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概要編集

あさりよしとお作のSFマンガ。代表作のひとつとして挙げられることが多い。休刊等の事情で掲載誌をいくつか変わっているため(「プチアップルパイ」「少年キャプテン」「月刊アフタヌーン」)、それらの世界観には差異がある。


掲載期間がもっとも長かったのが「少年キャプテン」版で、通常はこの版がスタンダードとみなされることが多い。しかし、当誌は徳間書店もといベネッセの事業方針転換などもあり廃刊の憂き目に。


幸い人気作だった同作はワッハマンで実績を出していた月刊アフタヌーンにて再出発を果たすことになるのだが、作者が続きを描かずに一から仕切り直して『ロストワールド』というタイトルでライト向けに進めてしまったためそれまでのヘビー層が離れ、短期で打ち切られてしまうことになる。


なお作品の題名はUSのテレビドラマ「宇宙家族ロビンソン」と原子力空母「カール・ヴィンソン」が由来。


基本的にはドタバタ・ナンセンスギャグだが、作者の趣味からか非常にSF色が強く、SF作品のパロディとなっている回も多い。また、まんがサイエンスのセルフパロディ回もあり、アノード、カソード、グリッドの三姉妹は後に本家にもカメオ出演した。


あらすじ(少年キャプテン版)編集

 辺境の惑星アニカの近くで宇宙船同士の衝突事故が起き、一方の船は大破してアニカに墜落する。もう一方の宇宙船に乗っていた異星人たち(旅芸人の一座)は墜落した船を調べたところ、三人の乗員のうち二人は死亡、ただひとり生き残っていたのは女の子の赤ん坊だった。

 ところが女の子の母星である地球が「未知の惑星」であったため、事故調査にきた宇宙警察は、事故そのものに関して処罰はないとしたものの、赤ん坊の措置に関しても管轄外であるとして去ってしまう。

 母星に関する手がかりが何もない状態では事故現場を動けないと考えた一座の座長(おかあさん)は赤ん坊の親代わりとなって一座の異星人たちとともにアニカに留まって家族を演じることを決意する。赤ん坊はコロナと名付けられ、この宇宙的な擬似家族の生活が始まった。


主な登場人物(以下設定は少年キャプテン版)編集



父娘

コロナ編集

両親を失った地球人の女の子。「おとうさん」と「おかあさん」、そしてペットの「ターくん」ともに惑星アニカで暮らしている。



お母さん

おかあさん編集

巨大な団子のような造形をもつ、ネコともネズミとも見えるケモノ顔の宇宙人。旅の一座の座長。コロナの母星と連絡がとれるまで親代わりとなることを決めた。



カールビンソンのおとうさん

おとうさん編集

戦闘ロボットのような外見をもつ宇宙人。ふだんの思考や行動が分かりにくいが、コロナに対する愛情は人一倍強い。おかあさんからは「宿六」呼ばわりされているが、数々のオプションパーツを持ち、いざという時には無類の戦闘力を発揮する。

作中の姿になる前の名前は「トリー准将」。普段の「宿六」ぶりからは想像もつかない、壮絶なバックストーリーを抱えている。



りす

リスのターくん編集

ヒトの神経系だけを抜き出したような外見をもつ宇宙人。実家は富豪らしい。現在はコロナのペット。もっぱらいじられ役。モデルは映画『顔のない悪魔』に登場するクリーチャー



белка

ベルカ編集

旅の一座のメンバー。元傭兵。コロナたちの住む村では警察(保安官)としての役目を果たしている。



ライカ

ライカ編集

ドラゴンの能力をもつ少女。人型だが頭に小さなツノがあり、翼を出して飛行することもできる。ベルカの傭兵時代の同僚。ベルカに復讐するためにアニカにやって来た(主に逆恨み)が、いつのまにか村の一員となる。ショベルマウスの家に同居。

なお、ライカとベルカは、かつてソ連宇宙船に乗せられた犬の名前に由来する……、との説がささやかれていたが、後に作者自身に否定された。(ベルカはロシア語で「リス」の意味。ライカは、ベルカに語呂を合わせただけとの話)


明日も食事にありつけますように

パーカー編集

旅の一座のメンバー。何もしゃべらない謎の生物。輪郭がなんとなくバーサーカーに似ているが、基本的には無害(というか、なにもしない)。後述の現住生物・ジュンくんと仲がいい(?)。



