ならば、見せてやろう。私の世界を!
私の闇に取り込まれるがいい・・・
『絶望』は心を飲み込む。心の力を凌駕する。
『絶望』は、世界を滅ぼす。
この記事はゲーム本編の重大なネタバレ情報を含みます。 |
---|
概要
”漆黒の魔道士”において
死者の湖を越えた先に建つ禍々しいラストダンジョン『ナナシ城』に住む魔導士。本作で二ノ国の混乱を引き起こした諸悪の根源であり、人々から心のカケラを奪いヌケガラビトへと変えた元凶。
その存在は二ノ国全土に知れ渡っており、名前を知らぬものはまずいないと言われるほど。そしてその力の強大さから逆らう者もおらず、畏怖の念を込めて「あのお方」と呼ばれている。
”白き聖灰の女王”において
基本的には”漆黒の魔道士”と変わりないが、主な変更点として新たに追加された敵組織エルダードゥーク、及びその女王レイナスより任命された、世界を導く者”執行者”となっている。
ストーリーやラスボスの変更から立場は格下げされてしまい、評議員たちからは自分達より下位の立場であるにもかかわらず、初登場時の主君であるレイナスに対する態度や言動からあまり良い目で見られてはいないが、レイナスからは期待と信頼を寄せられている。
実はジャボーはオリバーと魂を共有する存在であり、彼が死ぬ時オリバーも命を落としてしまう。しかし彼自身には『闇の加護』と呼ばれる特殊な概念が存在し、オリバーとの魂の絆から独立した存在となっている。
故にオリバーが死んだとしても彼は死なないという反則級の仕上がりとなってしまっているのである。
人物
不気味に青く光る文様の入った黒いローブを身に纏っており、首からうなじにかけて角が生えているかのような襟巻(?)を着けている。また頭部はフードを深々と被り、その暗闇からマゼンタの髪が貞子の如く出ている。
その性格は狡猾にして残忍。自身に歯向かう者・裏切るものには一切容赦せず、今まで逆らってきた四賢者のうち二人をヌケガラビトにし、ソロンには娘のマルをヌケガラビトにすることで精神的に追い詰め、配下のマグールも強力な呪いを掛けてマグデービルに変えてしまった。
また自身に唯一対抗できる伝説の杖グラディオンが不完全な状態であることを見越しており、あえて放置することで反逆者を炙り出す餌に利用するなど徹底して相手を叩き潰す戦略を用いる(実際四賢者の一人サザラはこの策略にまんまと掛かりヌケガラビトにされた)。
白き聖杯の女王の際に至っては、グラディオンを二ノ国から完全に消滅させ、オリバーの手に渡らないようにした(なお、それを聞いていたある人物の手により、オリバーたちはとんでもない方法でグラディオンを入手することができた。)
世界中の人間をヌケガラビトにして世界を自身の理想郷にすることを目的に暗躍しており、その影響力はオリバーの住む一ノ国にも及んでしまうほど強力である。
また、居城であるナナシ城に近いレカの街では、彼を救世主と呼び崇める人物が大勢おり、ヌケガラビトになることを祝福とされていた。
使用魔法
漆黒の魔道士
- 闇の雷撃
縦一閃に放つ雷属性攻撃。確率でキャンセル(後攻キャラの行動を一回休みにする)効果を持つ。
- 闇の氷結
横一列に氷塊を放つ水属性攻撃。
- 無限の炎
相手一体に放つ火属性攻撃。標的の前にキャラがいるとそのキャラに当たる。
- イーゼラー
ジャボーが放つ最強の暗黒魔法。オリバーの魔法「オーラバリア」を展開していても(よほどタフさが高くない限り)100以上のダメージを受けてしまう危険な技。
但し発動ターン、ジャボーの足元から波動が出るため、それが確認できたら全員ガードするとよい。
白き聖灰の女王
- 無限の炎
相手一体に放つ火属性攻撃。
- 闇の烈風
周囲を弾き飛ばすように放つ風属性攻撃。
- 闇の氷結
全体攻撃である水属性攻撃。周囲にダメージを与える氷塊を残す。
- イーゼラー
ジャボーが放つ最強の暗黒魔法。”漆黒の魔道士”同様に非常に強力で危険な技。
但し発動する直前に、オリバーの魔法”グラディオンを当てるとチャンスが生まれる”ため、狙える状態であればグラディオンで発動を潰すと良い。
それができない際は、大人しく守りシフトで耐えよう。
エビルナイト
ジャボーが使役するイマージェンで二戦目の相手。
ジャボーのようなマゼンタの長髪と長い二本の角が生えた頭部に、青い蛍光色のラインが走る黒い筋骨隆々の体、右手には大剣、左手には盾を持った巨大な存在。
図鑑説明によると召喚者のジャボーをもってしても制御できない強力なイマージェンとのこと。
使用技
- 暴れ斬り
