『電撃G'sマガジン』2003年10月号から2005年10月号まで連載された。
企画・シナリオは『シスタープリンセス』を手掛け、後に『BabyPrincess』やラブライブ!シリーズを手掛けることになる公野櫻子。
キャラクターデザイン・イラストは真木ちとせ、ミニコミックは霧賀ユキが担当した。
テーマは、当時男性向け美少女ゲームをメインに扱っていた『G's』としては初めてとなる、百合である。
プレイヤー(=読者)は渚砂・光莉・絆奈の兄というポジションを与えられ、全寮制の女子校に編入し、カルチャーギャップに戸惑う妹たちに、学校の女生徒たちとの付き合い方を指示するという内容。
つまり、実の兄が妹を同性愛者に仕立て上げるという、兄妹愛をテーマにした『シスプリ』よりも狂気的な内容である。
この「プレイヤー=3人の兄」という設定は次第に言及されなくなり、3人を主軸にしたカップリングだけでなく、3人を含めた総勢12人のヒロインによる66通りの総当たりカップリングを支援できるシステムに移行していった。
解釈次第では、「プレイヤーが妹を通じて、別のヒロイン2人をカップルにさせようと工作を仕掛けている」ともいえ、それはそれで狂気である。
読者参加企画終了後は、小説・漫画・アニメ・ゲームにメディア展開した。
聖アストラエア
物語の舞台となる3つの学校の総称。
一つの敷地内に聖ミアトル女学園、聖スピカ女学院、聖ル・リム女学校の3つの学校と、三校の生徒全員が寄宿するいちご舎がある。
三校はそれぞれ、高い格式と歴史、学業と部活動、自由で革新的な校風と、異なる特色を持つ。
登場する人物は、三校のいずれかに生徒、または教師として所属している。
エトワール
読者参加企画の誌上ゲームの中核を担う要素で、小説版・アニメ版でも重要視される。
聖アストラエア三校で最も優秀な一組の生徒たちに送られる称号で、有体に言えばベストカップルである。
読者参加企画では、最終的にこれを決めることが誌上ゲームの目的であり、12人のヒロインによる66通りの中から複数の誌上ゲームでの人気投票を実施した。結果的に蒼井渚砂(当時は名字なし)と涼水玉青のカップルがエトワールとなった。
小説版・アニメ版では、学外にも通用する三校の代表という要素が色濃く扱われ、これを輩出した学校は三校の中でも一目置かれるため、各校の生徒会は自校からエトワールを輩出しようと躍起になっている。
エトワールを決めるイベントを「エトワール選」といい、読者参加企画では季節に合わせて全4種目で、小説版では数か月に渡って3種目で、という違いがある。
また、小説版では学校を超えた組み合わせ可・出場するカップル数は無制限だが、アニメ版では各校から代表1組・計3組のみが出場するルールになっている。
登場人物
メインヒロイン
聖ミアトル女学園
聖スピカ女学院
聖ル・リム女学校
小説
2006年3月から12月にかけて刊行。全3巻。挿絵はたくみなむち。
聖ミアトル学園を主軸に、エトワール選を巡る各校の攻防と、それに翻弄されるヒロインたちの恋愛模様が描かれる。
スピカの5大スターなど、読者参加企画時代に少し言及されていた設定も盛り込まれている。
漫画
原作となる小説に先駆け、2005年9月から連載。こちらも、たくみなむちが作画を担当。
小説2巻の序盤分まで連載されたが、その後長期休載となっている。
単行本は2巻まで刊行されたが、未収録分もある。
テレビアニメ
2006年4月から9月にかけて放送。
詳しくはストロベリー・パニックを参照。
原作・小説との相違点
原作・小説にあってアニメにない設定
- タイトルの「!」
- ミアトル四聖人、スピカ五大スターなどの一部生徒の称号
- ミアトル理事長である千華留の母・千妃絽、四聖人の一人・鞠子谷愛子、スピカの草薙真箏の未登場
原作・小説から変更された設定
- 涼水玉青、奥若蕾の性格(原作から登場している他のヒロインも、多少雰囲気が変わっている)
- 12人のヒロイン以外のキャラクターの容姿・学年・性格・関係性
- エトワール選の開催期間(小説版は数か月、アニメ版は一か月弱の短期間で開催)
ゲーム
2006年8月に発売。プラットホームはプレイステーション2。
ジャケットイラストはたくみなむちが担当したが、ゲーム本編のCGは別のイラストレーターが担当。
エトワール選の設定がないため、小説・アニメ版のような殺伐とした雰囲気のない、平和(?)なガールズラブゲーム。
渚砂・光莉・絆奈のいずれかを主人公に選び、残る9人のヒロインと恋人になることがゲームの目的。
プレイヤーは、渚砂たち自身になる「女の子モード」か、読者参加企画(初期)のように渚砂たちの兄になって渚砂たちに指示する「男の子モード」でプレイするかを選べる。