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ガトランティスの編集履歴

2018-01-31 20:32:33 バージョン

ガトランティス

がとらんてぃす

『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』『宇宙戦艦ヤマト2』に登場する架空の星間国家で、白色彗星帝国やガトランチスという呼称もある。リメイクアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』では、大ガミラス帝星の敵対勢力として登場しており、さらには国家モデルや民族性などが大幅に変更されている。2202でも引き続き登場し、その正体が明かされる。

概要

 『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』及び『宇宙戦艦ヤマト2』に登場する架空の星間国家で、地球側では白色彗星帝国と呼ばれている。他にもガトランチスという呼び方もある。移動しながら各宙域を支配していく強大な軍事国家であり、白色彗星帝国の本星は人工的に造りだされた移動都市そのものである。知名度はガミラスより劣るが、軍事力は作品中トップ(明確な戦力表現は無いが、アンドロメダ銀河の規模からして作中で最大の戦力を保有していると考えても不思議ではない)。


宇宙戦艦ヤマト

 国家元首ズォーダー大帝。作中での彼が語るところによると、宇宙を統一する旅は先祖の遺志であり、過去から未来永劫へと続く、彗星帝国ガトランティスの心であるという。「全宇宙は我が故郷!!」「この宇宙は、我がガトランティスの遠大な旅の為にある」というスローガンを掲げながら、進路上に存在する邪魔な星は破壊し、利用価値があると判断した惑星は占領・植民地化することで、全宇宙の覇権を握ることを目指している。

 ガトランティス人は、肌の色が緑色で、眉毛と髪の毛が一体化しているのが大体の特徴である。


モデル

 モデルが明確なガミラス帝国やボラー連邦などとは違い明確に元ネタとなる国家は存在しないようであるが、人工国家・超高層ビルの集合による摩天楼などのイメージからアメリカがモデルであるという説も存在する。登場人物名はバルゼー(アメリカのハルゼー提督)ゲーニッツ(ドイツのデーニッツ提督)ゴーランド(イギリスのホーランド提督)ナグモー(日本の南雲提督)など、多国籍の軍人の名前、もしくはズォーダー(ソード)、サーベラー(サーベル)など武器の名前からもじられている。


勢力圏

 地球に侵攻した時点では、すでにアンドロメダ銀河を制覇したことが判明している。


彗星都市

 白色彗星帝国の本星は、高速中性子と高圧ガスが形成する純白の巨大彗星の形態をしている。ただし、彗星の尾が進行方向と常に逆向きに形成されているなど、本物の彗星とは異なる。実はこの巨大彗星の姿は、一種の擬態であり、吹き荒れる高速中性子と高圧ガスは、核となる人工要塞惑星(本体)を包み込むバリアーとしての役割と、対惑星級の破壊力を備えた攻撃兵器を兼ねているのである。彗星形態のときの大きさは、作中の説明によると直径6600km(地球の直径の約半分)ほどある。


軍事力

 劇中で登場したのは本拠地である彗星都市と、そこに配備されていた艦隊のみ。それだけでも地球防衛軍の総戦力を上回る規模の兵力である為、決して侮れない。更にアンドロメダ銀河は地球やボラー連邦のある銀河系の3倍ぐらいある巨大銀河であるので、国家全体の総戦力もガルマン・ガミラス帝国ボラー連邦を遥かに上回る可能性もある。

 軍事技術では、敵勢力中でも珍しい回転速射砲塔と呼ばれるビーム兵器を通常兵器としている。これはマウントボールの様な形をしており、側面には多くのビーム発射口が一周するように並んでいる。これがガトリングの要領で回転して次々とビームを発射すると言う、威力よりも速射や乱射を主軸にしたタイプである。

 また所有艦艇も侮れないものが多い。まずショックカノンに負けず劣らずな衝撃砲を搭載した大戦艦、惑星さえ吹き飛ばせるミサイルを搭載したミサイル艦、回転速射砲塔を多量に搭載した彗星帝国駆逐艦、機動性を重視した高速中型空母、上下に飛行甲板を有する超大型空母、等々、ガミラス艦艇をも圧倒する一面もあるのは事実である。


