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アブサロム(ジョジョ)

あぶさろむ

ジョジョ第三部の小説『砂漠発地獄(ヘルシティ)行き』に登場するオリジナルのスタンド使い。
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※メイン画像左。

概要

アブサロムとは、ジョジョ第三部の小説『砂漠発地獄(ヘルシティ)行き』に登場するオリジナルのスタンド使いである。17~8歳ほどの青年。

妹のミカルとともに、砂漠で難儀しているジョースター一行を襲った。


スタンド「凶悪連結器(サタニック・カプラー)」のスタンド使い。


ンドゥールとの戦いの後、砂漠を着の身着のままで彷徨う羽目になったジョースター一行。彼らが『実体のある奇妙な蜃気楼』を目撃し、更には砂嵐に巻き込まれ、熱と乾きと砂に難儀していたところに、鉄道および列車とともに出現。列車内部にジョースター一行を招き入れる。


ヘルシティまで向かい、そこからアスワン行きの列車と接続すると、電光掲示板に表示。全員を内部に乗せる。

が、途中で本性を現し、自身がDIOの命でジョースターたちを捕えた事を口走り、妹・ミカルのスタンド「闇の蜃気楼(ダーク・ミラージュ)」の能力とともにジョースターたちに精神攻撃を行った。

後に承太郎とポルナレフ、そして(承太郎に連れられた)イギーに脱出されてしまい、改めて再戦する事に。

その際に、捕らえたままのジョセフ、アブドゥル、花京院は生かして、承太郎を殺した後に殺す事を公言し、水と食料を与えていた。


後述の理由から、文明社会に対する激しい憎悪を有している。ジョースター一行を抹殺する命をDIOから受けていたが、砂漠の中で遭難死させなかったのは、

きさまら文明人は、苦しんで苦しんで苦しみ抜いて、身も心もボロ雑巾のようになり果てて死ぬべきなのだ!

という意図があったため。


ミカルに対しては、兄として大切に想っている。彼女のミスで承太郎らを逃がした際には激昂したものの、すぐに怒りを納めてその身を気遣った。


どこか思い込みが激しく、そのせいで判断を誤る事も多い。イギーのスタンド「愚者」に翼があった事から、「あのスタンドは飛行できる。その能力で逃げた」と思いこんだり、「愚者」が承太郎の姿をとってそれに騙された際にも「承太郎は日本人、これが日本に伝わるニンジュツという技なのか」と動揺したりしていた。

また、後述するスタンドの「鉄道列車のデータを得る」際にも、そのデータが「嘘でなく、真実」である限り、それに素直に従ってスタンドに反映させる。が、それを利用されて承太郎とポルナレフに逃げられてしまった。


再戦時、承太郎と対峙。進化させ強化した「凶悪連結器」の能力で、承太郎を苦戦させ負傷させる。

しかし承太郎の機転で、内部のジョースターたちに逃げられてしまった。

ミカルのスタンドの作り出した『蜃気楼の街』内部で、承太郎たちと対決。「列車の特性」を利用した方法で一時的に走行を止められ、承太郎のスタープラチナのラッシュを受けて敗北。


『蜃気楼の街』が消え、アブサロム自身も負傷した状態で追い詰められる。

しかし大気の塵と合体し、超小型の列車と化して(「恋人」時のように)アブドゥルの体内に入り込んで最後の抵抗。しかしそれすらも、花京院と承太郎の協力プレイで発見され、止めを刺されてしまった。


ではあっても、命までは奪われず(再起不能。全治六か月)、承太郎から「一度だけ、てめえに和解のチャンスをやる」と言われ、村人たちとともにやり直す事を示唆された。


過去

承太郎とポルナレフは、近くのオアシスの村人たちに助けられた際に、村の長老からアブサロムの過去を聞く。


それによると、幼少期から好奇心が強く、蜃気楼が好きで、妹のミカルとも仲が良い少年だった。

そして、蜃気楼に映る「異国の文明」、都市や工場や巨大な船舶などに心惹かれ、砂漠の果ての文明社会に強い憧れを抱くようになる。その中で特に「鉄道列車」に心惹かれ、文明社会の象徴としてとらえていた。

