何故女装するに至ってしまったのか。
ジャミルが金持ちの館に忍び込んで盗み、そこで得た戦利品の幾つかを幼馴染のファラとその母親の家に分け与えられ、どうにか暮らしを続けていたが、ある日そのファラが借金のカタに売られてしまう事件が発生。怒った彼が奴隷商人を締め上げると「ファラはエスタミルの最高権力者(SFCではアフマド、ミンサガではウハンジ)のハーレムに渡した」と告げる。そこでその商人が「いっそのこと女装するか?」と提案に、ジャミルは愛するファラを救うためにしぶしぶ女装を決意し、メイクをして裾の長いドレスを身にまとう。
……で、そのクオリティーは?
端的には見事に決まり過ぎてて、本物の女性が羨望するレベル。
もともと男性主人公の中で華奢でありつつ、生業からして荒事ではなく身のこなしで生きてきた分過度な筋肉がついておらず、顔も中性的で化粧もその商人がフォローしてくれたためか、淑やかに振舞いながら沈黙を守っていれば、知り合いのファラですら初見では女装したジャミルと気づかないかなりのハイクオリティー。
しかも、ハーレムを見張っている門番に会話すると、他の女主人公だと「しんがおか とおっていいぞ」とどこか事務的なセリフが返ってくるのに対し、女装したジャミルが会話するとその門番はわざわざ「へへへっ べっぴんさんがきたなー」と彼の女装姿を美しいと評価するほど。
そして、ハーレムに潜入してファラを見つけて彼女に声をかけた時、ファラは「ジャミル!?」と一瞬驚いた後、「な・・・なに、その恰好。」と思わず吹き出してしまった。但し女装までして自分を助けに来てくれたジャミルの思いを察し、ファラは素直に「助けてくれてありがとう。」と感謝している。
インペリアルサガ
ジャミル決意の装い! 惑乱の水竜!
「ファラが水竜の神殿に連れていかれた」との情報をダウドから得たジャミルは、相方から「水竜はかわいい子が好みなんだよ!」との助言(?)を受けてしぶしぶ女装をする羽目に。
そして、神殿に潜入すると2人は先に神殿に来ていたバーバラと鉢合わせ。そして彼女の方はダウドには気づいたものの、すぐそばにいるのが知り合いの女装したジャミルとは夢にも思わず彼らに同行する。
すると神殿の奥ではライザが「手違いで自分の組織に所属しているエミリアが生贄として神殿にいるんだけど返してくれないか」と水竜ともめていた。そしてファラが心配だったジャミルは思わず飛び出してしまい、生贄奪還のために志願するふりをする作戦に出たが、シフやウンディーネとともに門前払いを食らってカチンと来ていたバーバラも交えて、新しい生贄候補を出汁に交渉する……のだが。
そして水竜が選んだのは……女装したジャミルであった
唖然とする一同の前で水竜は「お前がこの中で一番若くて美しい。あの娘と交換するならこのくらいの器量でなくてはな」と選んだ。人間が男とはつゆにも思わず性癖をカミングアウト。
そして、女装したジャミルをひれで触り愛でる水竜に、遂に我慢の限界が来てしまったジャミルは素に戻って
「やめろっつてんだろうが!この色ボケ長虫が!誰をなで回してんだ、ドアホウ!」
と絶叫。連れの正体にようやく気付いたバーバラは「(内心でショックを受けながらも)ジャミルに女装癖がある」との勘違いからドン引きし出したので、慌てたジャミルは事情があってこうする羽目になったと必死に説明をし、ライザはライザで『お、男に負けた・・・言えない・・・言えないわ!・・・こんなこと・・・ルーファスには!」と凹んでいた。
そして肝心の水竜は『美少女が好みと公言してたのに、あろうことか男を選んでしまった』現実がショックでついに暴走。その脇には攫われてなどおらず(つまりダウドの早とちり)ジャミルとダウドの行方を心配してたファラがいた。
騒動が収まった後、ダウドの勘違いを知ったジャミルは今回は完全に骨折り損のくたびれ儲け……どころではなく、知り合いに女装趣味疑惑を持たれたのがショック(さすがにファラは事情を察してくれたようだが)で、諸々の衝動から相方を締めた。
ちなみに本当に生贄にされていたエミリアの方は、神殿の生活を満喫しており「ソードダンサーとして踊りを誉められ、お礼としておいしいシーフードを食べ放題の生活の方が組織で身を削るよりも断然いい」と駄々をごねていたが、ライザがそんな言い分を許すわけもなく強引に連れ戻される。
そして、女装癖と勘違いされたジャミルと、そのジャミルに女として負けたバーバラはものすごく凹んで茫然自失となっていた。
インペリアルサガエクリプス
水底からの呼び声!誘拐事件を捜査せよ!