帝国内部の事情

 この様に強大な大国としてふさわしい軍事力や支配権を有しているガトランティスだが、内部の事となると、やや事情が異なってくる。ありがちと言えばそれまでであるが、帝国内部には権力闘争が著しい問題となっていた。

 特にTV版では、サーベラーとゲーニッツの確執が浮き彫りになっており、互いの脚を引っ張り合おうとする始末である。時には客将デスラーを追い落とそうと手を組んだりしたが、大帝にばれて叱責を被ることになった。

 一方で何の罪もないのに巻き添えを食らった高官が1人存在する。それがラーゼラーであり、彼は職務を全うし、時として大帝にヤマトの乗組員侵入の報告をすべきだと進言していた。なのに、サーベラーとゲーニッツの巻き添えを食い、連帯責任として崩れ去れる彗星都市に置き去りにされてしまった。なお、ゲーム板ではもっと冷酷な性格になっていたが、結局は死亡する…。

 この様に、TV版では大帝の尊大さや、デスラーとの友好関係が出ている反面、部下たちの失態が前面に出てしまい、それが結局は帝国の衰退を招く結果となったのは言うまでもない。


劇場とTV版の差異

 TV版と劇場版で多少の差異はあるものの、土星圏決戦に参加した地球防衛軍の艦艇はほぼ全滅、月も主砲で火の海に、アフリカ大陸を始めとする地球上の各地域も超巨大戦艦の砲撃で壊滅させられている。

 これらの結果、地球側はガミラス戦役を生き抜いたベテラン軍人の大半が死亡し、人材不足が極まる状態に陥った。このダメージは後の暗黒星団帝国ディンギル帝国との戦いまで影響しており、シリーズ全体を通して最も地球に被害をもたらした星間国家といえる。


主な人物

ズォーダー(ガトランティス大帝)

サーベラー(総参謀長・支配庁長官)

ラーゼラー(支配庁宣伝・軍事総議長)

ゲーニッツ(遊動機動艦隊司令長官)

バルゼー(第1機動艦隊総司令官)

ゲルン(空母機動部隊司令官)

ナスカ(前衛艦隊司令官)

ゴーランド(ミサイル艦隊司令官)

デスタール(前衛第2機動部隊隊長)

メーザー(一般兵士)

ミル(監視艦隊司令)

ザバイバル(格闘兵団指揮官)


所有艦艇

超巨大戦艦

ヤマトよ永遠に

彗星都市内部に搭載された超巨大戦艦。多大な犠牲を払いガス帯を取り払い、動力炉を破壊してやっと勝てた…と思いきや、内部からこれが登場し絶望を振りまいた。

副砲だけでヤマトを穴だらけにし、主砲はアフリカ大陸を始め地上を壊滅させており、これ一隻で冗談抜きで地球を滅ぼせそうな程の破壊力を持つ。まさに最凶の戦艦である。


メダルーザ

ガミラスより技術供与された瞬間物質移送機を装備し、直撃すれば主力戦艦も一撃で爆散する威力の超巨大火炎を直接ワープさせて攻撃する「火炎直撃砲」が最大の目玉。地球防衛軍の拡散波動砲の射程を遥かに上回り、その特性上回避行動も困難な為、土方竜提督率いる防衛艦隊に大損害を与えた。反面それ以外の武装はお粗末で、艦正面の副砲だけ。


大戦艦

大戦艦

回転する砲台が名物の戦艦。


ミサイル艦

ゴーランド率いるミサイル艦

艦首に巨大なミサイルを2基装備した艦。そこを敵に攻撃されたら危ないのでは…


超大型空母

白色彗星帝国超大型空母


高速中型空母

高速中型空母ナスカ


駆逐艦

白色彗星帝国の高速駆逐艦


潜宙艦(スペースサブ)

輸送艦


航空機・宇宙艇

艦上戦闘機イーターⅡ

艦上攻撃機デスバ・テーター

デスパーテーター

大型長距離艦上戦略偵察機

T2陸上迎撃機

迎撃戦闘機パラノイア

小型艇



宇宙戦艦ヤマト2199 宇宙戦艦ヤマト2202

 『宇宙戦艦ヤマト2199』にも「ガトランティス」という名で登場した。当初はガミラスから『蛮族』と呼ばれ忌み嫌われており、小マゼランで度々侵攻してきていた模様。ガル・ディッツが予断を許さないと言うあたり、やはり侮れない存在であることが伺える。

