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ズォーダー

ずぉーだー

『さらば宇宙戦艦ヤマト』『宇宙戦艦ヤマト2』に登場するキャラクター。白色彗星帝国「ガトランティス」の指導者であり、圧倒的な力を以て他者を征する尊大な人物。地球を壊滅寸前に追いやった人物でもある。リメイク作品『2202』ではリテイクされて登場。ビジュアル的には『ヤマト2』版に近い雰囲気を残しつつさらに猛々しくなっている。
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「全宇宙の絶対者、宇宙の法にして秩序」


声優

小林修:『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』&『宇宙戦艦ヤマト2

手塚秀彰:『宇宙戦艦ヤマト2202


概要(オリジナル版)

白色彗星帝国ガトランティス大帝。自らを「宇宙の絶対者」と称する程の、神のごとく驕り高ぶった人物である。その絶対的自信により、敵対した相手には尽く苛烈なまでの攻撃を極め、戦闘員・非戦闘員を分けない無差別攻撃で数々の星を征服しており、その圧倒的軍事力で全銀河系を支配下に置かんと目論む。


ビジュアルは、劇場版とTV版で異なる。劇場版は中肉中背の体格で、黒を気色としたスーツと黒マント(内側は赤)、白の靴、白の手袋を着用、眉毛と一体化した独特の白髪をしている。

TV版は肉体的に筋肉質になっており、より弱肉強食の王者らしい風格を放っている。服装も袖や裾が見えていた劇場版と違って、黒のブーツと白の手袋で裾、袖を隠しているため、マッシブ感が増したとも言える。

デスラーとの関係

劇場版

単に傲慢なだけの独裁者ではなく、宇宙を漂流するデスラーを救出しているが、劇場版とTV版では微妙に待遇の違いが出ている。劇場版では、デスラーがヤマト討伐に出撃するに際しては「出撃に当たっての儂の手向けだ」と言って最新鋭艦を与えるなどの待遇をしており、彼が戦死した際には「奴も死に場所を得たのだ」と短い言葉ながらも死を労わるなど、その視線は上からの雰囲気が強く出ている。

TV版

一方でTV版では、デスラーとの信頼関係が上下というより概ね対等に描かれているのが特徴である。デスラーの能力と誇り高い心、並びに強い執念を認めた上で瀕死の彼を蘇生させている。加えてデスラーを呼ぶとき「総統」と付けて呼ぶ当たり、彼のデスラーに対する関係を現しているとも言える。また、一時はサーベラーの策謀でデスラーが謀殺されかけたが、改めてデスラーを誇り高き武人であることを再認識させている。


加えてTV版では、部下のサーベラーゲーニッツらの無駄な謀略で多くの兵が無駄死したことを激怒し、厳格な処罰を下している。


概要(2202版)

リメイク作品『宇宙戦艦ヤマト2199』でも、度々ガトランティス人の口から「大帝("ズォーダー"と発音)」という人物の存在が語られているが、この「大帝」なる人物が旧作におけるズォーダーと同一の存在かどうかは不明。そもそもこの"ズォーダー"という名詞が、現在ガトランティスを統治している指導者の名前なのか、はたまた「大帝」を意味するガトランティス語に過ぎないかどうかもはっきりとしていない。しかし、劇場作品『星巡る方舟』ではハッキリと「大帝」と発している。


ビジュアル

さらに続編2202に似てその姿が明らかにされており、ビジュアルは基本的に変わりはないが、オリジナルに比べて、絶対的力の支配者という雰囲気を強く体現しており、髪もやや跳ね返りの強い形となり、他者を圧する目力、さらに武闘波を思わせる筋肉質な肉体をしている。どちらかといえば、「ヤマト2」版のズォーダーを踏襲しているようである。より猛々しい姿へとパワーアップしつつ、ゴラン・ダガームと同様に腰に大剣を下げているのも特徴である。


愛に対する考え

オリジナル同様に力による支配を絶対にしながらも、本作で一番の違う点はと言えば哲学的な思考も兼ねつつ、に対して非常に拘っている点にある。オリジナルでは、彼が愛を口にすることは一切なかったが、本作では冒頭のナレーションから


『生まれ行く星も有れば、死んでゆく星もある。そうだ、宇宙は生きているのだ……生きて……生きて。だから……愛が必要なのだ』


と公言。加えてテレザート星攻略の祭にも


『やはり、愛が必要だ。この全宇宙から根こそぎ苦痛を取り除く、大いなる愛が』


と述べている。

これは、製作者である羽原氏や福井氏の考える「愛は様々」であることと、時として「愛は凶器になる」との考え方を反映したもので、誰しもが同じ愛を持つとは限らない、ズォーダーならではの愛を表現している。