各々が記憶を引きついだまま舞台を新天地へ移したエクリプスでも、災難は再びジャミルのもとへ降り注いだ。
海辺で女性が次々と謎の失踪を遂げる事件が発生。IRPOの捜査に成り行きで参加するジャミルだが、おとり捜査役として再び女装させられる羽目に。
その犯人は水竜であり、旧作で裏四天王『濁竜』になってしまった記憶の引き継ぎが仇となり、半ば天然の暴走状態に至っていた。
そして攫った女性を品定めしては「チガウ、チガウ」と漏らしながら、引っ込んでいくと奇行を繰り返していたのだが……ジャミルを見た瞬間に濁竜の反応が明らかに変わる。
「コレダ! コレダ!」
「ウツクシキムスメ! イトシキムスメ!」
ターゲット、見つかりました。
なんとか正気に戻すも、女装に気づかない水竜の錯乱はそのままだった。
「お前は、夢で見た娘! では正夢——」
「俺だあバカ竜! 毎度毎度テメーは!」
こうして事件は片付いたが「女性を集めようとする癖を直せ」とのジャミルの説得が、水竜へ妙にストレートに効いた様子から、ファラは辿り着いてはいけなかった結論にとうとう気づいてしまう。
「水竜って若い娘じゃなくて女装したジャミルが好きなんじゃない?」
それを脇で聞いていたダウドはついに、計画的にジャミルを女装させようと企むようになる。
ちなみにこのイベントで女装ジャミルが実装されたのだが、タグに「男性」はもちろん「女性」まである。その上で彼のスキルは男女別に別々のバフを与えるとする謎の気配りがされる始末。当然だが男女両方のタグを持っている本来ありえないキャラは、彼しか居ないので恩恵を全部受けられるのは彼だけ。どうしてこうなった。
かえるの殿様ご乱行!温泉郷の異変を探れ!
敵陣営との戦いが一段落した頃に、湯治をするため温泉地へ訪れていたジャミルとダウド。
その機会をダウドが逃すはずが無く、浴衣を男物と女物1対用意してジャミルを女装させようと狙っていたのだが、その浴衣をジャミルに奪われる。
「なし崩しに女装させようと男女一着ずつにしたおまえがそもそも悪い!」
そこに現れたレオナルドとエリザベートのカップルを見たジャミルは、手際よくこの浴衣をエリザベートへ素早く譲る。
「恨めしそうにしたってもう遅い! モノが無きゃ、企みもこれまでだ!」
このイベントで浴衣エリザベートが実装されるのだが、プロフィールにはその経緯がしっかりと書かれているのだった。
ロマンシングサガリ・ユニバース
スマートフォン用ゲームアプリ『ロマンシングサガリ・ユニバース』では、ロマサガ1発売日記念ガチャの大当たりキャラとして登場(肩書き「美しさは罪…だな」。他はシェラハ、ファラの以下3名)。
外見はロマサガ1ベースであり、原作ではクローディアのドット絵そのままだったものをアレンジ。青と水色のツートンカラーに彩られたドレスを身に纏い、その下にタイツ(ストッキング?)を履いている。
性能面についてはまず、スクラムガードが優秀で、高難易度での耐久強化に非常に役に立つ(パーティ全体が生存しているのが必須条件)。
他にスクラムガードを持っているキャラは、ゲオルグとナカジマ零式の以下2名。
尚、フレーバーテキストの紹介文も狙っており、誰かが言ってたな。自分がこんなに罪深い人間だとは思わなかったぜ。これに比べたら、お宝を盗むなんて、大した罪じゃねえな。俺の魅力に憑りつかれた人間が、堕ちていく様が目に浮かぶぜ。と、彼に誘惑された者達を悩殺する気満々な様子。