな物理現象を再現することを目指す方が様々な業界分野での長年のノウハウが溜まっているため開発はしやすい。
2010年時点の試作品に対しては、監修者の百瀬ヨシユキから生活感の無さ、カメラアングルの悪さなどの要改善点を指摘されていた。そういうこともあり開発中に何度も大規模な作り直しをしているようで、発表のたびに別物のようになったゲームでもある。
用語
二ノ国
もう一つの世界。この世界はモンスターが多数存在する。
一ノ国
二ノ国とは違う、いわゆる現実世界のこと。
ホットロイト
オリバーの故郷。
ルーン
様々な力を持った紋章。それを杖で描くことでその力を発揮する。
マジックマスター
ルーンの描き方などが書かれた魔法指南書。また、魔物図鑑や二ノ国の世界の地図なども登載されている。
心のかけら
様々な心を持ったかけら。これを抜き取られるとヌケガラビトになってしまう。
トレビン
心のかけらを入れるビン。
ヌケガラビト
心のかけらを奪われ、廃人のようになってしまった人を表す。心のかけらを与えると正気に戻れる。
人の心から生み出される心の戦士。命令もテレパシーのように心の中で行える。
関連情報
スタッフ
企画・制作 - レベルファイブ
アニメーション制作 - スタジオジブリ
シナリオ・総監督 - 日野晃博
アニメーションディレクター - 百瀬ヨシユキ
音楽 - 久石譲
演奏 - 東京フィルハーモニー交響楽団
ゲーム作品に関するデータ
漆黒の魔導士 | 白き聖灰の女王 | |
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機種 | ニンテンドーDS | プレイステーション3 |
ジャンル | ファンタジーRPG | 同左 |
発売日 | 2010年12月9日(木) | 2011年11月17日(木) |
価格 | 6,800円(税込) | 8,800円(税込) |
開発・発売元 | レベルファイブ | 同左 |
CERO | A(全年齢対象) | 同左 |