輝ける星をもう一度
概要
ADVANCE OF Ζシリーズ第三弾。
作者は藤岡建機。他二作とは異なり最初から漫画作品として描かれている。
同じく藤岡建機によって描かれた読み切り漫画「OVER THE MIND」の世界観も受け継ぐ後継作品でもある。
宇宙世紀0091年を舞台に、火星を拠点とするジオン残党軍「レジオン」と彼らがティターンズ残党より入手したガンダムをめぐる戦いを描いた作品。
登場するモビルスーツ・モビルアーマーは第一作「ティターンズの旗のもとに」に登場した機体の発展・改修系と位置づけられている。
また、ジオンマークに漢字の「火」をあしらったレジオンマークなど、藤岡独自のマーキングデザインも健在である。
あらすじ
U.C.0088年、グリプス戦役は終結した。
ティターンズは崩壊し、兵士たちは様々な境遇――連邦に帰順した者、ジオン残党勢力に合流した者、挟持を胸に処刑された者――を辿ることになる。
地球を守るはずのティターンズが、地球圏の敵となったという現実と、戦乱を招いたという罪悪感が彼らを苛み続ける。
彼らの戦いとはいったいなんだったのか――？
時は流れ第１次ネオ・ジオン戦争終結後のU.C.0091、地球圏を遠く離れた火星において一機のMSが起動しようとしていた。
火星に出現したティターンズの亡霊――TR-6。
その存在を通して、かつての彼らの戦いの意義が問われようとしていた。
登場人物
レジオン
- アリシア・ザビ
火星を拠点とするジオン残党勢力「レジオン」の首魁。
外見こそ年端もいかない少女だが、火星に女性主体の社会を築くべくレジオンの力を利用する。
また、火星の空を自分のものとし、火星で航空機やモビルスーツを用いた飛行行為を禁じている。
「ザビ」と名乗っているが、容姿はプルシリーズのそれに近い。火星併合時には第一次ネオ・ジオン抗争時に プルツーらが着ていたノーマルスーツを着用している事からも何らかの関連性があると思われる。
彼女を護衛するアリス親衛隊は彼女のクローンである。親衛隊からは「大姉様」と呼ばれ慕われる一方で男性を軽蔑する傾向が強く、反逆者をモビルスーツに乗せ追い立てる「ウサギ狩り」を行い、任務に失敗した者の股間を蹴り上げるなど非情な面も見られる。
- シンシア
アリシアを護衛するクローン強化人間部隊「アリス親衛隊」の一人。
親衛隊のリーダーであり、アリシアに次ぐNo2の地位にある。
自尊心が強く、自分が他の姉妹たちよりも優れていると信じて疑わない。
- ダイアナ
アリシアを護衛する「アリス親衛隊」の一人。
他の強化人間達とは違い操縦技術で劣り、姉妹たちから欠陥品の烙印を押され差別されている。同部隊唯一の男性であり、クローン達の間では浮いた存在。
個性を殺し他の親衛隊メンバーと同じになろうとするが、その結果無理が生じて失敗を犯す事も少なくはない。
失敗の責任を負わされアリシアに体罰を受けていた所を森月ら旧ティターンズメンバーに助けられる。
他人には見えない「星」を見る事ができ、その「星」に対して特別な想いを抱く。
旧ティターンズ
- 船長
レジオンに合流した旧ティターンズメンバーの一人であり、彼らのリーダー的存在。
ジオン残党に従う現状に不満を持ち、インレ強奪を企てるべく他のティターンズメンバーを率いて決起した。
口数こそ少ないが時として大胆な行動に出る事も少なくはない。
- 森月
船長の部下。小柄な少年。
インレとリンクすることが出来るティターンズの強化人間。
どこか冷淡な印象を与えるが、仲間付き合いは良い。
- 星浦
船長の部下。長身の男。
森月に対して何かと下ネタを振りまき、ダイアナに手を差し伸べるなど、その性的趣向が伺える。
専門用語
レジオン
アリシア・ザビが率いるジオン残党勢力。火星に拠点を置き、火星に落ち延びた複数のジオン残党を武力によって併合する形で形成されている。
グリプス戦役から落ち延びたティターンズの人員や装備も流入している。
ガンダムTR-6やハイザックなど、ティターンズの装備に独自の改修を施して運用しており、レジオンが火星を併合したのもガンダムTR-6［インレ］の性能に依る所が大きい。
首魁であるアリシア・ザビが「女性中心の社会」の樹立を目指しており、またティターンズの装備を用いながらティターンズ残党側との軋轢もある事から、一枚岩の組織とは言いがたい。
組織のシンボルマークは旧ジオン章に漢字の「火」を加えた物が使用されており、運用される機体のカラーリングも火星をイメージした赤と基本としている。