大剣を縦横無尽に振り回し、相手全員に斬りかかる技。
発動ターン、剣からオーラが出るので、確認でき次第全員ガードをすること。
- エビルガード
盾を構えタフさを上げる技。
魔法や特技が通り辛くなるので物理メインでダメージを稼ごう。
漆黒の魔導士 ジャボー
異世界(一ノ国)のパワーさえも吸収し、巨大で醜悪な怪物となったジャボー。
変身した衝撃で空いたナナシ城の大穴から上半身を這いずり出した状態になっており、角のように見えていた襟巻は頭部と一体化してエビルナイトと同等の二本角と化している。
全体像はデスタムーア(最終形態)を思わせる禍々しさを持ち、人だった頃の理性は完全に失われている。
使用技
- デスクロー
横一列を薙ぎ払う物理技。
- 闇の波動
相手のナイスポイント(攻撃回避や弱点攻撃で溜まる必殺技発動のためのポイント)を奪う技。
- 冥界の光
縦一列に放つ最強技。ガードでもかなり削られるほか、予備動作がないため、直撃してしまったら即全体回復に移ること。
白き聖灰の女王
- スナップブロー
目の前を薙ぎ払うように腕を振る物理攻撃。
- 冥界の光
フィールド右端一直線にダメージを与える。
- 残光の闇
フィールド左端一直線にダメージを与える。
- 漆黒の衝動
フィールドにランダムにダメージを与えるエリアを、複数箇所作る。
- 魔導砲
漆黒の魔道士が放つ最大最強の技。発動する直前に警告が出るので守りシフトで耐えよう。
放つと必ずチャンスが生まれる。
気づいた魔法使いもいるかもしれないが、漆黒の魔道士戦ではフィールド中央奥にいると、漆黒の衝動と魔導砲以外ではダメージを受けない。
関連タグ
ここから先、漆黒の魔導士の過去につき閲覧注意!
過去とその正体
彼の本当の名はナシウス。
その昔、レカ大陸にはベルダーナ、アルテナ、そしてボーグと呼ばれる3つの帝国があった。
3つの国・・・いや、その当時二ノ国全土では戦争が繰り広げられており、彼もまたアルテナ帝国に所属する魔法使いの兵士だった。
ある日、ナシウス達魔法兵は上層部からの命令で敵兵が潜んでいると言われる村を襲うことになった。それも『村を焼き尽くし村民も皆殺ししろ』というあまりにも残酷な指令だった。
しかし上からの命令に従うしかなかった彼らは指令通り村を焼き払った。だが、そこで彼は唯一生き残っていた幼い少女を見つける。
本来であればその子も抹殺の対象だった。だが彼には、親を失い泣きじゃくるその子を殺すことはできなかった。
そして彼は首に掛けていたお守りを渡し、少女を森へと逃がしたのだった。
だがその光景を他の兵士に見られてしまい、彼は反逆者の汚名を着せられることとなる。
家を焼かれ、国から追放され、反逆者という汚名を着せられたために誰からも助けてもらえず、彼は世界から孤立させられてしまったのだった。
そして居場所を失い、絶望に打ちひしがれ彼は嘆き続けた。
「私は間違っていたのか?」「なんと悲しい世界だろう」「生きることが無意味だろう」
それにより生きた屍となった彼は全てを投げ出し『死者の湖』へとその身を投じた。
以下、作品によって異なります。
漆黒の魔道士において
本来であれば彼はそこで死に絶えるはずだった。しかしたった一度の善意から自身を見捨てた二ノ国そのものへの底知れない憎悪が彼の肉体から善の心を切り離し、湖に蓄積された死者たちの絶望を糧に彼を悪の心しか持たない冷酷非道の魔導士へと覚醒させた。
それによって生まれたのが漆黒の魔導士ジャボーなのである。
激闘の末、敗北した絶望の魔導士は清らかな心を持った少年に問う。「なぜおまえはこんな穢れた世界を救おうとするのか」と。すると少年は答えた。
「この世界にだっていいところはいっぱいある。母さんもそれをわかっていた。」
この答えに疑問を抱くジャボー。すると次の瞬間、オリバーの隣に自身が助けたあの少女が現れたのである。そしてその子の体は光り輝き、見覚えのある女性に成長した。
「まさか!あの魔導士が!?」
そう。彼が助けた少女は幼少期の賢者アリシアだったのである。
彼女は自分を助けてくれた彼を救うために彼の前に現れたのだった(助かったアリシアのその後はマジックマスターに掲載されている昔話『ある少女の手記』で明らかになる)。
突然の真実に取り乱すジャボー。すると彼の周囲の景色が一変し・・・
気が付くと辺りは綺麗な花畑になっており、自分も兵士だったころの姿に戻っていた。
そして目の前にはあの少女がおり・・・
少女は語った。彼が自分を助けてくれたおかげで自分はたくさんの人と出会うことができたこと。そして彼が穢れていると吐き捨てたこの世界にも楽しいこと・素敵なものがいっぱいあったこと。
