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クリシュナの編集履歴

2016-03-02 01:46:19 バージョン

クリシュナ

くりしゅな

クリシュナ(Krishna)とは、インド神話の登場人物。
  1. 維持神ヴィシュヌの第八の化身である。ヒンドゥー教のあらゆる宗派で重視される聖典『バガヴァッド・ギーター』を説いた存在であり、この聖典を含む叙事詩『マハーバーラタ』でも全編にわたって大活躍する。本項で解説。
  2. 聖闘士星矢に登場する海闘士の七将軍、クリュサオルのクリシュナ。→クリシュナ

概要

現在のインドで広く語られるクリシュナの伝説は「バーガヴァタ・プラーナ」に記されている。


マトゥラーを支配していたウグラセーナの息子カンサは、ヴィシュヌ崇拝を禁じて暴虐を振っていた。これに対して大地の女神はブラフマー達神々に助けを求め、ヴィシュヌがカンサを討つために、ヴァスデーヴァとデーヴァキーの八番目の息子として生まれることを定めた。

ヴァスデーヴァ夫妻の八番目の子に殺されるという予言を聞いたカンサは生まれてくる彼らの子供たちを次々と殺したが、第七子バララーマと第八子クリシュナは神の助けによって牧人ナンダの下へ逃げ出すことに成功する。夜中に真っ黒な皮膚をして生まれた第八子はクリシュナと名付けられて、ゴークラで成長する。

幼年のクリシュナは怪力の持ち主で、ある時罰として大きな木臼に縄で縛られるもそれを引いて平然と歩き、臼が引っ掛かった二本の樹木を抜き取ってしまったといわれる。彼を殺そうと襲いかかった悪魔たちも怪力の前に敗れ去っており、例を挙げると羅刹女プタナは胸に毒をつけて乳をやろうとしたが逆に生命を全て吸い出されてしまい、空飛ぶ悪魔サクトアスラは手押車ごとクリシュナを潰そうとしたが彼の蹴り飛ばした卓で圧死し、嵐の悪魔トリナヴァルタはクリシュナをさらったが逆に己が岩に投げつけられて絶命している。

兄バララーマと共に幾多の悪魔を殺したクリシュナは成年になると神的性格を示すようになり、ナンダや牛飼いたちに対して悪魔に抗しえないインドラへの供犠をやめさせてゴーヴァルダナ山を崇拝させ、その霊としてクリシュナ自身の姿を現している。怒ったインドラが放った大雨に対して山を持ちあげて対抗するという業を見せつける。この後、敗北を認めたインドラはクリシュナを祝福している。また、ヤムナー川に住み着いてその川面を猛毒で湧き立たせ、毒風で多くの生物を殺傷したナーガのカーリヤ退治も有名なエピソードである。カーリヤは川に飛び込んできたクリシュナに胴を巻きつけて絞め殺そうとしたがクリシュナの身体がどんどん大きくなって緊縛を破られ、逆に宇宙を体内に蔵するクリシュナに踏みつけられて気絶してしまう。カーリヤの妻が許しを乞うたのでクリシュナはカーリヤを釈放し、その後カーリヤ夫婦はヤムナー川を離れてラマナカ島へ移住していった。

一方、カンサはクリシュナの出生の秘密を知ったことで、弓供養にかこつけて彼をマトゥラーに呼び出し暗殺することを画策する。しかしマトゥラーに着いたクリシュナは弓供養の場でシヴァの弓を引き折り、集まってきた悪魔たちを皆殺しにしてしまった。そして彼らはカンサが差し向けた巨象や悪魔を返り討ちにし、ヴァスデーヴァ夫妻を処刑しようとしたカンサをクリシュナが、カンサの兄弟八人をバララーマが殺した。

カンサとの戦いが終わった後もクリシュナの物語は続く。ある時はヴィダルバ国王ビーシュマカの娘であるルクミニーと結婚するために彼女の兄ルクミンを相手に大立ち回りを繰り広げ、ルクミニーとの間にシヴァによって殺されたカーマの生まれ変わりであるプラデュムナを授かるなど、多くの奇譚を残している。


王としてドヴァーラカーの国を統治するようになったクリシュナは、「マハーバーラタ」に描かれるパーンダヴァ(パンドゥ軍)とカウラヴァ(クル軍)の周辺国を巻き込んだクルクシェートラの戦争に関わることになる。両軍から援助の依頼を受けたクリシュナは、直接の戦いに参加しないクリシュナと配下の軍勢をそれぞれ選ぶように言い、結果、クリシュナがパンドゥ軍、クリシュナの軍勢がクル軍に加勢することになった。アルジュナの御者となったクリシュナは、武器を持たないというハンデを負いつつも各局面でアルジュナを助け、両軍のほとんどが死亡する過酷な大戦争を生き残った。そして、この戦いの直前に親しい人がクル軍の陣に居並ぶ様を見て戦意を失ったアルジュナをクリシュナが鼓舞・教導した一連の対話が「バガヴァット・ギーター」である。


 クルクシェートラの戦争から36年間、クリシュナはヤーダヴァ族を統治し善政を敷いていたが、一族の人々が女装した若者を聖仙の前に連れて行き『この娘は男と女どちらを生むか?』とふざけて質問したところ、『鉄の矛を生み、その矛によってヤーダヴァ族は滅ぶ』と呪いをかけられた。翌日、本当に若者が鉄の矛を産み落としたので人々はそれを粉々に砕いて海に捨てたが、海岸には鉄のように硬いイグサが生じ、破片の一つから鏃が作られた。数々の凶兆がヤーダヴァ族を襲う中、ある時、海岸に出た一族の人々はそこで酒を飲んで正気を失くし、イグサを手に取って互いに殺し合って全滅してしまう。これを見たバララーマは苦行に打ち込んで肉体からを流出させてこの世を去ってしまった。クリシュナも兄の後を追うために瞑想の姿勢を取ったところ、猟師が鹿と見間違えて矢を射かけてしまい、急所である足の裏を貫かれてしまう。死に瀕したクリシュナは、自分の治めたドヴァーラカーの地はまもなく海に呑みこまれることを予言して一帯に残る者を立ち去らせ、息を引き取る。

そして、クリシュナとバララーマの遺体は火葬にされ、兄弟の妻たちはその中に身を投げて命を絶ってしまった。


関連タグ

インド神話 ヴィシュヌ

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