 その存在が明らかになったのは第11話の冒頭、辺境星域に展開していたガトランティス前哨艦隊とドメル率いる第6空間機甲師団と交戦時である。14話、21話でもガミラスの捕虜となったガトランティス人が登場。劇場版『星巡る方舟』でも、帰路の途中であるヤマトに立ちはだかってくる。

 因みに発音のイントネーションの違いから、ヤマトの事をヤマッテと呼んでいる。また敵国であるガミラスのことをガミロンの青虫と呼んで侮蔑している模様(あくまでグタバ方面のゴラン・ダガームらがそう言っており、ガトランティス全体でそう言っているとは限らないので注意)。

続編の『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』にも引き続き登場する。ガミラス・地球連合艦隊と戦闘を繰り広げている模様。また、国家元首がオリジナル版と同様にズォーダーであることが判明した。多数の機動艦隊を用いて、ズォーダー大帝指導の下、全宇宙に対して根こそぎ苦痛を取り抜くという信念の元、テレザードを攻略する。


帝星ガトランティス

2199

 本星や政治体系が明らかにされていないものの、ガミラスからはガトランティスという国家名である事は把握されていた。視聴者に対しては帝星ガトランティスと紹介されており、これが移動性の都市の事かは不明のままであった。支配者は大帝と呼ばれる人物(『大帝』という単語を、ガトランティス語で『ズォーダー』と呼ぶ模様)である。

2202

 オリジナル同様に本拠地を彗星に擬態しており、移動する国家である事が明らかになっている。

 


モデル

 本作におけるガトランティスとは、オリジナルのものとはかなり形態の異なった勢力として描かれており、より野蛮さや傲慢さ、力強さといたまさに『蛮族』に相応しい姿になっている。これに関して出渕裕総監督は、「別々の星に生きているのだから、根本的に社会進化形態も考え方も違うだろう」という解釈のもと、オリジナルとは違う雰囲気を構築した。

 そのモデルとしては、ガミラスが第2世界大戦のドイツをモデルにした為に、その差別化の意味も含めて中世の国家をイメージしていた模様。特にオリジナルでは、移動しながら地域を征服する様子からして、本作ではモンゴル帝国に一番近いものがあると考えられる。

 また役職名も丞相都督といったものが出ており、顔つきや髪の毛の纏め方も、どこか中国的だったりする。さらに鎧は中世ヨーロッパ風、陣羽織は戦国時代の日本、と国は違えど世界時代は中世的であることが分かる。


政策・方針

2199

 主な政策等は明確にされていないが、『星巡る方舟』において幾つかの情報が見えてきた。まず捕虜は科学知識を有する者のみで、戦士(兵士)は女問わず殺してしまっている。これは、他国の科学知識をガトランティスの一部にしてしまうことで、自国の科学技術の向上の足しにしている為である。

 その典型的例として、火焔直撃砲は他国の文明技術(ガミラス人による瞬間物質移送機技術も含まれていた)の融合によって誕生した兵器である。これは大帝の意向でもあるようで、こういった他国技術の吸収によって自国の発展と存続にも繋げているようで、現在は惑星シャンブロウの遮蔽技術を欲している模様。

 2202第一章冒頭での描写を見る限り、本当に科学者以外は皆殺しにしているらしい(あくまでテレザード星の一件に関して)。


2202

 帝星ガトランティス指導者のズォーダーが目指すのは、ガトランティスの手によって全宇宙から苦痛を根こそぎ取り除く『大いなる愛』を求めて、幾多の宇宙を駆け抜けては星々を席巻する。その対象としてテレザード星を攻略し、テレサの大いなる力を利用しようとしている模様。


軍事力・技術力

 小マゼランにどれ程の艦隊戦力を派遣しているのかは不明である。ただし、各艦艇の性能はオリジナル譲りの武装を施しており、圧勝しているイメージが強いガミラスの戦闘艦艇でさえ、油断するとハチの巣にされてしまいかねない。また2202になって明らかになる、前代未聞の超巨大兵器も登場するうえに途方もない戦闘艦艇数を保有している事が明らかになっている。