それを聞き、自身の行いが無駄ではなかったと知り涙を流すジャボー・・・いや、ナシウス。
そして少女は泣きじゃくる彼に手を差し伸べた。もう彼が苦しむことがないよう、一緒に逝くことを望んだのである。
それによって救われた魂はオリバーに感謝を述べ、天へと昇っていった。
白き聖灰の女王において
「その絶望、受け止めよう。」
湖に身を投げた際に聞こえた謎の声。その声により彼は漆黒の魔道士としてその身を変えた。
真っ白な世界でそんな哀しい記憶を見たオリバーの前に現れたのは、ジャボーの衣装を見にまとった老人ナシウスであった。
どんな姿になったとしても、心と魂のつながりだけは切れず、その思い出をオリバーは見てしまったのだ。
そして彼はオリバーにある男の昔話をする。
「男は、願っていた。争いの終わりを。争いを終わらせたかった…。」
「男は、力を欲した。その為の力を。だが、世界は応えてくれなかった。」
「男は、『絶望』した。絶望は男が望んだはずの『力』となり…」
「『漆黒の魔道士』は生まれた。」
男、ナシウスの消せない記憶を聞いたオリバーは彼になぜ世界を滅ぼそうとしたのか問うと、それが執行者たる者の役目であり、さらにその役目は終わったと言う。
しかし消える直前に彼は、自身とオリバーの魂の絆を完全に断ち切り、オリバーを救いだした。
そして何もない白い世界を独り歩く彼の前に、賢者アリシアが現れた。
自身を笑いに来たのかと問うと、彼女はあるものを見せた。
それは昔、自身が助けた少女にお守りとして渡したものだった。
その瞬間、互いの姿がその当時の姿に戻る。
捕らえられてしまった彼女だが、ナシウスがジャボーとなって国を滅ぼしたため彼女は助かり、生き延びることができた。
そしてジャボーの真の願い(後述のネタバレ)を理解した彼女は賢者として成長し、彼の前に現れたのだ。
まだ灰の女王という脅威は世界に残っていつつも、自身の役目は全て終わり、彼の願いはオリバーに託されのだ。
魔導士が望んだ理想郷(更なるネタバレにつき注意!!!)
こうして一ノ国からやってきた清らかな心を持つ少年・オリバーによって悪の魔導士は倒され、世界は平和になった。
しかし、ジャボーに触れたことで彼の心を知ったオリバーから衝撃の言葉が発された。
ジャボーは世界を守るために人々から心を奪っていたというのだ。
過去の項でも記述したように、当時の二ノ国では戦争が繰り返されていた。故に人々の心は自己防衛のための敵愾心にあふれており、善意が悪とされる混沌の世と化してしまっていた。
だがそこにジャボーという世界そのものを憎む強大な敵が現れ、人々から心を奪い始めた。
これによって二ノ国では戦争をする段ではなくなり、人々は争いあうことがなくなった。
つまり、ジャボーという共通の強大な敵が現れたことで世界は戦争から解放されていたのである。
もしジャボーのような世界全体を脅かす存在がいなければ二ノ国は本当の意味で終焉を迎えていたと言っても過言ではない。
二ノ国の人々は図らずも巨悪から守られていたのだ(ジャボーの方も世界を憎みながら意図せずその世界を守っていたというのはなんとも皮肉な話である)。
だがそんな世界に本当の平和をもたらすイレギュラーな事態が起きた。
それはオリバーである。
彼はその清らかな心で身分を越えた様々な国の人々と出会い、旅をして、心を運び、心を繋げてきた。
その行為は知らぬうちに世界中の心を一つに纏め、二度と作られることはないであろう『ひとつながりの笛』まで完成させた。
これによって世界は、もうジャボーがいなくても平和が約束され、ジャボーもその役目から降りる必要ができた。
ジャボー自身も世界に平和をもたらすのは自分ではなく、世界に絶望し、心を奪い、全てに憎まれた自分を消してくれる者であると考えていた。
だからこそ彼は去るその瞬間、とても満足したように昇天することができたのだった。
混沌に溢れていた二ノ国はその世界に住まう青年の悪意と、一ノ国に住む少年の善意によって真の平和を取り戻したのであった。
超余談
ヌケガラビトを助けていくなかで、劇中なんと8回(つまり全ての)心のカケラを奪われる旅人と出会えるのだが、最後となるレカの町である昔話を聞くことができる。
上に記述したように、昔レカ大陸には3つの帝国が存在した。
だがジャボー出現によってアルテナ帝国は滅ぼされ『ゴーストの谷』にされ、ベルダーナも滅ぼされた後に首都部分に『ナナシ城』が建てられたことを教えてもらえる。
真の関連タグ