概要
アイテム番号:SCP-387-JP
オブジェクトクラス:Euclid→Safe→Keter
SCP財団日本支部が管理するオブジェクトの一つ。メタタイトルはとてつもなく長過ぎるため、後述する。
このオブジェクトは、戦隊ヒーローのような金色の装甲服(詳しい素材は不明)を身に付け、「高速心臓再動士リバーサル・ゴールド」と自称していた人型実体。性別は男性である可能性が高い他、超人的な身体能力や財団の装備以上の防御性能などが確認されている(以下、彼のことは「リバーサル・ゴールド」または「リバーサル」と表記する)。
また、「SCP-387-JP-A郡」と財団に識別されている、リバーサル・ゴールド専用の各種装備もあり、その一覧は以下の通り。
番号 | 説明 |
---|---|
SCP-387-JP-A-1 | リバーサル・ゴールドの両腕部に装着された機械で、本人は「カウンターブラスト」と呼称。停止した心臓に対しての電気ショック及び薬剤投与を行う。 |
SCP-387-JP-A-2 | 背面に装着されたバックパックで、リバーサルは「ジェットパック」と呼称。圧縮空気による飛行機能を有し、最高時速約500kmでの飛行が可能。 |
SCP-387-JP-A-3 | 全長40cmほどのツルのような形状で、未知の金属で構成された金色のロボットで、リバーサルは「エイドフェニックス」「エイド」と呼称。自立的な飛行と幼い少年の様な声での会話が可能な他、近辺の心停止状態にある人間の探知機能を備えていると思われている。 |
(以下、SCP-387-JP-A郡を「各種装備」、それぞれを「カウンターブラスト」「ジェットパック」「エイド」と表記する)
なお、前文で「自称していた」と記載しているが、それはリバーサル・ゴールドが死亡したからである。
当初財団は、リバーサル本人(食事などを必要とする人型実体)の収容プロトコルを実行していたが、彼の死後は各種装備(異常性を持った物品)の収容プロトコルを実行している。その過程でオブジェクトクラスも変更されているが、詳しい経緯は後述する。
経緯
財団に収容されるまで
199█年7月28日、リバーサル・ゴールドは神奈川県の海水浴場で海難事故にあった幼児を助け、それを元に財団に感知される。
その後同年8月から翌年の6月に渡り、リバーサルがエイドとの会話、カウンターブラストでの蘇生、ジェットパックでの離脱を繰り返し、多くの人々(一般人のみならず財団職員も含む)を心停止から救い、更にそれらの蘇生処置は全て成功していた。
財団による確保、収容
199█年7月1日、財団はDクラス職員3名を用いた捕獲作戦でリバーサル・ゴールドと各種装備の確保、収容に成功。
同日に財団の博士がインタビューを行い、その内容を要約すると以下の通り。
- リバーサル・ゴールドが「人助け」を理由に収容室からの解放を要求。博士の質問にも「ヒーローだから」としか答えず、その格好になった経緯などは不明のまま。
- エイドが「要救助者を確認」したとリバーサルに報告し、リバーサルはそれを理由に再度解放を要求。(エイドの反応と同時刻には、Dクラス職員が別のエリアで心停止状態に陥っていた)
- 当然リバーサルの要求は却下され、自ら壁への攻撃で脱走を計るが成功せず、インタビューにも応じない。
その後もリバーサル・ゴールドは財団のインタビューに応じなくなり、リバーサル本人とエイドの抵抗により、各種装備などの調査も進まなかった。
更に、Dクラスをはじめとする財団職員の心停止をエイドが感知し、リバーサルが脱走の為に壁を攻撃するという事態が通算約30回続いた。
リバーサル・ゴールド、死亡
しかし、8月22日に事態が以下の様に急変する
- いつも通りリバーサルは壁に攻撃していると、突然カウンターブラストから黒煙、ジェットパックから火花が上がる。
- リバーサルの身体が痙攣し始め、収容室からの解放を必死に叫んで要求する
- エイドはリバーサルを応援し続けるが、リバーサルはエイドに「これ以上チャージしないでくれ!」と叫ぶ。
- リバーサルは喋らなくなる。その後はエイドがリバーサルを応援し、リバーサルの身体が痙攣するという動作が繰り返される
以上のことから、エイドは各種装備を動かす電力を供給していたようであり、それが使われずに蓄積された結果、リバーサルの肉体が耐えられずに死に至ったようだ。リバーサルの身体が痙攣しているのも、電気ショックによるものと考えられる。
この一件以来、リバーサルは死亡したものと見なされ、オブジェクトクラスがEuclid(知性を持った人型実体などのクラス)からSafe(正しく管理すれば危険性はない物品などのクラス)へ変更された。
また、心停止直後のDクラス職員提供計画も予定されていたが、こちらも同様に破棄された。
Keterへの再分類
2004年、SCP-387はKeterに再分類された。
なんと、Dクラスを始めとする心停止者が日夜発生している財団施設に各種装備を収容し続けた結果、エイドによる過度なエネルギーチャージでそれらはリバーサルの肉体ごとほぼ球状に膨れ上がり続けてしまい、更にジェットパックも作動し続けてしまったのだ。(各種装備が破損していないのは物品オブジェクトによく見られる「破壊耐性」と考えられる他、エイドが死亡したリバーサルを「要救助者」と誤認している可能性もある)
各種装備のエネルギー量と速度の増加し続ければ、それらの暴発による世界終焉シナリオ
の可能性もある。
人助けの為に特殊な装備を身に付け尽力したヒーローが、その装備により死亡したことに加え、世界を守る財団が異常存在を頑なに「収容」し続けた末、その異常存在の危険度が増してしまったという、皮肉かつ悲惨な結果である。
メタタイトルについて
上記で「とてつもなく長過ぎる」という理由で記載しなかったSCP-387-JPのメタタイトルは、以下の通りである。
財団と名乗る謎の集団によって僕とゴールドは監禁されてしまった!逃げる手段は見当たらない上、また一人一人と僕達が救えた筈の命が失われていく…目的も何も分からないけど、まだ僕達は挫けていない、必ずここから抜け出してみせる…えぇっ!?僕に全部任せるって、どういう事なの!?次回高速心臓再動士リバーサル・ゴールド「救う為に脱出せよ!決死のセルフ・リバーサル!」続けて「救う為に脱出せよ!決死のセルフ・リバーサル!」合わせて「巣食う為に脱出せよ!█死のリバーサル!リバーサル!命!」合わせて命は[Reboot]僕の名前はエイド・フェニックス!リバーサル・ゴールドの命█なんだけど、まだまだ僕の事を信じていないみたい…だけど子供が溺れて█るよ!あの子を救いたい気持ちがあるから█命命命!ああ、また新たな命が失われていく。このまま黙って見過ごせない、だっ█て僕達は█ヒーローなのだから![Reb██oot]][システムに異常が感知されました][reboot]命[Rebo██t][システムに異常が感知されました][安全性の為に一部メモリ内累積データを削除します]ヒーロー援助用ロボットであり要救助者の探知を█行います探知しましたモジュール稼働要請を送りま█す送りました探知しました送ります██りました█探知します[Reboot]要請します[Reb█oot][Repeat][Repeat██][Re█peat][█eboot][Repe██t]このま█だと僕█は誰も救えな█よ、ゴ██ルド…[ReReReboot][Repeat]
初見だと完全に理解不能なこのタイトルだが、記事内容を踏まえて読むと、「財団に収容されたリバーサル・ゴールドの末路が、エイド視点でヒーローアニメの次回予告風に解説されている」と解釈することが出来るだろう。