「あのよ、こっからズラからねぇか?」
「人じゃねぇだろ。嘘が人の皮を被って笑ってんのがテメェだ」
概要
CV:鈴村健一
漫画『閉鎖区underground-dark night-』の主人公である白亜翔のライバルでラスボス。
漫画内では、翔の所属するチームストレイドッグスの元前哨隊長、そして翔の親友だったが、同じく親友だった荒木ロッカク(あらき----)と翔の妹・此処果(ここのか)を殺害しチームを脱走し(※1)、その後、結社「荒塵-Arajin-」を率いるリーダーとして、大災害で無法地帯と化した足立区内のテリトリー争奪の為に、劇中では激戦を繰り広げていた。
そのキャラ設定故に、それらしさはあるが、優しく真摯な一面もあり、物分かりも良く、コミュニケーション能力や洞察力もかなり高い。物語では粗暴な性格だったらしく、ここまで性格が変化したのは平和な現実世界に馴染んだかららしい。
武装は木刀の「神木・黒那岐丸」、そして甲冑武者の霊体(※2)、「板額」(弥勒寺曰く『呪い』の一種)を召喚する能力。
軍服の姫君サイドと言う訳ではなく、セレジア・ユピティリアと煌樹まみかの戦闘に割り込みをするような形で本編に初登場した。
軍服の姫君に世界改変の話を説かれても今まで過ごした自分の世界がお気に入りという理由から興味を持っておらず、現界した際に軍服サイドのブリッツ・トーカーと一戦交えた為、因縁がある。
また、自分たち被造物が現界できたのは現実世界の多くの人間(視聴者、読者)の心に印象に残りやすい(人気、興味度が高い)存在だから現実世界へ召喚されたのではないかと考えている他、軍服の姫君が提唱した「改変」は、世界だけでなく自分たち被造物自体の設定も改変できるのではと考察している等、頭もかなり回る。
その後は「現実世界をもう少し楽しみたい」と言い残し、セレジアたちの前から立ち去ったが、後に『軍服の姫君サイド』と『大崩潰阻止サイド』、そして築城院真鍳との乱戦に割り込み、ブリッツ、アリステリア、まみかの3人を板額を駆使して、同時に相手取るなどラスボスの肩書に恥じぬ、戦闘力と活躍を見せた。
戦闘後は、特別事態対策会議の保護下に(本人はあくまで『ブリッツとの決着を着ける』為、自発的に)入り、セレジアたちと共同戦線を張る事になった。
メテオラに「めっちん」なるあだ名(当人には不評)をつける等対策会議には早々に馴染んでおり、特に鹿屋瑠偉とは気が合うようで、共に菓子類を食べながら、TVチャンネル争奪戦を行うなど、微笑ましい一面も見られた。
その後、真鍳にたぶらかされていた颯太を救い真鍳と交戦するが彼女の「言葉無限欺」によって黒那岐丸の攻撃が真鍳に対してのみ無効果されるだけでなく、板額まで奪われてしまう。
しかし、板額を失った代わりにボーダーワールド・コロッセオに向けて八頭司たちが改変を行ったことで黒那岐丸に氷の能力が付加された。
そして、ボーダーワールド・コロッセオでは新たに現界した被造物で、自身のライバルである白亜翔と激突、ひかゆとブリッツの参戦、能力を解除した真鍳によって板額が戻ったことで翔に勝利し…。
因みに、彼が所有する通貨は現実世界と共通であるため、セレジアや鹿屋といった現実世界とは明らかにかけ離れた文明での出身者と違い、特別事態対策会議の保護下でなくとも食事に困らない幸運のキャラである。ただし、お金が使えるからといって先のことを考えて無闇に使わずにおり、セレジアたちとの邂逅ではセレジアたちから食事を奢ってもらった。
なおこの時食事と一緒にパフェも注文。7話での対策会議合流時にもアイスの特大サイズを独り占めする等けっこうな甘党。またファミレスでは皿にソース汚れひとつ残さず綺麗に食べ終えており、意外と行儀も良い模様。
実は3話でセレジアたちと別れた後、スピンオフ漫画『Re:CREATORS わんもあ!』の主人公、三瓶美晴と出会っている。このときは美晴が敵であるまみかのコスプレをしていたことから「軍服の姫君の仲間」と思い込んでいたが、彼女の言動から勘違いと判断、彼女のヲタクぶりに振り回されながら美晴の前から立ち去った。
