概要
BLを取り扱ったオリジナルショートコメディ漫画。
元々はツイッターにアップロードされていた漫画だが2018年11月7日にマンガJamとpixivコミックで連載化される。
pixivにアップロードされているものはタイトルの「VS」が小文字になっている。
作者は「もののべ古書店怪奇譚」「三月は俺様になります」「男子高校生が魔法少女になる話」を手掛ける紺吉。
男性同士の恋愛である「BL(ボーイズラブ)」が舞台となっているショートコメディで4P毎に話の内容が変わるようになっている。
BLという特殊なジャンルにある「不思議なお約束」を面白おかしく描いている。
その世界観と設定がウケたのか、ニュースサイトに取り上げられたこともあった。
→非イケメンの平凡男、“絶対BLになる世界”でフラグに抗うギャグ新連載
2019年4月8日に祥伝社より単行本が発売される。
『WEBマンガ総選挙 2019』にて、第4位にランクインした。
2020年4月にドラマCDになる。
2021年3月にTVドラマがテレ朝チャンネル1で放送していた。全4話。
2022年3月にテレ朝チャンネル1にてTVドラマのシーズン2が放送していた。全3話。
ストーリー
自分が「漫画の世界」の住人だと気づいた大学生の主人公。
それが普通の漫画ではなく、男性同士の恋愛が普通に存在する「ボーイズラブ」漫画の世界だった。
思えばおかしいことが幾つもあった。
―――やたら多いイケメン、その割に顔の造りがあやふやな女子。
談笑中に嫉妬深く迫る男子、ヤりたい女子からいつの間にか抱ける男子の話に―――
自分のようなモブ100%の平凡など狙う男なんていないと高を括っていたら、弟の綾人が友人から告白されたという話を聞いたり、「平凡受け」のジャンルが存在することに気が付く。
その世界の恐ろしさを知った彼は親に孫を抱かせるべく、男同士が自然に恋に落ちてしまうボーイズラブの世界に負けまいと強く誓うのであった。
登場人物
絶対BLになりたくない人
本作の主人公。苗字・名前共に不明。一人称は「俺」。大学生。
至って普通の「平凡顔」で自分が「ボーイズラブ」漫画の住人であることを自覚している。
自分の平凡顔なら狙われる心配は無いと思っていたのだが、平凡でもメインキャラとして据えられる恐怖を知り、世界を知るためにBL本を自ら購入して勉強するなどして絶対にBLフラグを立てまいと奮戦する。作中では何人かのイケメンから好意を持たれている。
体形は本人曰く「普通」弟からは「鳥ガラ」と評されている。身長は高め。
猫が好き。
実写ドラマ版では元ジュノンボーイの犬飼氏が演じる都合からか、平凡な顔という設定ではなくモブキャラという自覚があるイケメンという設定になっている。
綾人
絶対BLになりたくない人の弟。恐らく高校生。
顔は兄に似ているが、わかる人には違うように見えるようである。(なおこの兄弟の親戚の男性は皆似たような顔)
どうやら友人(♂)から告白されたらしく、兄に相談するも「友情と恋愛のはき違え！気のせい！」と畳みかけられてしまった。
その後の恋愛事情は不明だが兄は「弟がBL世界に落ちてしまったので親に孫を抱かせられるのは自分だけ」と思っている。身内に恋愛感情は抱いてない。
怖い話やお化けなどの心霊関係が苦手。
BL世界の男子
BL漫画の登場人物なので必ず男性同士が出会い、惹かれ、恋をするようになっている。
傍から見ると無茶苦茶なシチュエーションが多く、なりたくない人が後追い・心中などの「死ネタ」に驚いたり、男子×幽霊(♂)に遭遇した時に「そういうのもアリなのBL世界…？」と狼狽えたりもするジャンルがそこらに存在している。
恋愛対象に対してやたら細かい感想を持ったり、顔色から病状を細かく判断するなどモブとの扱いに雲泥の差がある。
好きな相手が華奢に見えたり、やたらと中性的な名前が多かったりと不思議な現象が多々発生する。
イケメンが非常に多い。
BL世界の女子
一応、存在しているといえば存在しているのだが誰も彼も顔の造りが霧がかったようにあやふやになっている。なりたくない人は巨乳が好き。
