概要
かつて敦が在籍していた孤児院の院長である男性。敦に残酷で苛烈な暴力を与え続け、トラウマを植え付けた張本人。
人物
冷徹且つ厳格極まりない人物で、孤児院では絶対の秩序にして支配者として君臨していた。敦を筆頭とした孤児達からも恐怖の象徴として恐れられている。特に敦に対しては度々苛烈な暴力を加え続け、自分の足の甲に釘を打つように強要したり、鎖で繋いで幽閉するなど、敦に多くのトラウマを刻み付けた張本人。しかし、同時に敦に対しては度々忠言とも取れる言葉を残しており、その真意は不明。組合との死闘後にヨコハマで交通事故に合い死亡する。所持品には拳銃と敦の載った新聞の切り取りが確認されたが…
※ネタバレ注意
院長「その時は敦、私を憎め、決して己を憎むな」
冷酷なる暴君の真実
その生い立ちは敦同様に孤児であり、戦後直後の不安定な情勢の中で孤児院で育ち、そこで苛烈な極まる仕打ちを受け続け、資料にて詳細を知った敦が自身が受けた仕打ちが生温く感じるほどの過酷な環境で育った。その後は五人の孤児の仲間達と裏社会に身を置くも、孤児の仲間は次々に死に絶えていき、最終的に自分のみが生き残った。
これらの経験から理不尽への怒りこそが人を成長させると考えるようになり、敦に対しての苛烈な仕打ちは異能力によって異形の存在である敦に地獄を教え、自分という悪を教えることで敦に如何なる時でも生存を諦めず正しく生きて欲しいという想い故であり、極めて歪ながらも愛情故の所業だった。上述の拳銃を所持していたのも拳銃をポートマフィアの武器商人に売り、その金で敦へのプレゼント用の花束を購入する為だった。また、敦が孤児院で白虎だと知られないように隠蔽工作も行っており、幽閉行為は白虎となった敦を拘束するための処置であり、太宰曰く「並大抵の苦労ではなかった筈」とのこと。
真実を知った敦は院長の真意を悟りながらも、これまで受けた仕打ちから深い憎しみの感情を吐露するも、太宰から無理に許す必要はないと諭され、自身の感情に折り合いを付けられない敦は太宰にどうすればいいか質問し…
太宰「人は父親が死んだら泣くものだよ」
そう告げられた敦は広場のベンチで静かに落涙するのだった…
余談
本編のパラレルストーリーである「BEAST」にも登場し、そこでも基本設定は変わらないが、やはり敦に対しての歪な愛情も同じだった。