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滅びの方舟

ずぉーだーのあいのぐげんか

注意!ここから先には宇宙戦艦ヤマト2202のネタバレがあります!
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概要

 滅びの方舟とは『宇宙戦艦ヤマト2202』に登場したガトランティスの本拠地にして、古代アケーリアス文明の遺した超兵器である。

 ストーリー上の立場としては旧作都市帝国超巨大戦艦に相当する存在。


 遥かなる昔、アケーリアスは地球を含む宇宙の星々に人間の種を蒔いた。しかしそれと同時に、芽吹いた種族が悪しき進化を遂げた時にそれらを刈り取る安全装置ともいうべき兵器を作り上げた。

 それこそが滅びの方舟であり、種蒔く方舟こと恒星間播種船シャンブロウとは対を為す存在である。

 宇宙の果てで役目が来るまで長き眠りについていたが、ガトランティスによって発見され、勝手に運用されている(劇中ではガトランティス人は「間借り人」と称されている)。


 起動には人間の意思が必要となっている。要は人間が悪しき種かどうかの裁定は人間自身の自己判断に委ねられており、人間以外の存在が人間を断罪することはできない。

 ただし、裁定者は一人いれば十分なため、一個人の判断で起動させることが可能。なので、言ってしまえば破滅願望者や逆恨みで世界を憎んでいる者など、変に拗らせた人でも起動できてしまいそうな危うさはある。実際記憶操作によって人間を悪しき種と判断させられた者でも不完全とはいえ起動できてしまうなど判定は結構ガバガバである。

 『2202』の物語の終盤まではガトランティス人によって運用されていたが、本来は裁定者だけいれば他の人員は不要で、自律活動が可能。


 劇中で真田志郎が「全ての知的生命を創造した神のような文明が遺した破壊装置」と評した通り、その性能は現代文明とは隔絶したものがある。さらに、劇中では終盤まで機能していなかったが、悪しき種を滅ぼすという目的を完遂させるため常に最適な形へと変化する自己進化機能を有しているため、放置すればより一層手が付けられない存在になってしまう。


形態

白色彗星

白色彗星

 滅びの方舟の通常形態。

 白色のガスを纏い、木星規模の超巨大彗星となって前進する。任意の対象に超重力を加え、彗星内に引きずり込むことも可能。


都市帝国

都市帝国っぽい張りぼて

 白色彗星のガスが取り払われて露わになる姿。

 「プラネットキャッチャー」という爪状のパーツが檻のように球体を形作っている。その大きさは土星より巨大で、檻の中には大小様々な惑星が囚われている。


 劇中ではこの形態も滅びの方舟と称されているが、都市帝国自体は滅びの方舟を核に増設されたものである(劇中でズォーダーも「滅びの方舟を中核とする彗星都市帝国」と称している)。

 滅びの方舟本体と後付けの部位の境界線は曖昧だが、少なくとも天辺の赤い発光部位を持つ天守閣と、プラネットキャッチャー内にある発光部は方舟本体である。


 制御するのは「白銀の巫女」と称されるシファル・サーベラーパイプオルガンのような楽器を用いて都市帝国全体をコントロールしている。


 内部の施設としては、ズォーダー大帝が座し、サーベラーが都市帝国を操作する「大帝玉座の間」、ズォーダーやガイレーンが各地に忍ばせた蘇生体などから情報を収集する「瞑想の間」、ガイゼンガン兵器群を数百万隻規模で大量生産する「育みの間」などがある。育みの間ではガトランティス人の幼生体やサーベラーのクローンの生成も行われている。

 また、大帝玉座の間には、かつてゼムリア人が安全装置として用意したガトランティス人を死滅させる装置「ゴレム」が設置されている。


 実はまだ完全な起動には至っておらず、各部設備の稼働は不十分で、ガイゼンガン兵器群も運用できるようになったのはテレザート星からエネルギーを強奪した後である。それでもなお強大な力を有しているあたり、アケーリアス文明の科学力・技術力の高さを示していると言える。


 因みに最初に姿を現したのは第18話で、以降もちょくちょく画面内に登場してはいるが、実際には初登場した回の内に彗星を復活させており、第18話終盤~第24話冒頭までは白色彗星を纏っているため、厳密な意味で都市帝国の形態(白色彗星が剥がれた状態)を取っているのは第18話と第24話だけである(しかも第24話は半壊している)。


滅びの方舟

 第24、25話でのヤマトとの最終決戦の最中、自らを「人間」であると認識したズォーダーがサーベラーの代わりに裁定者となることによって真の目覚めを果たし、悪しき種を刈り取るという目的を完遂するために備えた自己進化機能によって都市帝国を始めとする周辺の残骸を吸収・再構築した姿。


 土星より巨大だった都市帝国にすら勝るとも劣らぬ巨体と、翼を広げた巨大な鳥もしくは悪魔のような常軌を逸した威容を誇る。

 制御するのはズォーダー大帝。


 都市帝国から変化する最中にクラウス・キーマン斉藤始の特攻によってコアを損傷したが、この状態でもなお下部のビーム砲一発だけで月を貫通・半壊しており、本来ならばこれ一隻で地球どころか全宇宙の知的生命体を住んでいる星ごと根絶やしにできる程の破壊力を持つ。