アンディ編集

旅の一座のメンバー。目玉に手足がついたロボットのような外見。大破した宇宙船からデータを取り込んでおり、地球の暮らしの再現に一役買っている。雑貨店などを経営。



駄菓子屋のばーさん編集

目玉に小さな触手が二つついた丸い身体に生理機能補助らしき機械を背負っている。声は出ないが筆談によって意思疎通可能。



ケン編集

自らを風来坊と称して登場したキャラ。旅の一座とは無関係だが、アニカの原住生物でもないらしい。飛行能力がある。親切な性格でコロナたちの暮らしを裏からサポートしてくれている。



鯉の太郎編集

近所の沼に棲んでいる。滝を昇って龍になったと思い込んだために龍にできること(飛行、火吹き、陸上で息ができる)ができるようになった。思い込みによる肉体変容能力が身についたため何にでも化けられる。



医者編集

マッドサイエンティスト風のヒゲのじいさん。医師としての能力には疑問ありだが、科学技術の知識は豊富な模様。



ミドリ先生編集

幼稚園開園にともなって招聘?された女性。駄菓子屋のバアさんの遠縁にあたると自称しているが、姿は人間型。特技は曲芸。舌がカメレオンのように伸びる。



ジョン編集

映画屋。宇宙船に乗っていた一座のメンバーではなく、呼び寄せられた知人らしい。映画館を経営。犬のような外見だが、本体はカニのような形をしていて、身体がバラバラに分かれるという特徴をもつ。名前の由来は映画監督のジョン・カーペンター



ショベルマウス編集

常にショベルを携帯している、ネズミ(mouse)のような外見をもつ宇宙人。ケンと同様、とくに脈絡もなく登場。ショベルで穴を掘って回る。

元ネタは古典SF小説「惑星間ハンター」に登場する、ショベルのような口(mouth)をしている宇宙生物である。



虹男

虹男編集

自称「悪事を働くために生まれてきた世紀の大悪人」。体型は人間と同様で、黒服・黒マントに仮面をかぶり手袋をつけている。犯罪をしでかそうと思っても村の住人たちが予想外の行動をとるためセコいことしかできない。



鉄道工事人編集

鉄道を敷設するためにやって来た宇宙人。さまざまな邪魔が入ってなかなか工事がはかどらない。


まるちぷるたいたんぱー

マルチプルタイタンパー編集

上記の鉄道工事人達とともにやってきた保線機械(ロボット)。作中では「砂利を固める機械」とのみ説明されている(実物はもう少し複雑な作業を行う)。「たいたんぱあ」「まるちぷるたいたんぱあ」としかしゃべらないが、子供達の良き遊び相手。(リンク先も参照)


最強男編集

「宇宙最強の男」を名乗る機械の身体をもつ宇宙人。自らの力を頼む傍若無人な振る舞いに周囲は辟易するが、「おとうさん」には勝てない。機械なのになぜか奥さんと子ども二人がいる。


トラ編集

ムーミンのような外見をした流れ者の商売人(?)。モデルは映画『男はつらいよ』のあの人だが、ずっと悪質で、悪徳商法まがいの行為を繰り返す。が、基本的に小悪党で、全く実害がない。


サブ(仮名)編集

トラの弟分。名前が一定せず、「カメ吉」「ヤス」などとも呼ばれるが、本名はトラも知らなかったり(いいかげんな)。トラに比べると比較的常識人で、トラの商売の先も見通しているが、人が良いのか嫌々ながらもつきあっている。


ジュンくん

原住生物たち編集

オウム貝に似た生物から進化した陸上生物。主に特撮映画などの関係者たちと似た性格をもっている。額の部分にそれぞれのキャラを示す漢字一文字が描かれている。

 例:ジュンくん→「大」(大木淳)、ジッソーくん→「実」(実相寺昭雄)、ショウちゃん→「昭」(中野昭慶)


あたたかい

サンドウォーム編集

イガグリ型の原住生物。熱いアイロンをもっていて、相手に押し付けては温めた箇所に触って「あたたかい」とつぶやく。基本は個体であるが、時に多数が寄り集まって群体となる。


げしょ

げしょ編集

原住生物。くらい所に生息し「げしょげしょ」と鳴く。こちらも群体を作る。


台風が来てるらしい

台風編集

本作では気象現象ではなく、生物である。単眼と小さな多数の足(?)を持つ、巨大なまんじゅうのような姿をした、最大級の原住生物。「イセワン」「ジェーン」「ムロト」などの個体がいる。


関連タグ編集

あさりよしとお SF ギャグ

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