憧れは次第に(文明社会こそが)「幸福の地」「魔法の国」である……という崇拝にまでなり、『文明社会こそが、人間が幸せに生きていける世界』と考えるように。

そして崇拝が過ぎるあまりに、村の原始的な生活を恥ずべきものとすら思うように。


しかし、劇中から四年前。両親とともにカイロへと赴いた際に、乗っていたバスが鉄道列車に衝突する事故に遭う。

事故で両親は即死。異邦人ゆえに手当を後回しされたミカルも、喉を切り裂かれ、以後声が出なくなってしまった。

この事故で、アブサロムは文明世界を、人間を不幸にする「悪魔の地」と憎悪するように。


事故から半年後に、彼らは村に戻って来た。

その時には「カイロで出会った神・DIOに忠誠を誓う」と村の皆に伝え、そのまま去る。以後、村近くの小さなオアシスの家にミカルと住み、現在に至っている、との事。

(承太郎はこの時期に、アブサロムとミカルはDIOからスタンド能力を授かったのだろうと推測している)


長老を含む村人たちは、DIOの事をアブサロムの口から聞いているだけで、「アブサロムが頭の中で勝手に作ったもの」、さもなくば「とんでもない大ボラ吹き」ととらえている。

しかし長老は同時に、アブサロムが心の安らぎを得ている事、彼の心の支えになっている事から、DIOが何者か知らずとも感謝している。


長老と村人たちは、アブサロムとミカルに対しては敵対も排斥もしておらず、むしろ愛情を以て接している。

二人が承太郎たちに叩きのめされ、そこにやって来た際に村長は、

「よくも大切なわしの村の若者を、『わしらの』アブサロムとミカルをこんな目に合わせてくれたな!」と、二人を救わんとした。

それを聞いたアブサロムは、涙を流している。


スタンド「凶悪連結器(サタニック・カプラー)」

鉄道列車』のスタンド。

スクラップと合体した物質融合型のスタンドで、本人曰く『取りようによっては、世界最大のオリジナル鉄道模型(のスタンド)』。線路もまたスタンドの一部で、こちらは『砂漠の砂そのものを線路に変化』させている。


スタンドの外観は、アブサロムの脳内にある『鉄道列車』に関するデータを反映させたもの。新たな鉄道列車のデータを得る事で、それを反映させてスタンドそのものをアップグレードさせる事が可能。

新たな列車のデータを得るためには、他者の脳内から『鉄道列車』に関する記憶を読み取る事で行う。

ただし、文明から隔絶された砂漠で生活しているために、データを得る事がなかなかできず、苦労したらしい(砂漠という場所柄、ほとんど人が訪れないため。僅かに、都市部から来た旅人や、旅の行商人などから、記憶を読み取りデータを得ていたとの事)。

このため、アブサロムは車内販売や駅弁といったものも知らなかった(劇中のポルナレフとの会話で、それらを初めて知った様子)。

また、得るデータは『真実』である事が必要。嘘を伝えてもそれを判別し、除外する能力があるらしい。


アブサロム自身は、列車内の運転席に入っている。

外部からの攻撃は列車の外装が防ぐが、列車の客車内側からの攻撃は「内壁がゴムの様に外へ膨らみ、衝撃を受け流す」ことで無効化する。

(視力を失い)事態が分からない花京院がエメラルドスプラッシュで攻撃したが、反動で跳ね返され、逆にジョースター一行がダメージを食らってしまった。


また、客車内では床から無数の触手を伸ばす事で、内部の人間を拘束し、床に固定させる事が可能。さらに内装を透明化する事で、外の蜃気楼の景色を強制的に見せる事も可能である。