その後、時系列的に第1クール終了後と思われるエピソードにて、板額を真鍳に取られたことに苛立ち憂さ晴らしに鹿屋を連れてゲームセンターで遊んでいたところを洲宮進を連れた美晴に見つかる。最初は美晴のことを忘れていたが、翔に対する熱愛ぶりを再び耳にして「ヤバイ翔の追っかけ」と称して思い出す。彼女とのやり取りで辺りを騒がしくしてしまったことで菊地原の監視を逃れるためと、羽を伸ばすことも兼ね、美晴と進を連れて鹿屋に頼んでギガスマキナの手のひらに乗せてもらい空を飛ぶ。そこで「協力者は多い方がいい」「美晴は被造物の存在を信じて疑わない」という理由から菊地原に内緒で2人に「軍服の姫君の素性と目論見(大崩潰)」を話す。その後、軍服の姫君を倒す作戦である「エリミネーション・チャンバー・フェス」の開催を仄めかすかたちで彼等に告げて鹿屋とともに去る。ちなみに、この時に美晴とはお互いに情報を共有するために連絡先を交換した。
※1
この点については、どのような状況で、この様な事態に陥ったのかは本編内では明確にされていない。
ただ個人的な欲求で殺しただけなら、只の危険人物であり、弥勒寺と颯太が初対面した際に颯太が真っ先に彼の危険性を訴えていたはずで、食事後に別れた後も、弥勒寺を野放しにするなどしていない筈である。
更に言えば、セレジア達にも真鍳のように『野放しにできない危険人物』と言った趣旨の発言もなかった。
漫画内ではどのような真相なのか…今後、更なる情報が明かされるのを待つばかりだったが…。
ついに18話にて真相が明かされた。詳しくはネタバレを参照。
※2
この霊体のような存在は、出身作品内では『星幽複体(アストラ・ダブル)』と呼ばれており、ライバルの白亜翔も星幽複体である『バイヤール』を使役している。
板額(はんがく)
弥勒寺が相棒、または呪いと称する甲冑武者型の星幽複体。武装は薙刀。戦国の女武将の板額御前(はんがくごぜん)がモデルである模様。戦闘では弥勒寺と組んで2人で相手と戦うスタンスをとっており、薙刀を駆使した戦法を得意とする。
10話にて真鍳の言葉無限欺によって奪われてしまうが、ボーダーワールド・コロッセオにて「飽きた」という理由で能力を解除し、コントロールは自身に戻る。
余談
ちなみに真鍳とは中の人同士が夫婦でもある。そのため、第9、10話での真鍳とのやり取りはネットで夫婦喧嘩と揶揄されており、公式サイトでの鈴村氏のキャストインタビューでも公式も上記の話数でのやりとりをそう例えていた。
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創造主
仲間
18話におけるネタバレ
【この先18話以降のネタバレ注意!】
18話にて、創造主の八頭司を通じて彼の口から翔との因縁の真相が判明する。
荒木ロッカク(アラキ----)と翔の妹・此処果(ココノカ)を殺害した真犯人は15話にて翔の口から語られていた、翔の星幽複体バイヤールの名付け親で、それを託した占い師の老人だったのである。
その占い師の目的は不明ではあるものの、2人の因縁の根本は、この占い師が、翔が優夜への復讐に走るよう唆した事に端を発していた。
更に悪い事に、翔が極度の直情思考であった事、優夜が好戦的な性格であった事も状況を悪化させる原因となっていた。
以上の事を考えると2人の戦いは、黒幕の占い師の思惑通り進んでいたとみて間違いないようだった。
つまり2人のこれまでの戦いは全くの両者の誤解によるものだったのである。
しかもこの事実は、まだ原作では描かれていない内容だったらしく、会場のスクリーンで、しかも全国に生中継されていたため多くのファン、視聴者に壮大なネタバレをかます事となった。
無論、壮大なネタバレを暴露された八頭司は観客共々絶叫し、今後の作品の展開に頭を悩ませる羽目になった。
だが同時に、両者の誤解が解けて関係が修復され、翔と優夜の共同戦線が確約されるに至り、ファンは心躍らせることになる。
そして、復讐の矛先を八頭司に向ける翔を説得、アルタイルの目論見を話し「元の世界に戻ったらあの占い師を一緒にぶっ飛ばしに行ってやるよ」と約束し、彼と共闘する。
その後、アルタイルがシリウスを乗っ取り返したタイミングで彼女に隙を突かれ後ろからサーベルを3本刺される。板額をアルタイルに差し向けるも、彼女の攻撃で板額は消滅してしまい、自身も意識を失い戦闘不能となるが生還。
全てが終わった後は翔とともに八頭司を連れて海へ行き、元いた世界へ帰ることを話し、別れ際に彼にエールを送って翔とともに帰還した。
その後、原作漫画は新章に突入し、キャッチコピーは「両雄、並び立つ」と新たに設定され、そこには新たな仲間を連れて翔とともに並び立つ弥勒寺優夜の姿があった。
彼は、確かにラスボスではあったが、黒幕の占い師の件を考えると、あくまで一つの章のラスボスだったことが伺える。