 因みにガトランティスには、物を造り出すことは出来ても修理するという概念は無い模様(明確にガトランティス側からそうとられる発言されている訳ではなく、真田の推理であるが)。

  • 回転速射輪胴砲塔

 オリジナルでの回転速射砲塔は、輪胴砲塔という名称に改められているものの、基本構造はほぼ一緒である。ただし主砲として使用されている速射輪胴砲塔において、砲塔部の砲門1つにつき小型ビーム砲が4門で1セットになっていることが明らかになっている。そのために、1つの砲門からビームが4本纏めて見えるのが確認できる。また、射出口4門で1セットになっているのは速射輪胴砲塔だけではなく、メガルーダの大口径徹甲砲塔の各砲門も、4つのビーム砲口が束になっているのが確認できる。

 これを主武装としており、対空火器にしても強力な対抗兵器と成し得る。また興味深いことだが、ガミラス艦には対空火器と言うものが重視されていない。対してガトランティス艦には、全てにおいて小型の対空火器用輪胴砲塔が備え付けられており、対艦載機への圧倒的な弾幕を展開することが可能。事実としてヤマトのミサイルを叩き落すことができたのは、現在ではガトランティスだけである。

  • 量子魚雷

 本作特有兵器のとして、量子魚雷と呼ばれる特殊兵器も存在する。これは空間跳躍機関のエネルギーを利用した投擲兵器の一種である。弾着する瞬間に対消滅反応を起こしてその膨大な爆発エネルギーで、目標物を原子レベルで崩壊させる。(スタートレックの光子魚雷に見た目がよく似ている・・・というか原理的にはほぼ同じもの。ちなみにSTには同名の魚雷があるが原理は異なる)

  • 雷撃旋回砲

 2202初登場となったカラクルム級戦闘艦(旧:大戦艦)の特殊武装で、これまでのヤマトシリーズを通しても見受けられない全く新しい思想の元で作られた兵器。無数の雷撃ビットと呼ばれる小型機が艦首前方にリングを形成し、エネルギーを増幅・集約して一斉に前方方向へ広範囲に放射する代物である(ガンダム作品で言う所のファンネルに相当するが、その規模が段違い)。一種のマップ兵器とも呼べる。

 さらに艦数が集まれば集まるほどにエネルギーは増幅される。一例として6隻が直列に並び、その周囲を幾重もの雷撃ビットのリングが囲い、直列に並んだ艦列と雷撃ビットリングが巨大な砲身そのものとなり、その放射エネルギーは星の地表に巨大な谷を造ることも容易い。ただし、その破壊力はリング中心部に位置するカラクルム級をも呑み込む形で照射される故、発射すれば艦体そのもの崩壊する使い捨て戦法である。

  • レギオネル・カノーネ

 上記したカラクルム級が250万隻と言う途方もない規模を用いて運用される兵器。だが厳密には一個体の兵器ではなく、250万隻のカラクルム級が集結し超巨大な円筒形を形成、雷撃旋回砲のスケールを約46万6666万倍も巨大化させた巨大砲身となって発射される、一種の〝技”の様な物とも言える代物である。射程距離もヤマトシリーズ中屈指のもので、辺境第11番惑星から地球を直接に射撃可能な程。

 ただし、その使用には莫大なエネルギーが必要とされる模様で、人工太陽等の恒星による超新星爆発を転用するとされる。またこれだけの規模の艦艇を運用して発射(或は艦艇全てが廃艦になると思われる事も考慮してか?)するには、ズォーダーの断が下される必要がある。

 ガトランティス人独自の砲撃システムではなく、亜空間実験事故で行方不明になっていたガミラス人科学者に空間転送投擲機(瞬間物質移送機)を開発させ、さらに異文明の超兵器を盗掘して得た火焔直撃砲本体を組み合わせた兵器。解説に寄れば、転送機の運用は2基1組でなければ転送座標が安定しないという結果であった(それはガミラスも同様)。

