人物像
「薔薇十字探偵社」の私立探偵。
中禅寺と関口の旧制高等学校の友人かつ一期先輩であり、木場の幼馴染。
関口と対照的に躁病の気がある。
眉目秀麗、頭脳明晰、運動神経もよく喧嘩も強いうえ旧華族の生まれという一見非の打ち所のない人物。
だが、本人はあらゆる社会的地位に無頓着で、探偵は神の就くべき天職であると豪語し、中禅寺兄妹以外の全ての人間を「自らの下僕」と標榜し、時として面白いものを子供のように追求する究する天衣無縫な変人。しかし人の道に外れた者には声を荒げて激怒するなど真っ当な面も持つ。
探偵ではあるものの「捜査は下賤の存在が行うもので、神たる自分には必要ない」として面倒な作業は下僕(益田など)にやらせている。
「榎木津はね、あれはあれで、榎木津と云う面を被って暮らしてるんですよ。何も被ってないようにも見えるし、本人もそう振る舞っているけれど――あれはそう云う面なんですよ」
(中禅寺が評する榎木津礼二郎 「百鬼徒然袋-風-」)
実は極度の弱視(戦争中に照明弾を受け視力を大幅に失った)。
しかし他人の記憶が見えるという能力を持つ。
得られる情報は視覚に限られており、音や匂いや時系列の関係性、思考や思い入れなどは一切把握出来ない。
この能力は子供の頃からあったが、視力を大幅に失って以来更に強くなったという。
人の名前を覚えるのが不得手で、覚えようとする努力すらしない。
そのため、付き合いの深くない相手を適当な(間違った)名前で呼ぶ癖がある。
また、親交の深い相手でも縮めたり愛称で呼ぶことが多い。
ex)
益田 龍一「マスカマ」「カマオロカ」
青木 文蔵「コケシ」
鳥口 守彦「トリ頭」
本島 俊夫「本島五十三次」「本権」
中禅寺 秋彦「京極堂」「馬鹿本屋」
中禅寺 敦子「敦っちゃん(あっちゃん)」
木場 修太郎「箱」「下駄」「四角」「豆腐」
関口 巽「猿(サル)」
が、「百鬼徒然袋-風-」「邪魅の雫」では全員のフルネームを覚えてる節も見受けられることから
単にふざけて適当なあだ名を付けてるとも考えられる。
京極堂や関口は、彼のことを「榎さん(エノさん)」と呼ぶ。
好きなものは猫と赤ん坊。魚を飼いたいとの記述も。
苦手なものは水気のない菓子(クッキーなど)と竃馬(カマドウマ)。
見た目が西洋風なのでよくクッキーなどを出されるそうで、それをよく愚痴る。
平成18年の時点では存命らしい。
テレビアニメ『魍魎の匣』での声優は、森川智之。ドラマCDでは、小野大輔。
『虚実妖怪百物語』でも、榎木津礼二郎を意識したキャラクターが登場した。
関連イラスト
別名・表記ゆれ
榎木津 榎さん 神