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アベルト・デスラー

あべるとですらー

『宇宙戦艦ヤマト』に登場するデスラーのリメイクキャラクター。『宇宙戦艦ヤマト2199』でも帝国の指導者として、大ガミラス帝星永世総統という地位にある。オリジナルと違い、フルネームや年齢が設定される。思想等も、オリジナルとは大きく異なる。『2202』にも登場する。
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「私が、この宇宙を救済しよう。あの時、約束した通り・・・・・・君の為に」

声優:山寺宏一


概要(宇宙戦艦ヤマト2199

 宇宙戦艦ヤマトに登場したデスラーのリメイクキャラクターで、宇宙戦艦ヤマト2199においてはアベルト・デスラーというフルネームが設定された。年齢は地球の年齢に換算して32歳ほどとなっており、キャラクターデザインも現在で言うイケメンに該当するレベルへと変更されている。また原作と比べて、人間味が出ているのも特徴である。

初描きデスラーww

 これについて、デザインを担当した結城信輝氏は、パンフレットに掲載されたインタビューにおいて、

「旧作のデスラーが何歳なのかわかりませんが、古代のライバルキャラとするには、やや年齢が上じゃないかということが、当時から個人的に引っかかっていたんです。もうひとつ、今回はデスラーにローマ帝国皇帝のイメージをダブらせたのも、若くしようと思った理由でした。デスラーはあのガミラス帝国を一代で築き上げたのか、それとも代々世襲されてきた総統の地位を何らかの形で手に入れたのかはわかりませんが、いずれにせよ知略謀略なしには為し得なかったわけですから、そうした非情な辣腕家、若きネロコモドゥスの様なカリスマであることを感じさせたかったんです。」

と語っている。


性格

 旧作と比べると部下に対して寛容で意外と情もあり(その特殊能力故に囚人惑星に不当収監されていた幼い頃のミーゼラ・セレステラミレーネル・リンケを保護・引き取った点が顕著)、加えて全宇宙の平和を実現するために、敢えて侵略という手段を選ぶなど理想の上司的な面が強化された。

 一方で、かなり冷めた人物としても描かれており、「この星にしがみついて、何になる」と言うなど、ガミラス星への愛着もほぼ皆無。しかしながらこれは、ガミラス星の惑星としての寿命が近づいている事実を知ってしまったことで、ガミラス星の滅亡による多惑星への移住を彼が考えているためである。

 そして、そのガミラス星の寿命に関することは、アベルトによる大ガミラス帝星の成立前のガミラス公国時代から指導層であるデスラー一族を始めとする一部の人間しかその事実は知らされておらず、その秘密会議の場に居合わせてしまったことで、秘密保持のために叔父のエーリクに殺されそうになるが、兄であるマティウスの執り成しでその秘密を守るメンバーの一人となってその場を生き残り、その後のガミラス統一をデスラー一族と共に成していく。


 実際、ガミラス統一後はどうも施政に倦んでいる様であり、その事もあって自身の誕生祭の催しの中で思いがけぬ敵手として目の前に現れたヤマトに強く興味を抱いていた。また、劇中では一度自身の暗殺未遂事件が起こっているが、これに関しても退屈しのぎ程度にしか考えていなかったようである。

 また、旧作(厳密には『新たなる旅立ち』から)同様スターシャを愛しており、他惑星への侵略という手段も愛する彼女の思想『世界の救済』を実現するために、最大限尊守して導き出した答えである。セレステラに対しては、彼女を誤射した際の動揺ぶりから、彼女とミレーネルに対して保護者的な情愛を抱いていたのは確かであると思われる。

 一方で、宴の席で乾杯の音頭に入る前に酒に酔って醜態をさらした官僚の1人(この人にはドーテム・ゲルヒンという身も蓋もない名前が設定されている)を、「ガミラスに下品な男は不要だ」と言って容赦なく粛清するなど、原作と同様の非情な面を垣間見せることもある。


手腕

 デスラーの軍事的・政治的手腕に関して、オリジナルの様に艦隊を率いる場面が無いゆえに推測することは非常に難しいものの、軍事と政治の両方において、並以上の手腕を有していると考えられる。

 まず内乱時代にあったガミラス星そのものを統一したのは、紛れもないアベルト・デスラーその人である。年齢からしてまだ20代ほどを推測されるが、某金髪皇帝並のスピードでガミラス星を統一した。しかもその勢いで、大マゼランと小マゼランの統一をも、アベルト一代で成し得てしまったのである。

 また人材の登用も巧みであったとも言える。小説版でも明らかにされたが、ガミラス統一の為に、ガル・ディッツヘルム・ゼーリックを自分の陣営に引き入れて戦いを優位に進めていった模様。その後も、タラン兄弟やギムレー、或は異種民族であるセレステラも登用して、デスラー政権の強化に繋げていった。