まして第三章『純愛編』でもタイトル名からしても愛を謳っており、ズォーダーは自らを


「愛を知る者」


と自称したり、古代の愛を問い詰めるように


「見せてやろう、お前の愛が何を救い、何を殺すのか!」


と愛という言葉とは裏腹に重いものであることを示唆している。

その由縁は、第六章から明らかにされている。


能力

今作のズォーダーは、2202独自の新設定として自然の生命からではなく、人工的に作られた存在である(他のガトランティス人も同様)。しかし、彼の場合は飛び抜けた能力を有しており、蘇生体らを精神の端末代わりにして意識を繋ぐことが可能である。どんなに離れようとも、蘇生体とリンクさせて、蘇生体の目に映るもの、聞こえるものを、そのままズォーダーは得ることが出来る。加えて、彼の意志で蘇生体を自爆させることも可能である(第3章でのレドラウズ、避難民に紛れた蘇生体がその一例)。


経歴

第1章

テレザート星に侵攻し、艦隊で寺院をミサイルで爆破し、並びに無人兵器ニードルスレイブを投入し、寺院にいた僧侶たちを見境なく殺害させ、テレサの居るであろう最深部を占拠することに成功した。このテレザート星を占拠する最中、ズォーダーは死にゆく僧侶たちを見ながら

「虚しい、実に虚しい。彼らの死に何の意味があったというのだ」

と吐露している。

また全宇宙から苦痛を取り除くための大いなる愛が必要だと呟く。その最中、テレサが地球へ向けてメッセージを発信し、それを突き止めるや否や、太陽系への侵攻を決意する。


第3章

最高幕僚位達と共に、ヤマトに関する記録映像(星巡る方舟の戦闘)を眺めやると同時に、諜報記録長官ガイレーンの能力でさらに過去のバラン星の戦闘を見つけ、波動砲が強大な破壊兵器であることを知る。だが、ラーゼラーバルゼーらが危険視する一方で、ズォーダー本人は動揺せず、


「奴は撃たん。撃てるのに撃たんのだ…… ヤマトはな」


と、むしろ波動砲は撃てないことを察しているかのような口ぶりであった。

 

因みに小説版では、メーザーの第八機動艦隊に地球への直接攻撃を指示した経緯が補足説明されている。波動砲を撃つことも出来ないヤマトに興味を失せたことから地球に対する興味も失せ、それをサーベラーが意を汲み取って地球の破壊を指示している形となっている。

 

惑星シュトラバーゼにて、密かに蘇生体として送り込んでいたロバート・レドラウズ教授を介して、古代進と初めて対峙することとなる。そこで古代に対して全てを見透かしたかのような口ぶりで、激しいゆさぶりをかけていく。さらには自身らガトランティス人が、実は造られた命であることも明かしていた。


また、愛というものが単純なものではなく、非常に複雑なものであることを示しており、古代の持つ愛に対してもエゴに過ぎない愛であることを示し、尚且つ古代のことを「真の愛を知らぬ者」と徹底的に圧していった。

 

そして惑星上で戦闘が原因で崩壊しつつあるシュトラバーゼを察し、ズォーダーは悪魔の選択をさせてしまった。それは、引率者である森雪を含め避難民を乗せたガミラス艦3隻に潜ませた蘇生体を機関部で自爆させ、惑星に墜落させる代わりに、古代が1隻だけ選べば、その艦だけ助けてやるという苦渋の選択だった。


「見せてやろう、お前の愛が何を救い、何を殺すのか」


直後、ズォーダーを模したレドラウズは自爆し、ズォーダーは古代の選択を待ち受ける事となる。

ところが、古代の事情を察した雪が(大まかなことだけで詳細は知らず、選ばなければ全艦が沈むということまでは知らなかったと推測される)、自ら艦外に飛び出して身投げをしてしまうことで、古代が「俺は選ばない!」と雪の救出に向かってしまう。

これはズォーダーも予想外であったようで、まさか古代ではなく、彼が守るべきであろう存在の雪自身が進んで犠牲になるとは考えていなかった模様。それでもルールの変更は許さず、当初予定通りに3隻全ての蘇生体を自爆させ、3隻諸共重力崩壊に向かう惑星シュトラバーゼに落としていった。

しかしこれもまた予定通りにはいかず、2人はおろかガミラス艦3隻まで無事に助かってしまった。

 