 砲身から放たれる超高熱のエネルギー弾を、敵艦隊の射程距離よりもさらに外側からワープ空間を使って敵艦隊の真正面に直接ぶつけると言う発想の代物。事実上の回避は難しいものであるが、致命的な弱点として、初弾で仕留めきれないと、後にワープの転送座標が解析・予想されてしまい命中率は格段に落ちてしまう。

  • 所有艦艇

 所有艦艇では、超兵器『火焔直撃砲』や五連装大口径徹甲砲塔を搭載した『メダルーサ級殲滅型重戦艦』、空母自身にも砲撃能力を持たせた『ナスカ級打撃型航宙母艦』、雷撃旋回砲という特殊砲撃システムを有した『カラクルム級戦闘艦』、全身をミサイルで固めた『前期ゴストーク級ミサイル戦艦]]』、名称不明なれど登場予定の超大型空母、多数の速射輪胴砲塔と量子魚雷を搭載した『ラスコー級突撃型巡洋艦』と『ククルカン級襲撃型駆逐艦』が存在する。

 こうした艦艇には、殲滅型打撃型突撃型襲撃型等が存在しており、ガトランティス人の攻撃的思想が垣間見える。


軍組織など

 劇場でのガトランティスは、あくまで遠征軍である為に全体の姿は不透明のまま。また、オリジナルのガトランティス帝国と見比べると、本作における軍事的な組織内部は大分変化を見せているのが伺える。

階級

 まず、オリジナルでは艦隊指揮官を『提督』と呼ぶのが一般的だった(ゴーランド提督、バルゼー提督、ゲルン提督、コズモダート・ナスカ提督)。中には『隊長』と呼称される部隊指揮官も存在するが、基本的には提督と呼ばれている(デスタール隊長)。地上部隊は『将軍』である(ザバイバル将軍)。

 対して本作では、古代中国を模した様な『丞相』という地位が登場し、遠征軍指揮官の事を『大都督』と呼んでいる。現代的な『大将』や『中将』といった呼び方は一切なかった。ただし戦闘艦の指揮官については、他国と同様に『艦長』とされている。

 加えて戦う軍人の事を『兵士』とは呼ばずに『戦士』と呼んでいることから、かなり違った考え方の民族である事も伺える。劇中でもサーベラーが「雷鳴の戦士ゴラン・ダガームよ」と発言していたり、ダガームも「戦士は殺せ!」と発言している。

 2202では、艦隊指揮官を司令長官司令官と呼んでおり、細やかな階級の呼称は無い(これは2202制作陣の方針とも言え、オリジナルの『愛の戦士たち』『ヤマト2』と同様の作り方である)。


集団組織

 また小説版では、中級下級指揮官が存在していないことが明らかになった。これは育成に時間がかかることを理由に、ガトランティス軍が敢えてそうした指揮官の育成を省いて、小集団を率いる集団長及び、それを纏めて指揮官が指揮する方向に持っていった模様。

 艦隊の編成も5~7隻で1部隊として、それを集団長が指揮し、こういった集団長が纏まってダガームに直接指揮されている。これも1つの軍事形態ではあるが、緻密な軍事行動を起こすのには向いていないとされる。ただし集団長達が独自に動く面において、此処に迅速な対応が可能な事から、決して間違った軍事組織とも言い難いが、2202でも同様かは不明確である。


兵士

 ガトランティス兵士は揃って屈強な兵士が殆どであり、ガミラスの捕虜となっていたのも全て筋肉質な兵士ばかりであた。蛮族たる所以はそれにある模様で、アンドロイド兵士であるガミロイドを棍棒代わりに振り回したりする様は、まさに蛮族である。グタバ方面軍のゴラン・ダガーム大都督らも同様の筋肉質である。

 ただし2202に入ってからはガトランティス兵士の情報が明るみになる。兵士の殆どは肉体改造を施されており強靭な生命力を有している。海に沈んだカラクルム級戦闘艦の残骸から引き揚げられたガトラティス兵士は瀕死なれども生きていたなど、その尋常ではない肉体改造ぶりがうかがえる。しかも一定の処置を施さないと自爆するようプログラムされているなど、2199の時よりも一風変わった兵士である。

