概要
古くから国家は税金の基としてアルコール飲料に課税しており、その課徴を免れるべくして密造酒は造られてきた。
あのウイスキーが樽熟成されるようになった切っ掛けも役人の徴税から逃れるために隠していたことからであった。
近代においても、1920年代のアメリカ合衆国(連邦全土での禁酒法が布かれていた時期)や戦後の日本で密造→密売され、非合法団体の資金源になっていた。前者の時代に巨額の富と巨大利権を築き上げたアル・カポネは特に有名である。
その後はハイリスクではあるがハイリターンな麻薬取引に取って代わられたが、一部イスラム教国内で「ジャングルジュース」として密造酒が流通している。
日本においては『酒税法』において自家で酒類の製造は禁止されており、代表的なものでは『どぶろく酒』がある。ただし、焼酎やホワイトリカーに果実を漬ける『果実酒』は含まれないとされているが、みりんを使った『みりん梅酒』だと密造酒になってしまう。
この密造酒を語源としたもので未公開音源や映像等の流出品を指す「ブートレグ」というのがある。ただこちらは密造酒の運搬方法が正確には語源である。
またこの密造酒を輸送する車両は、警察の追っ手を振り切る必要があるため、ベースは普通の車で目立たず、それでいてハイパワーを持ち、可能な限り多くの密造酒を積む必要があった。 その運び屋達が腕とマシンを競ったのが、現在のストックカーレースの源流だと言われている。
正規の手段で醸造しないため、時折メタノールが混入し、多数の死者を出すような人身傷害事故を起こすケースも多い。