スターシャとの関係

 2199版では、オリジナルシリーズにおけるスターシャへの愛を考慮してか、予めに彼女に対して愛情を持っているよう描かれている。しかし、その愛情はスターシャには届いてはいなかったようで、虚しくも片思いと捉えられる雰囲気であった。

 それでも交友関係はあり、デスラー自身がイスカンダルに赴いていた頃にもあった模様(言及は出来ないが、それらしい場面が回想シーンにある)。その際にイスカンダルとガミラスの大統合を宣言しており、スターシャは思想の違いから否定的であった。

 とはいえ愛している女性の想いを代弁するが如く、デスラーは自らが武力をもって銀河を統一し平和をもたらさんと誓った。それが一種の愛情表現ともいえ、その辺りは彼の不器用さとも言えるだろう。しかし残念ながら、スターシャが振り向いてくれるという結果には繋がることは無かった。

 だが、愛する1人の女性の為にマゼラン銀河を統一してしまったという結果そのものについては、彼の手腕の高さを示しているだろう。


経歴

マゼラン統一まで

 現在のガミラス帝国の前身であるガミラス公国時代に、公国統一を成し得たエーリク・ヴァム・デスラー大公が死亡したことにより内乱に突入。その長く続いたガミラス星の内乱時代を再び制したのが、デスラー一族の家系に生まれたアベルト・デスラーである。

 彼は英雄として、ガミラス臣民達からは絶大な支持を寄せられた。彼はガミラスの統一後に、「イスカンダル主義」を唱えると軍事力を背景にして幾多もの国家を征服していった。これにより、イスカンダル主義を銀河全体に広め、スターシャの思想による平和を、代わりに実現せんとしていたのである。軍事的圧力もありながらも大マゼランと小マゼランを見事に制覇し、その後も天の川銀河へと矛先を向ける事となった。


暗殺未遂まで

 冥王星基地がヤマトに壊滅させられて以降、デスラーは次第にヤマトへ興味を示しだす。決定的にマークしたのは、グリーゼ581における作戦失敗の時である。この時初めて、デスラーはヤマトと言う名前を覚えると同時に、そのヤマトが向かう先にも興味を持った。それが実は、イスカンダルへ向かっている事を突き止める。

 するとデスラーは、対ヤマト迎撃の為にドメルを召還する。表向きは小マゼラン防衛司令官としての功績を讃える叙勲式ではあったが、銀河方面作戦司令長官に任じるとともに、邪魔になるであろうヤマトの討伐を任せる為でもあった。

 しかし、こののちに問題が発生した。貴族社会の復権を望むゼーリックの暗殺計画が、セレステラの情報網を通じて発覚したのである。しかしデスラーは、敢えてそれを黙認して泳がせることにした。デスラーはわざとバラン星視察をリークさせたうえで影武者を乗せた。これに見事に引っかかったゼーリックは、暗殺とクーデター計画を決行。

 デスラーは次元潜航艦で悠々とそれを眺め、バラン星観艦式に見せかけた大規模なクーデターを発動させる直前に、彼自身が通信回線を全開にしてゼーリックの計画を暴露。ゼーリックを弁解の余地なしの境遇に追い込んでいった。この一連の行動に対して、デスラーは退屈しのぎ程度にしか捉えていなかった模様だが、それでいて、ゼーリックを窮地に追い込むなど策士的な一面も見せた。


大統合宣言まで

 バラン星のゲートが、ヤマトによって破壊されてしまい、主力艦隊が置き去り状態になってしまった中で、デスラーはドメルを登用し迎撃に向かわせた。その際にユリーシャ・イスカンダルの救出も要請しており、これが無ければヤマトは撃沈していたと言えるだろう。

 しかし救出は出来てもドメル以下艦隊は全滅と言う結果に終わってしまったが、デスラーはドメルの盛大な国葬を執り行った。そして同時に、実は救出したのが偽者だと知りつつも、ユリーシャこと森雪を、そのままイスカンダル第三皇女として扱い公式の場に出す。

 すると大々的に、イスカンダルとガミラスの大統合が承認されたと嘘の発表を行ったのである。彼にしてみれば、本物であろうと偽者であろうと、臣民の眼にユリーシャとして映れば十分だった。こういった発想の転換を直ぐにできるのも、デスラーの特徴である。


本土決戦まで

 イスカンダルとガミラスの大統合を前にして、デスラーはヤマトを利用した遷都作戦も実施しようと試みる。彼自身は総統府の中に設置されていた、デウスーラⅡ世のコアシップに乗り込み、そこで指揮を執っていた。

 序盤戦では、デスラー砲による一撃で抹殺しようと試みたものの、僅かに射線軸がズレてしまい、第5惑星エピドラを粉砕するに終わってしまう。本星へ急接近するヤマトに対して、今度は航宙親衛隊が迎撃に出るものの、あくまで形だけの演出であって本気ではなかった。