 となるとガミラス領土内に捕虜となっているガトランティス人は全て自爆していると考えるのが普通だが、恐らく2199の時点で自爆する事が判明しており、その処置を施し済みであったと考えるべきであろう(或は方針転換で自爆プログラムが埋め込まれたか)。ガミラス内部でも、ガトランティス兵士の自爆は知っていたが、地球には一切知らせていなかった。

 この兵士に付いては、最下記の真相に記す。


ガトランティスの謎

 第2章においてヤマトは15000隻もの『カラクルム級戦艦』を目撃する。恐るべき大陣容だが、ここで問題となるのはそれらの艦隊を運用する人員である。

 前述のとおり、ガトランティス軍では降伏した敵軍の将兵は殺害し、捕虜となった自軍の兵士は自爆するようプログラミングされており、帝星ガトランティスが侵略国家である以上、戦線を広げれば広げるほど戦力は摩耗していくのがふつうである(敵対するガミラス軍が軍の維持のため、クローン、アンドロイドを多用し、征服した星系の敵将・敵兵に一定の権限を与えて戦力として利用するのを見れば、他勢力を抹殺し味方の消耗をも軽視するガトランティス軍の異常性がわかる)。

 それらの人員不足を解決するにはいくつかの方法が考えられるが、ここでは考えうるいくつかの仮説を掲げておく。

  • クローン兵の使用…当初、ガトランティスにはクローン兵の技術がなかったが、クローンを研究するガミラス人技術者が捕虜となり、これによって多くのクローン兵がガトランティス軍の一大戦力として多用されるようになる(これならば、自軍の兵士を惜しげもなく自爆させる理由も納得できる)。
  • 戦艦の省力化…人員の不足を理由に地球艦隊と同じように戦艦を省力化すると同時に、艦の装甲もガミラス・地球両軍の戦艦よりも強化し、人員の不足をカバーする。
  • 無人艦の多用…数を多く見せることで自軍の脆弱さをカバーする方法。もちろん、旗艦をはじめ何隻かの艦には人員を配置するが、それ以外の艦は無人で人員を配した艦が無人艦をコントロールして戦線を維持する(この場合、指揮艦が沈むと無人艦のコントロールがきかなくなり、戦線が混乱することになる)。

 この真相も、最下記に記す。


登場人物

ズォーダー/大帝シファル・サーベラー/丞相(最高位幕僚)ゲーニッツ/遊動機動艦隊司令長官(最高位幕僚)
ズォーダー(2202版)ガトランティスの丞相ゲーニッツ(2202版)
ラーゼラー/支配庁軍務総議長(最高位幕僚)ガイレーン/諜報記録長官(最高位幕僚)
[pixivimage::s][pixivimage::s]
ゴーランド/ゴーランド艦隊司令官バルゼー/第七機動艦隊司令長官
[pixivimage::s]追悼
メーザー/第八機動艦隊司令官コズモダート/前衛艦隊艦隊司令官
第八機動艦隊司令官メーザー提督たぶん、ナスカ提督(Live2D用)
ザンツ・ザバイバル/ザバイバル陸戦師団長
[pixivimage::s]
ゴラン・ダガーム/グタバ方面大都督ボドム・メイス/『メガルーダ』艦長イスラ・パラカス/『キスカ』攻撃隊隊長
雷鳴のゴラン・ダガームボドム・メイス疾風のイスラ・パラカス

所有艦艇


艦載機


ガトランティスの正体(ネタバレ注意)





















 2202におけるガトランティスは謎多き戦闘国家として描かれているが、取り分け不可思議なのは、上記にあるガトランティス軍の規模の問題、尚且つ兵士の殆どが恐ろしいまでの屈強な肉体の持ち主並びに自爆機能が付け加えられているその所以‥‥‥。

 驚愕すべきことに、ガトランティス人とは純正なる肉体を基礎とした人間ではなく、戦闘用に作られた人造人間(劇中では屍から作り出される蘇生体と呼称される)であったということである。つまりガトランティス人とは、人造人間もとい蘇生体で構成される民族であり、人造的に兵士を生み出していたということになる。