当初は妹ミカルのスタンド「闇の蜃気楼」と協力。『実体のある蜃気楼の街』内部を走りまわる事で、『悪夢のような不条理な情景』を長時間見せつけ精神を錯乱させ、発狂へ誘う精神攻撃を仕掛けていた。


列車の外の敵に対しては、列車を彷彿とさせるパワーとスピードを用いた、物理的な突進攻撃を行う。走る際に起こす衝撃波により、容易に車体に接近できず、承太郎は苦戦した。

しかし、列車を再現したスタンドゆえに、各部の構造もまた列車のそれを踏襲しており、その点が弱点ともなっている。


上述の通り、データを得る事でその『スタンド像』もアップデートしていく。以下、詳細。

第一形態

最初に、砂嵐に難儀するジョースター一行の前に現れた形態。

ディーゼル機関車の形状だが、後述する様々な年代の機器がごっちゃになっているため、承太郎たちは最初、「ちぐはぐ」な列車という印象を覚えていた。

車体の前半分は1960年代製の機関車(EMD社のDP35に似ている)、後ろ半分は客車という形状で、ドアには80年代のテクノロジーであるLED製の電光メッセージボードが内蔵されている。

内部は粗末な木製のベンチシートと、板張りの床に壁、はめごろしの窓など、第二次大戦前、1930年代の列車のそれに似ている。

蒸し暑く、臭いもこもっており、振動も酷かった。しかしそれらにジョセフとポルナレフが文句を言うと、エアコンがいきなり現れ作動し、車体の揺れも(空気バネやコイルスプリングが作動し)おさまった。

第二形態

弱ったジョースター一行の脳内を読んだアブサロムが、その記憶から得たデータによりディティールアップした姿。

ベンチシートが独立式のソファシートに、壁や天井は硬質プラスチックにそれぞれ変化。

天井灯も蛍光灯になり、車窓面積も大型化した。

外観も、一体化していた機関車と客車が分離し独立。二両編成の列車に変化。

台車はダイナミックブレーキと空気バネ採用の最新式に、ヘッドライトはハロゲンランプ使用のダブルビームに。

更に、運転席下のフロントスカートからは「一対のノコギリ状の角」、ボディの各部からは「鋭利なトゲ」が伸びている。これはイギー=犬からもデータを採取し反映させたため(犬にとっての「列車のイメージ」は、このような怪物に見えるものらしい)。このせいで「ハリネズミとクワガタムシ」を合わせたような外観の列車になっている。

第三形態

承太郎との再戦のために行った、最後のメタモルフォーゼ。

SNCF(フランス国鉄)の超高速列車TGV-Aに酷似した、銀色の流線形の車体になった。しかしアブサロム自身が気に入ったためか、クワガタ状の一対の角とボディ各所からのトゲはそのまま残されている。

新幹線並みの超高速で疾走するのみならず、素早くUターンする事も可能。疾走時に発生する衝撃波とトゲとで、承太郎を苦戦させた。

「実体のある蜃気楼の街」内部では、角を振動させてビルの壁を容易に破壊し、神出鬼没に出現する事が可能に。

しかし、列車の構造を利用した策で動きを止められ、それが元で敗れる。

最終形態

重傷を負いつつも、最後の悪あがきとしてアブサロムが『大気中の塵や埃と合体』させた、ミクロサイズの『凶悪連結器』。アブサロムが弱っているため、そのビジョンは『古ぼけた、みすぼらしい蒸気機関車』となっている。

血管内に入り込み、心臓に辿り着いてから自爆する事で、一人ずつ殺害する事を狙っていた。自身の精神波が途絶えたら、スタンドの列車のボイラーが爆破するように命じているため、うかつに本体への攻撃も出来ない

当初はアブドゥルの体内に入り込んでいたが、同じくミクロ化したハイエロファントグリーンとスタープラチナにより、スタンドそのものを攻撃され、再起不能に陥る。


関連項目

ミカル:実妹。スタンド「闇の蜃気楼(ダーク・ミラージュ)」を用い、兄の戦いをサポートした。

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