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概要

ラムジー・キャンベルの小説「ベールを破るもの」に登場する神性。

「ベールをはぎ取るもの」と呼ばれる外なる神

奇妙な、幾何学な存在であるダオロスは特に邪悪であるようには見えない。われわれの宇宙を超えたところに棲んでいるが、ダオロスは現実世界でも幻夢境でも召喚ができる。

その形はあまりにも複雑に入り組んでいるので、目で確認するのは不可能。いくつもの半球体と輝く金属とが長い可塑性の棒で連結されている。棒は何が近くにあって何が遠くにあるのか分からない。

何もないはずの棒の隙間から輝く目がこちらを覗いているような気配を感じるとされる。気配を感じたところをよく見つめてもあるのはただの空間だけ。


異常に複雑な形

その姿は脳が認識できないほどの情報量を持つため、目で見てしまうと自然と目がダオロスの輪郭を辿って狂気に陥ってしまう。このため召喚する際には、ダオロスの姿を自分の目でよく認識できない程度に部屋を暗くしなければならない。

またダオロスを閉じこめるに足る、何らかの魔術的な対策ができなければ無限に膨張を続け、永遠に膨張し続けるとされている。その複雑なダオロスの形がそのように錯覚させるのだともされている。TRPGでは膨張にを繰り返して移動すると書かれている。

巨大化し続けるダオロスに呑み込まれた存在は遠い異次元へと運ばれ、悲惨な結末を迎えると伝わっている。


振る舞い

触手を伸ばし呼び出した者の血液を採取して、そこから自身への願いを確認する。

作中では高すぎる対価を求めたり、それ以上の害を人間にもたらす様子もなく、喚び出された目的を果たしてそのまま立ち去っている。作中の振る舞いからこの神自体に悪意のようなものは感じない。

ただし、その叶えられた願いによって人間は破滅したが。


「ベールを剥ぎ取るもの」

世界の真理、叡智を授ける神だとされている。

『ベールを剥ぎ取るもの』のベールとは、世界の真理を覆い隠しているものを例えたものである。

光の反射、それを捉える目、目から情報を受け取って処理する脳と人間が物事を認識するのにはいくつもの段階を踏んでおり、ありのままの姿をそのまま見ているとは到底言えない。

ダオロスはこの人間の事情を取り払い、真に物事を正しく認識させられるらしい。

この恩恵は世界の〝ベール〟を剥がし、慈悲深く隠された真実を露わにしてしまうに他ならない。正気を守る為に被せられていたベールを剥いでしまった人間は、あまりに狂気的な世界の真実の姿を認識してしまう。


能力

求める者に破格の対価で真理を授ける。

その肉体の内側は異次元に繋がっているとされ、あらゆる物質はダオロスに触れると異次元に飛ばされるため、ダオロスを物理的に害しはできないとされている。

ダオロスの存在は3次元以上の空間に存在し、過去、未来、物質を透過し異なる次元に移動できると伝わっている。


信仰

ダオロスはユゴス星などの異世界で崇拝されている。地球上でダオロスの崇拝をしている者は珍しいが その筆頭勢力である「ダオロス教団」があるなど存在していないわけではない。


化身

・聖なる光(神聖な光、暗黒を剥ぎ取るもの)

「聖なる光教団」によって崇拝されている。

光が触れた者は、虹色の光線野中に異界の存在がいるのを感じる。この接触ははじめは幸福感、めまい、そして力が漲るのを感じるが、数秒以内に接触者の心は非常に多くの知識で満たされ、恐怖心が芽生えるようになる。これが『真実の贈り物』である。

『真実の贈り物』とは地球を覆う幻想のベールを剥ぎ取る行為である。この光に照らされた者は、星と銀河の間にある不気味な深層を理解し、そこに潜む恐怖を知る。そして究極の次元を見る。手触りを知り、味わう。全てを知覚できる。

ダオロスの偶像に触れられても贈り物が消えるよう望んだ者は、怖ろしい幻視を見なくて済むかも知れない。

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