実は全員の顔があやふやになっているわけではなく、「恋愛に発展しそうな男性と親密な関係にある女性」などは顔がはっきり見えるようになる。
しかし、BL男子同士がカップルになると「自分に素直に生きようと思った」とGL女子のカップルが生まれる仕組みになっている。
また、恋愛アドバイザー的な役割を担っては「新刊のためのネタにする」逆別れさせ屋みたいな女性もいる。
美形達に「姉ちゃん」がいる場合は、怖い姉のようで頭が上がらない事が多い。
東條伊織
綾人に「告白」したと思われる男子生徒。「色々」お世話になっているらしい。
背景がキラキラとうるさい美形でお世話になっているという自己申告や、兄弟の顔の違いが分かるアピールでなりたくない人は「確信」した。
学校では生徒会長を務め、成績も良く女子からの人気も抜群の完璧超人。
単行本の巻末では書き下ろしで彼と綾人のエモめの短編が収録されている。
柳小太郎
演：田村心
綾人の同級生(♂)。小柄で子犬系の男子だがたまに毒を吐く事もある。
彼もまた綾人に好意を抱いている素振りを見せるが察しているなりたくない人からは「(東條の)当て馬」と評された可哀想な少年。
「クソ怖い」姉がおり、「殺す」「関節を逆向きに折る」など物騒な言葉で脅されているようである。
三郷天晴
綾人の学校に転校してきた関西弁の男子高校生(♂)。190cmを超える長身で少し目つきの悪い顔つき。幼い頃の綾人と結婚の約束をしたと主張している。なりたくない人曰く、「3巻くらいに出てくる過去の男のポジション」。
お笑い好きのお調子者で、動かしやすいキャラなのか、登場後、高校生組の話では大活躍している。なりたくない人は「下手に絡むと巻末スピンオフ送りになる」と関わりを控えている。
名前の読みは「あっぱれ」ではなく「たかはる」である。
宅飲みグループ
なりたくない人の大学の同級生達で、斗真と涼太、滝本と秋人、洋司とマサヤという3組のカップルで構成されており、部屋に集まりオールで宅飲みをする友人関係にある。すでにカップルが成立しているので、なりたくない人にとっては貞操の危機が無く酒が飲める安全な面子なのだが、たまに「皆寝てるだろ」とおっ始めたり、電話越しに致しているところに遭遇したりするのが悩みの種。
真山
なりたくない人と同じ大学に通う眼鏡の大学生。猫のような顔立ちで眼鏡を掛けている。「綾小路マーヤ」のペンネームでBL漫画を書いている腐男子。大学においてもネタになりそうなシチュエーションの観察に余念がない。「ここがBL漫画の世界だったらなぁ〜」が口癖。
水元
なりたくない人の大学の同級生で、女性からも人気の高い美形。実は人の心が読める特殊能力を持っており、心を閉ざしていたが、なりたくない人が近くに来るとその長ったらしいモノローグを受信してしまい、他の人間の心の声が聞こえなくなるので、声の主がどういう人間か気になっている。
旗野
綾人の高校の同級生で、web漫画総選挙記念として書かれた「主人公にフラグが立つ話」に登場したキャラで、名前もフラグの旗が由来と思われる。小さい頃になりたくない人に助けられてからずっと好きだったという「時限性の爆弾」。学校では東條と女子の人気を二分するくらいのイケメン。
あくまでも番外編のキャラで本編とは関係ないif展開のキャラとの事だが読者人気は高く、主人公が世界に負ける事を望むコメントが多く寄せられた。人気が高じてかとうとう本編にも登場。おまけ漫画での「(年齢差もあるので)3年後にまた言うから！」のセリフを有言実行したのか掲載のちょうど3年後の登場となった。
舞台
大学
なりたくない人を始め、多くの登場人物たちが通う大学。
髪の長い女性モブもいることから共学だと思われる。
メイン舞台となるだけあってロッカーやトイレや中庭などで様々な情事が繰り広げられている。
街
なりたくない人が住む街。
ヤンキーや刺青の入った人などがちょいちょい見かけられるが治安は至って良い方である。
場所が変わっても繰り広げられる恋愛事情は変わらないのでなりたくない人はフラグを立てまいと気をつけている。
特に路上ではひと月で3回はイケメンが倒れている。