活躍

劇中以前

 約1000年前、惑星ゼムリアにてズォーダー率いる人造兵士ガトランティスは創造主たるゼムリア人に対して反乱を起こす。その争いの中でゼムリア側はズォーダーの妻子を捕縛し人質とする。この人質作戦において、妻子を助けたいという自らの感情を優先したことで同胞の大半を失い、さらに愛する妻子も結局は失ってしまったことで、感情(愛)とそれを有する人間という存在を憎むようになったズォーダーは、生き残りの同胞を引き連れて滅びの方舟を探す旅に出る。


 100年近くに亘る航海の末、宇宙の果てで眠りにつく滅びの方舟を発見したズォーダーは、人間を宇宙を滅ぼす悪しき種として滅ぼそうとするが、人造種族であるガトランティス人では方舟の起動は叶わなかった。

 そこでズォーダーは愛妻であるゼムリア人のサーベラーを一時的に蘇生させ、方舟を起動させようとするが、彼女はズォーダーの心の奥底に眠る想いを察し、起動を拒んだまま蘇生限界を迎え再び死亡する。だが、なおも諦めきれないズォーダーはサーベラーのクローンを作り、余計な記憶を封印されて「ズォーダーを愛する妻」から「ズォーダーに従う部下」に変わったサーベラーによって方舟は起動した。しかし、ズォーダーの操り人形ともいえる状態では方舟の真の起動は出来ていなかったようで、特にテレザート星からテレサの力を得るまでは慢性的なエネルギー不足になっていたらしく、強奪したガミラスの8番浮遊大陸基地から賄っている。8番浮遊大陸が破壊されて一時的にエネルギー不足に陥った際にはメダルーサ級殲滅型重戦艦を改造したヘルベスティアを作り出している。

 テレサの力を得てエネルギー不足を解消した後は、一通りの機能を使えるようになり、ガイゼンガン兵器群による数百万の艦隊を建造している。


テレザート星の占領、そして地球へ

 物語冒頭、長年探してきたテレザート星を発見し、占領。テレサの操るエネルギーを強奪する。


 テレサが地球へ向けてコスモウェーブを放ったことを知ると、地球へ向けて侵攻を始めた。

 当初は地球そのものにそこまで関心はなく、テレサの思惑を潰すという目的だった(なので星を壊滅させるレギオネル・カノーネを使用しようとしたり、テレサが呼んだヤマトのこともある程度弄んだ後は白色彗星で引き潰そうとしたりした)。


 テレザート星がヤマトに解放されて再び姿を隠した後も、テレサが引き続き自分達を見ているとして地球へ本格侵攻を開始したが、それでも最初はバルゼーの第七機動艦隊のみを派遣していた。

 しかし、地球の時間断層の存在が明らかになると、目的を時間断層の入手に変更。地球ごと手に入れるため、白色彗星自ら土星域へワープする。そして地球艦隊の波動砲一斉射を食らった結果、都市帝国が姿を現す。この状態で地球艦隊から再度の波動砲を受けるも完全にガードし、直後に彗星を復活させ、超重力で地球艦隊を壊滅へと追いやる。


 その後は地球・ガミラスの連合艦隊が白色彗星の進撃を妨害するも、火星、その後地球へワープを成功させ、地球を捕えようと接近していく。

 しかし、地球を背に出現したヤマトの波動砲を超える力「トランジット波動砲」によって白色彗星は崩壊し、都市帝国も半壊。ガミラス艦隊に地球の防衛を任せたヤマトは単艦で都市帝国内部へと侵入し、白兵戦を仕掛けた。目的はゴレムの破壊によるガトランティス人の殲滅だった。


真の目覚め

 大帝玉座の間へと辿り着いたヤマトクルー。しかし、そこでの戦闘中、ガイレーンの死によってズォーダーは長年認めようとしなかったある事実を認めざるを得なくなった。それは、人造生命であるガトランティスもまた人間と同様に「愛」を知る存在であること。それを認めてしまったズォーダーは半ば衝動的にゴレムを起動し、ガトランティスという存在の抹殺を図った。

 しかし、人間と同じように思考できる上位個体にして、千年に亘る生を歩んできたズォーダーは既に「人間」と化しており、ゴレムの対象外となっていた。そのことを確認したズォーダーは、サーベラーに変わって自身を方舟を起動する裁定者とし、900年前の己にはできなかった滅びの方舟の完全起動に成功する。


 ズォーダーと一体化し、撃沈したガトランティスの戦艦、そして破壊された都市帝国の残骸すらも吸収し、目覚めようとする滅びの方舟。愛のために特攻をかけた二人の犠牲と引き換えに滅びの方舟を機能停止させ、安堵した地球ガミラス連合軍。しかし、彼らの犠牲も空しく不完全ながらも滅びの方舟は再起動を果たしてしまう。ヤマトクルー、そして地球とガミラスの目の前に上述の悪夢のような姿を現し、古代進たちを再び絶望のどん底に叩き込んだ。