 そもそも、彼らを造り出した創造主そのもの、並びに蘇生体として生み出された彼らをガトランティスと呼び蔑んでいた文明は既に滅びさったとズォーダーが明言している。しかし滅びた原因ははっきりとしておらず、古代進は「ガトランティスが滅ぼしたのか」と問うたが、ズォーダーはそれになんの反応もかえさなかった。戦闘用として生み出された彼らは地球とガミラスら人類とはかけ離れたメンタリティを有しているという事になる。また艦船製造の謎は未だに触れられてはいない。


それでもいくつかの謎は残る。

 『宇宙戦艦ヤマト2199』第21話に登場したガトランティス人捕虜は明らかに死を恐れており、『星巡る方舟」』に登場したゴラン・ダガームの部下たちも明らかにゴラン・ダガームの暴虐の仕打ちを恐れていた。

 ゴラン・ダガームの一党は、小説版における捕捉でボドム・メイスを除いて殆どが盗賊であり、ガトランティス軍のなかでもアウトローに属することから、ガトランティス人のなかでも蘇生体とは一番遠い存在であるとも考えられる。2199第21話に登場した捕虜たちが死を恐れた理由は説明されていない。自爆することをいとわないガトランティス人のなかにも死を恐れるものもいる。

 この相違で考えられる点として、まずズォーダーらの正体が蘇生体と呼ばれる人造人間であるが、その蘇生体のモデルが本当の純正ガトランティス人である可能性を考慮した場合だ。そうなると、『2199』の捕虜たちと『星巡る方舟』のダガームらは、実は蘇生体ではない純正なるガトランティス人であり、故に兵士達は本国の兵士達と違って死を恐れていた、という理由付けも出来なくはない。これらの推測に合致するのではないかと思われる独白をダガームはしている。

 後述するサーベラーの謎にもつながるが、ダガームはサーベラーとの通信後、「あの女狐め」と毒づき、「大帝はなぜあの女を丞相にしたのだ」と不満を述べている。これはダガームがサーベラーのほかにもガトランティス人に女性がいることを知っているとも思え、ダガームらが純正体に近いか、ガトランティス人にも女性の蘇生体がほかにいるかの2つに1つということになる。

 また別に考えるとすれば、2199の途中のある時系列から、ガトランティス兵士に対するプログラムを大幅に書き換えていたという可能性である。(何処まで行っても編集者の想像でしかないが

 なお、蘇生体を造った本来のガトランティス人(と思われる)らの文明が滅んだと明言されたが、それは文明であってガトランティス人そのものは滅んだ訳ではないと推測される。


これらの情報を総合すると軍艦とそれを運用するためだけに人間は(蘇生体とは別に)未知の空間で無尽蔵に生産されている可能性が考えられる。これらの生命体は生産と同時に破壊と殺戮を機械的に行うようプログラミングされ、新たな文明を創り出す可能性をもつことは考慮されていない。

 もちろん、彼らにプログラミングに反する感情をもつことは許されていない。破壊と殺戮に関することでも少しでもプログラミングに反する、なんらかの感情をもつとそれが民族の存在意義を害する汚物として抹殺されてしまうことになる。


 もう一つ謎があるとすればサーベラーの存在である。

 ガトランティスが人工的な戦闘民族であり、死者からも生命体を再生させるクローン技術が発達している以上、必要とされるのは屈強な男性兵士のみであり、か弱い女性の個体は必要ではない。にもかかわらず、サーベラーはズォーダーに抜擢されて丞相という要職に就き、最高幹部のゲーニッツも彼女に礼節をもってあたっている。

 彼女は、希少な純正体のコピーとされており、ズォーダー曰く「人間を裁ける最期の人間」とされる。ただし彼女にも欠点が存在しているようで、純正体のコピーであることから記憶も当然コピーされている。そこに愛という感情を抜き出してコピーしたはずだが、何かの弾みで要らぬ記憶が呼び覚まされてしまい、そのたびにズォーダーの手に掛かけられてしまう。

 記憶が呼び戻される都度、彼女はズォーダーに意味深に

「もう、止めましょう。あなたが壊そうとしているのは‥‥‥」

と制止を受けてしまう。


関連タグ

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