概要
「空の帯」に繋げられたロープを首に巻き付けてぶら下がった姿をしているとされ、両目を閉じ、顔面は腐敗しかけているとされる。
イシュタムは聖職者、生贄、戦死者、出産で死んだ女性、首を吊って死んだ者達の魂をヤシュチェと呼ばれる樹の木陰ある楽園に連れていき、あらゆる苦しみや欠乏から解放し自由にすると言われている。
その反面、道で男性を誘い、誘惑した男を殺す邪悪な面も併せ持っているとされ、旅中の不幸はこの神の仕業とも見られた(善良と邪悪の二面性があるのはメソアメリカ伝承の神では多い例)。
マヤ文明の神話には、月の女神である老女神「イシュチェル」がいるが、イシュチェル女神のもうひとつの姿としてイシュタムが存在するという説も見られている。
フィクションでの扱い
堕天使イシュタム
遊戯王の天使族の闇属性カード。
宇宙のイシュタム
機動戦士ガンダム第08MS小隊の前の時間軸を描いた外伝漫画。作者は監督の飯田馬之介。
イシュタム(LoV)
ロードオブヴァーミリオンの種族不死(LoV)の使い魔。
女神転生シリーズ
初出はデビルサマナーで隠し種族の”死神”として登場。金子一馬の線画には首つり姿の案もあったが、自主規制により長髪で顔が隠れ、手にロープを持った女神の姿になった。真・女神転生Ⅳでは砂漠の東京のイベントボスとして重要な役割を果たす。ペルソナ2では頭が首つりロープの輪になった天使のような姿で登場した。
牙狼-GARO-
「イシュターブ」として登場。第2話に登場した鉄の処女のような姿をしたホラー(牙狼)。デザイン担当の韮沢靖はこの他オリジナル造形作品と、ゲーム倫敦精霊探偵団の精霊、計3種類のイシュタムを考案している。