概要
アニメ塗りとは画風の一種である。
簡略化された色使いが、セルアニメで多く見られたことに由来する。これは当時アニメはセルに絵の具で着色していたため使える色数にかなりの制限があったためである。
3DCGでは類似する表現のことをトゥーンレンダリングという。
アニメーションが産業として発展した際、簡略化されたキャラクターデザインや、透明なセルを用いた制作技法が多く使われるようになった。
特に多く見られた特徴は
- 輪郭を一定の太さの黒線で描く。
- 色や影のグラデーションは2階調・3階調程度に抑える。
というもの。
日本ではTVアニメやコミックスが広く親しまれ、その多くがこういった手法をとるようになったため、それらの表現を総じて「アニメ絵」「アニメ塗り」とする呼び方が浸透した。
このやり方はマシンが低性能だった時代のPC・テレビゲームでもファイルサイズ削減の効果があった。
アニメ塗りの範囲
現在、商業作品として制作されているアニメの大半がデジタル制作へと移行している。
塗りにセル時代のような簡略化を施さなくてもよくなり、階調のないグラデーションが非常に多用されるようになった。デジタルアニメでも輪郭線は残されている(面の塗りつぶしに輪郭が必要)が、セル時代よりも色を多く使えるようになったため、カラフルな輪郭線が多く用いられている。
このため、現在制作されているデジタルアニメのような表現を指す場合と、セルアニメのピークであった90年代風、及びそれ以前のアニメのような表現のみを指す場合がある。
特例
独特の作風を持つアニメ作品などを真似ている場合、作品名を引用して「○○風」という事がある。
賛否はあるが、ニコニコ動画などによる手書きブームの影響もあり、アニメ作品等をトレースしてキャラ置換や加工を行うトレスなども手法として定着しつつある。