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概要

原子番号83番の元素で、天然に存在する同位体はビスマス209の1種類である。純粋なものは淡く赤みがかった銀白色の金属で柔らかく脆い金属である。と同じく液体より固体の密度が小さいと言う極めて稀な性質を示すため、液体ビスマスの上に固体ビスマスは浮く。


天然において自然ビスマスとして単体で存在する事もあるが、多く産出する鉱物は硫化鉱物である輝蒼鉛鉱やその風化物である蒼鉛土である。ただし工業的には主にモリブデンタングステン精錬の副産物として生産される。


なお、2003年になってビスマス209のα崩壊が発見されたため、最も重い安定同位体の座を鉛208に譲ると同時に、全ての同位体が放射性同位体である元素としてテクネチウムプロメチウムに次いで3番目に軽いものとなった。これにより安定同位体が存在する最も重い元素は鉛となった。しかし、ビスマス209の半減期は1900京年(10000000000000000000年)と極めて長く、通常の文脈においては放射性同位体である事は強調されず実質的に安定同位体として見なされており、実際上全く問題ないレベルである。


用途

ビスマスの性質は重金属、特に鉛やカドミウムと似ている部分がある。比重が9.78と重く、融点は271.5℃と低い。しかし鉛やカドミウムと比較して環境中に放出されても極めて毒性が低いため、鉛やカドミウムの代替え材料としての用途が増えている。具体的には鉛フリーはんだのような低融点合金、散弾銃の弾や釣り用の錘、黄銅への添加剤、ガラスの材料などに用いられている。


収斂作用を持つ化合物が整腸剤として用いられている。これも毒性が低い事に起因しており、同属元素のヒ素アンチモンとは対照的である。また、強い熱電効果を持つ事からテルルとの合金は熱電変換素子に利用されている他、高温超伝導体においてビスマスを含むものがある。


ちなみに

ビスマスの標本として、下記のような虹色を呈する物が売られている事があるが、これは人工的に作ったビスマスの骸晶(成長速度が速くて凹面が生じている結晶)に表面に薄い酸化膜を生成し、それによって光が回折する事によって生ずる構造色であり、ビスマス本来の色ではない。稀に鉱石として紹介される事もあるが、鉱石は天然物に対して用いられる用語であり、また天然に存在するビスマスの単体は通常このような構造色を示さない。


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