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国家神道の編集履歴2012/11/24 00:00:53 版
編集者:hinoki
編集内容:戦前の「国家神道」論

国家神道

こっかしんとう

占領軍の「神道指令」によると「日本政府の法令によって、宗教たる教派神道とは区別されて、非宗教的な国家祭祀に分類された神道の一派」。戦後になって人口に膾炙するようになった、戦前の日本に関する虚像の一つ(つまり実在しない)。

概要

近代の日本に存在したとされた想像上のイデオロギー装置。

この用語は戦後に人口に膾炙するようになったものであり、戦前たまに用いられる場合には、「神社神道が国家管理されている状態」のことをいう用語であった。

しかし戦後になって、「国家神道が明治以来の狂信的な天皇崇拝思想を鼓舞し、事実上の国教として政府に優遇されたばかりか、神社参拝は国民に強要され、神社の信仰と対立するような宗教は弾圧され、国民の信教の自由は踏みにじられた」と妄想されるようになった。

戦前

加藤玄智

本来の「国家神道」観を転換したのは、浄土真宗の信仰を持ち、東京帝国大学で宗教学を教えていた加藤玄智である。

大正・昭和を通じて神道研究に関する著作を出した加藤が昭和元年に英文で書いた本に、「日本には現人神信仰を注入するために神社神道と学校教育とを結合した巨大なイデオロギー装置としての『国家的神道』が存在している」という「国家神道」像が登場した。

そうは言っても、加藤の説は当時の一般的な認識と異なるだけでなく、決して現状を正確に捉え、的確に言い表したものではなかった。天皇や皇祖皇宗を絶対神として崇拝すべきだとする教育など、明治以来この方行われていなかったのである。それもそのはずで、一神教的天皇観の提唱者が加藤であった。

つまり、加藤の言う「国家神道」とは実在するものではなく、加藤が想定した理想状態にすぎなかったのである。

加藤からホルトムへ

アメリカのD・C・ホルトムという人物は、「政治、教育および宗教の三者の合体」した「国家神道」が、明治維新以来、右肩上がりの発展を続けてきた結果、今日では「驚くべき上昇」「前代未聞の強力なもの」となったと言い、「国家神道が育成して来た超国家主義的な政策」として、「天皇による世界統治、日本民族の優越性の誇張、日本文化への偏執、世界同朋主義の嫉視排斥、日本の国体の他国のそれに対する卓越性、超自然主義と神話に基礎を置く専制政治、個性を完全に無視することによる民主主義の否定、被征服民族を日本民族に隷従させるやり方」などを列挙している。

加藤玄智によって理想として言い出された「国家的神道」が、ホルトムによって、明治以来の国是の延長線上に現れた昭和10年代の現実として、海外、とくにアメリカ人に伝えられた。彼の諸説が通俗化してアメリカ人の通説的な神道観となってしまったのである。

戦後

関連タグ

神道指令

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