 しかし、この特攻によるコアの損傷で地球を破壊するのは不可能と判断したのか、地球への攻撃を中断しコアを復元するため都市帝国の時に踏み潰した土星の残骸を吸収しに向かう。

 古代ももはや為す術なしと判断し、ヤマトクルーに退艦命令を出す。しかし古代は一人残り、都市帝国との攻防で満身創痍のヤマトを滅びの方舟にぶつけ、人類移住計画の時間稼ぎをしようとした。その時、偶然か必然かヤマトの破損した波動エンジンがテレサを呼び出し、そのまま突撃したことで滅びの方舟は撃破され、ズォーダーの千年の復讐に終止符が打たれた。


その他

旧作との違い

 旧作における都市帝国は登場時の演出もあって当時かなりのインパクトを残した存在であり、その印象深さからデザイン的にも割と人気が高い。そのため旧作とは似ても似つかない本作のデザインは、正統派のリファインを期待していた層を悲しませた。その形状からかぼちゃとか頭皮マッサージ器とか揶揄されることも。

 最終形態も同様で、こちらも名前としては出てこないものの立ち位置がほぼそのままな超巨大戦艦に相当すると言われる(公式の書籍でも「超巨大」という表現が滅びの方舟に使われていることからも意識しているのは明白だろう)。そしてやはり旧作よりのデザインにしてほしかったという声が散見する。

 しかし、一方で元々古代兵器なのだからそれが原作のような形なのはむしろ変という声や、むしろ違うからこそかつての驚きをまた新しく感じられるといった声も挙がっている。


 また、活躍の印象という点においては、地球最後の戦力であるヤマトが満身創痍で辛勝した後に次の形態が登場という絶望を与えた超巨大戦艦に比べると、本作は滅びの方舟覚醒時点でも地球側にそこそこ戦力が残っているため、(設定的には旧作と同じくらい万策尽きてはいるのだが)あちらほどの絶望感が無いという感想も見られる。


 因みに都市帝国のデザインは、原案段階ではプラネットキャッチャーの爪の角度がやや異なっており、完成版よりも都市帝国のお椀型に近いシルエットになっていた。


 最終形態についても原案段階では全く違う形をしており、爪が折れた都市帝国がほぼそのまま横倒しとなり、天守閣が艦首、重力源のコアが艦尾、左右には超巨大戦艦の翼部に近い形状のものが生え、下部にはカラクルム級で構成された超巨大な砲身が備わっている。

 やはり旧作とは大きく異なるが、それでも本編のものよりはまだ超巨大戦艦のイメージを踏襲したものとなっていた。

 なお、カラクルム級で構成される砲という部分で察する人もいるだろうが、第7話のレギオネル・カノーネはこれの伏線である(しかし本編での滅びの方舟は全然違う形になったので伏線の意味はあまり無くなった)。


都市帝国の初登場タイミング

 初期の構成案では、第18話では白色彗星のガスは破れず、そのまま地球艦隊は彗星の超重力で本編同様に大打撃を受ける格好となっていた。

 では初期構成での都市帝国の初登場タイミングはいつかというと、第20話のラストである。


 第18話のリベンジとばかりに、より多数の艦艇を揃えて波動砲を発射した結果、彗星のガスを取り払うことには成功するも、内部から都市帝国が現れたところでその回は引き。

 続く第21話では正体を現した都市帝国の反撃によって地球艦隊は壊滅的な被害を受け、アンドロメダも大破する(因みにアンドロメダ改にはなっておらず、第20話の時点で戦線復帰している)が、ガスが無くなり都市帝国内を観測できるようになったことでヤマトを発見し、救出のためアンドロメダが突撃するという流れとなっていた(その後は本編と大体同じ)。


 本編ではアンドロメダ改やアンドロメダブラックが平然と白色彗星内に侵入しているが、これは元々の話では白色彗星ではない状態の際に侵入する展開だったからである。

 また、第19、20話で永倉志織クラウス・キーマンが、ヤマトが彗星内に落下して不時着した惑星の正体や所在を掴みかねている旨の発言をしているが、これも本来この時点では都市帝国の姿が明かされていなかった名残である(本編通りなら都市帝国内に捕われた惑星の一つかもしれないという推測くらいは流石に立てられるはずで、間違っても永倉の「もしかしたら何万光年も離れた星に飛ばされて…」なんて発言や、キーマンの「この星の正確な位置の情報が欲しい」なんて発言は出ないはずである。一応、都市帝国の姿を見た明確な描写があるのは第一艦橋組だけのため、この2人は都市帝国の姿を知らなかったという可能性も無くは無いが、それはそれでロクな情報共有も無いまま探索に出させているということになる)。


関連タグ

ガトランティス 宇宙戦艦ヤマト2202 白色彗星帝国 ズォーダー

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