「ネロ!わしを許すと言ってくれ!(号泣)」
概要
ヒロイン・アロアの父親で、ネロたちが住む村の土地の大半を所有する大地主にして事業家である大富豪。アニメではファーストネームは呼ばれなかったがフルネームはバース・コゼツ。
娘を溺愛している。それゆえに(ハンスの悪知恵にも乗せられて)ネロにきつく当たる大人げない行動をしてきたが、最終的にネロの人柄を身をもって思い知らされて彼に謝罪と償いをしようとするも手遅れとなる。
ネロを卑下する発言に反論したノエル爺さんには頭が上がらない。
このことから、視聴者からは嫌われているキャラクターでもあるが、「コゼツを唆したハンスが一番悪い」、「コゼツは改心した」などの意見もあり、賛否両論きっぱりと分かれるキャラクターでもある。
だが、オリジナルの原作小説ではハンスのような商業使用人が登場しない上に事業家ではなく粉屋であり、風車小屋の火事も「アロアを引き離した報復」だと自分の一方的な思い込みで犯人をネロだと決めつけたため、どちらにしても褒められた人間ではないが、原作の方が遥かに悪人である。
来歴
貧困だった家庭に生まれながらも、苦学して財産を築き上げて現在の大富豪の事業家になった。それを前後して商業使用人にハンスを雇い、妻・エリーナと結婚し、娘・アロアを設ける。
娘のアロアを溺愛する一方で、お転婆な性格を厳しく躾けるなどけじめのある教育は施していた。後に娘を行儀見習いとして留学させる(が、心を病んで戻ってきてしまう)。
金持ちゆえに善悪の判断が鈍っており、かつて自分が貧乏であったことを棚に上げ、アロアがネロと仲良くしているのを見つけると、溺愛しているが故の「幼稚心」や、自分という金持ちの娘と貧乏の息子が一緒になって問題になるのを恐れ、まだ子供のネロに対して「働かない怠け者」「絵描きなんて馬鹿げた夢を見ている」などと大人げなく過度にきつく当たり、ネロの人柄と、彼が働き者であることを知らない、むしろ知ろうとしないなど、人間としての器の小ささが目立っていた。
さらに、ハンスが息子のアンドレとアロアを将来一緒にしたいがために、ハンスの言うことを娘のアロアを出汁にして弱みに付け込んで手綱を握られて鵜呑みにしてしまう賢明愚昧な人間に成り下がってしまう。
後に風車小屋の火事の犯人を、ハンスの「ネロの仕業」という言葉に乗せられてネロに対する怒りを爆発させ、ネロを村八分に追いやり清々していた。
しかし、自分のミスで事業資金として銀行から借り受けた2000フランを紛失してしまい、コゼツ家は貧乏の危機に陥っていたが、自身の留守中にアロアから2000フランを差し出しされた。それを届けたのは、自身が辛く当たった挙句、風車小屋の犯人と決めつけて村八分に追いやったネロであったことをアロアから聞かされると、ネロの人柄および自身が今までネロにしてきた仕打ちとその罪の重さを思い知らされる。
それを前後して、風車小屋職人の老人・ノエルがコゼツ家を訪れる。ノエルはコゼツおよびハンスに対して風車小屋の火事の原因を聞かせる。それは、風車の軸に注油や掃除を怠ったためにそのまま使い続け、軸に溜まった埃が摩擦の熱で引火し、それが粉に燃え移ったというのが真実であった。
これを聞かされ、結果的に自分たちの罪をネロに擦り付けてしまったことに失意を抱き、ハンスの「ネロがやった」発言に対して彼に殴りかかろうとするもアロアに止められる。今までのネロへの仕打ちの贖罪として彼を養子として迎え入れ、なんでも学ばせるつもりだと決意。
そしてネロが居なくなったダース家を訪れるも、ネロのハンスに宛てた書置きに「コンテストで落選して賞金を得られなかった」「代わりに家財道具を家賃代わりに持って行ってください」という内容を読み、それを前後してコンテストの審査員でネロの理解者でもあったヘンドリック・レイが現れる。彼から「ネロはルーベンスを継げるほどの画家になる逸材」と言われ、みんなでネロを探し出し始める。
そして猛吹雪の中、ネロに対する謝罪の言葉を叫ぶも、ネロはすでに天に召されて母や祖父・ジェハンのもとに旅立っていった。
こうしてコゼツは、生涯償い切れない罪と深い深い後悔の念を背負っていく運命となった。
関連タグ
ゼーゼマン:前年の世界名作劇場であるアルプスの少女ハイジに登場した、主人公のお金持ちの親友の父親。躾が厳しいながらも娘に愛情を注いでるという点では同じだが、一方で山育ちのハイジにも偏見なく接することができ彼女がホームシックを患った原因を突き止め故郷に返してあげたり、その際に娘が山に一緒に療養することを承諾するなど温厚で思慮の行き届いた人格者であった。