その後、ヤマトが危機を脱したことに多少の危機感を抱いていた様で、ガイレーンがヤマトを過大に評価することに嫌悪感を抱くものの、そのガイレーンから


「貴方の中に恐れが見える。それはテレサに対してか、或いは……」


と心情を見透かされていた。

終盤、ズォーダーはアベルト・デスラーを呼び、ガトランティスには無い言葉『執念』を見たいが為に艦隊を与え、ヤマトへの攻撃を任せた。


第4章

デスラーが独断行動を開始した第八機動艦隊の殲滅に成功した折、彼の行動は決して単純なものではないことを察し、見下しているサーベラーに


「見ているがいい。人間が人間たるゆえんを」


を呟いている。

ただし、この後に離反し、勝手に行動を始めてしまうデスラーであったが、これもズォーダーは予測済みで、特に処罰らしい命令も与えずに放置することを決めていた。

 

ヤマトがテレザート星へ向かう一方、白色彗星は本格的に地球へ向かうことを決断。テレザート星から抽出した莫大なエネルギーを持ってワープを試みる。するとあろうことか、ヤマトの針路上にワープアウトし、大胆にも白色彗星の超重力によって押し潰そうと試みた。サーベラーの操るパイプオルガン風の巨大な演奏楽器に連動し、白色彗星を取り巻くガス状の物体がフレアの如く吹き上がり、ヤマトを攻撃した。


しかしこの時、ヤマトに乗り込んでいた桂木透子とサーベラーが精神官能を通じて、互いの存在を知ってしまう。これまでに、純粋体のコピーが近距離にて同時に存在することが無かったことから、思わぬ事態へと進んでしまう。

自身を唯一の存在としていた筈のサーベラーは、桂木透子を知ったことで混乱し演奏を止めてしまう。加えて透子もズォーダーに助けを請うような官能波を発していた。それを見たズォーダーは、ある決断をすと、サーベラーの方へ歩み寄り、彼女の方に対して


「お前は、人間を裁ける最後の人間だ」


と呟き精神の混乱を納めさせる。これによって、共鳴反応は収まり再度ヤマト攻撃を実施するのだが、事態は好転しなかった。

またもやサーベラーが手を止めてしまい、透子との精神的繋がり原因でいらぬ記憶が蘇り、あろうことかズォーダーに対して、制止すら呼びかけて来たのである。

ズォーダーは強く否定し、挙句に首を絞めて無抵抗の彼女を絞殺してしまった。無論、躊躇いはあり、涙を流しながら慈愛の如き笑みを浮かべるサーベラーを殺めることを躊躇したが、結局は耐え切れずに殺めたのである。その後、ガイレーンに新たなサーベラーを生み出すように命じた。

そしてテレザート星へ到着寸前のヤマトに対し、ゴーランドへ迎撃するように命じている。


第5章

テレザート星が、ヤマトによって解放されたうえに、再び姿を消した事を知ると、「何処かにいる」と、絶えず様子を見ている事を口にした。

ゴーランドが戦死した事を受け、急遽新たなゴーランドを誕生させた。しかし、誕生した幼生体を抱き抱える元ゴーランド艦隊司令だった先代ザイゼンや、周囲の者達が微笑みを浮かべる様を見て疑問を抱く。

新たな巫女サーベラーも誕生したが、以前の様な高飛車な雰囲気は見られない、人形の様な雰囲気を醸し出していた。


その後、地球艦隊とバルゼー艦隊が、土星沖で激突する様子を玉座の間で静観していた。予想外の地球戦力が現れたもののバルゼーに対して半ば脅すように


「戦線に遅れは許されない。分かっておろうな」


と通信を送りつつ、これまでの敵とは一味違うと感じると、半ば興味深そうに眺めやった。

ところが、バルゼー艦隊は波動砲の掃射によって撃ち減らされて大損害を被り、バルゼー本人からも


「有り得ないことです!」


等と、地球側戦力が想定外であったことを報告していた。

ズォーダーも地球艦隊の異常さに感づいており、それを察したガイレーンがその調査に乗り出した。やがて、瞑想の間で、地球に時間断層が存在している事を知ると、ズォーダーは新たな決断を下した。彗星都市をそのままワープさせ、直接揉みつぶそうと動き出す。

 

シナリオ集などでは、地球を都市帝国内部に取り込むことを指示している。恐らくは、時間断層を手に入れる為の決断だと推測される。ただし、既に惑星を捕獲して資源が満ち足りている為、捕獲は無理だと進言されるが、既に取り込み済みの惑星を廃棄して、代わりに地球を取り込むと指示した。

やがて波動砲艦隊が波動砲の集中射撃を実施。ズォーダーは臆することなく、余裕の笑みを浮かべた。波動砲はガス帯を取り払うのみの終わり、反撃だと言わんばかりに


「踏みつぶせ!」


と命令。

直後に波動砲の第2射を受けるも重力傾斜で防ぎ、逆に重力傾斜で地球艦隊を引きちぎり、さらにはアンドロメダ級『アポロノーム』を破滅ミサイルで戦闘不能にした挙句に、撃沈せしめた。


第6章(ネタバレ)
























地球に対し降伏を促すも、地球側からの徹底抗戦の意を受ける。返答はゲーニッツに任せるも、選択を強いられ、ヤマトよりも息子を選んだ加藤三郎の決意に報い、遊星爆弾症候群を完全治療するデータを送らせた。

 

都市帝国内部に捕われている惑星ゼムリアに墜落したヤマトの動向を、とある人物を通して監視していたが、ゼムリアの巨大な記憶装置を遭遇した事に懸念を示し、尚且つ、秘密を暴かれることを恐れたズォーダーは、密かに蘇生体を通じて桂木透子の抹殺を企てる。しかし、そこで記憶喪失に陥った森雪を目の当たりにし、彼女が過去の記憶と4年間の記憶が入れ替わった事に唖然とし「なんと皮肉な!」と漏らした後、その場を立ち去らせた。


やがて、桂木透子がゼムリア人として、ゼムリアの記憶装置からガトランティスを滅ぼす鍵となるものを聞き出し他事に危機感を募らせた。そこでレギオネル・カノーネを用い、ゼムリアの破壊を試みるも、ヤマトに離脱されてしまった。


第7章(ネタバレ)


正体と過去(ネタバレ)

ズォーダーは、ゼムリア人と呼ばれる星の人間の手によって造られた人造人間であった。目的は、戦争の兵士としてであり、それも特殊な能力(蘇生体を操り、見たもの、聴いたものを把握できるなど)を持たされた、ガトランティスを超えるタイプ・ズォーダーと呼んでいた。

しかし、それは人と何ら変わらぬ思考力を持ちえたことから、ゼムリア人が行った最大のタブーとして、記憶装置に記録されている。ズォーダーは、家畜として自分らを扱うゼムリア人に叛意を翻そうとした。ところが、ズォーダーが愛したゼムリア人女性ことサーベラーが人質にとられてしまう。この時、若かりしズォーダーは、ゼムリア人から


「お前の軍が何処に集結するか教えれば、サーベラーを助ける」


という二者択一を迫られた。止む無く、ズォーダーはサーベラーを選び、軍の集結場所を明かした―――が、最悪な結末は回避できなかった。

ゼムリア人は、こともあろうか約束を果たしたズォーダーを兵士諸共殲滅し、挙句にサーベラーと自らの赤子(クローン)をも殺してしまったのである。この一件が、後々にズォーダーが「お前の愛を選べ」という選択を迫る原因と考えられる。

 

一命を取り留めたズォーダーは、生き残りのガトランティス人を率いてゼムリアを脱出。途方もない長旅に出る。そして、生命を撒く星の方舟と対となる存在滅びの方舟(現在の彗星都市)を探し出した。これを起動させる為には、純然たる人間の裁定が必要とされ、ズォーダーは殺されたサーベラーの亡骸を使おうとし、無理させる形で甦らせた。

ところが、如何に残酷な結末を迎えたサーベラーとて、滅びの方舟を起動させる事は危険と気づいて拒んでしまい、遂には赤い砂状に崩れ果ててしまう。それでもズォーダーは諦めず、砂状からサーベラーのコピーを造り、次いで記憶を弄ったうえで、”白銀の巫女”として生み出し、滅びの方舟を起動させた。

ゼムリアは滅びの方舟によって霧に閉ざされ、文明も滅ぼされてしまった。

 

今後、ズォーダーは滅びの方舟という強大な力を持って、”愛”に捕われた人間を抹殺すべく動き出していった。なお、この滅びの方舟を見つ、起動させるのに、少なくともアケーリアス人が関わっていたとされる。


ズォーダーは、己が”愛”に捕われた事で約束を反故にされ、あまつさえ最愛の人間を失ったことから、”愛”が人間を誤らせるものだと強く意識したものと考えられる。


余談

眉毛と髪の毛が繋がっている。あと凄く笑う(ヤマトとの戦いで画面に映ったシーンの殆どで「ガハハハハハ!!」と高笑いしている)。


関連タグ

宇宙戦艦ヤマト さらば宇宙戦艦ヤマト 宇宙戦艦ヤマト2 宇宙戦艦ヤマト2202

白色彗星帝国 ガトランティス

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