 またスターシャからは、通信越しでデスラー砲の開発と使用に強く抗議の意を示されたものの、彼もまた地球のヤマトが同等の兵器を装備している事を告げる。すべてはスターシャの為にしている事であると認めてほしかったが、思いは伝わることは無かった。

 ヤマトが航宙親衛隊の迎撃を突破して総統府に突っ込んできたと同時に、コアシップで脱出。そのまま衛星軌道上にあった機動都市第2バレラスの、デウスーラⅡ世本体とドッキングした。その際に機動都市のコントロールを奪い、一部区画を落下させて帝都とヤマトを纏めて消滅させようと図った。同時に第2バレラスが新たなる都市となることを宣言する。

 しかし、区画の落下が波動砲によって防がれてしまうと、今度はデスラー砲による射撃で仕留めようとする。これに反発するヴェルテ・タランだったが、デスラーは受け入れなかった。それでも彼自身は、臣民に多大な犠牲者が出ることは理解しており、さらにそうした手段を使うことへの罪悪感もあった。それ故に自分の手で実行してその罪を一生背負い続ける覚悟もしてはいた。また、小説版では、その経緯が詳しく掲載されている。

 だが結局のところ、そのデスラー砲発射においても邪魔が入り失敗。オシェット伍長が、第二バレラスの波動コアを暴走させた為である。第二バラレスの波動コア暴走と大爆発に巻き込まれて、一時は消息不明となった。(後にヤマトの地球への帰路を描いた劇場作星巡る方舟にて、ガミラス暫定政権がデスラーを戦死と公表したことが明示されている。)


待ち伏せまで

 ガミラスでは公的には死亡扱いとなったが、実際は爆発直前にワープして離脱し、デウスーラⅡ世共々健在であった。画面上は分かりにくいが、バレラス崩壊時に青い一筋の線が確認でき、これがワープしたデウスーラⅡ世であると推測できる。

 その後、ゲール艦隊と合流を果たし、そのままヤマトを鹵獲するために亜空間内で最後の戦いに挑む。バラン星で待ち伏せしたゲールがヤマトをゲートに追い込み、その後の亜空間戦にてデスラー自身が奇襲を仕掛けて制圧に乗り出した。アンドロイド兵が上手いこと制圧していき、デスラーも自ら乗り込むこととなった。

 艦内に乗り込んだ先で森雪と再会する。彼女を捕えたデスラーはヤマトの艦長(沖田十三)の元へ案内することを要求。しかし、総統が存命だと知り、狂喜して駆け付けたセレステラがデスラーへの呼びかけを感応波として浴びせてしまい、驚いたデスラーは反射的に発砲してしまう。撃たれたセレステラは勿論、デスラーも驚愕しており、まさか彼女がここにいるとは思いもよらなかった。故意に撃ったわけではなく、撃った時の動揺がその証拠であろう。

 そこで始めて雪に、デスラーの口から「スターシャの為に戦い続け、銀河の平和を成し遂げようとしてきた」と告白される。その後、セレステラがデスラーの暴走を止めようと腕に発砲、そのまま心中しようとしたものの、側近たちによって射殺された。

 同時期にアナライザーと新見のサイバー攻撃でガミロイドが全滅したため、ヤマトを拿捕する作戦は失敗に終わったことを悟ったデスラーはヤマトから離脱。デスラー砲でヤマトを吹き飛ばそうとするものの、三式弾の実弾兵器によってデウスーラⅡ世は予想外の反撃を受けてしまった。

 満身創痍になったデウスーラⅡ世では、艦橋にいた部下達は倒れ伏し、デスラー自身も重傷を負ってしまう。燃え盛る艦橋の中で、デスラーは意識を朦朧とさせながらも、スターシャとの約束に思いを馳せながらデスラー砲を発射しようと引き金を引いた。

 しかし、波動エネルギーの暴走に耐え切れずデウスーラII世は爆沈。母艦共々亜空間に散ってしまう(ただし、このシーンをよく見ると、艦橋部がロケットらしきものを噴射して離脱している様子を確認できるため、旧作同様、死亡していないのではないかという見方もある)。


オリジナルとリメイクの印象の差

リメイク版

 2199版のデスラーにおいて、視聴者(特に旧作ファン)の間からは『美貌なだけの小物』等と言う感想を持つ者も少なくない。その理由の一つとして、冷めた性格や政治を丸投げしているの原因と考えられる。その極め付けとして633工区の落下という暴挙も含まれている。

 アニメにおいては、この行為はイスカンダルとガミラスの大統合のための通過儀礼である、と当人は明かしているが、やはり尺の都合上からか、さらに詳しい事は述べられていない。しかし、小説版における宇宙戦艦ヤマト2199(下巻)では、この行為に対して補足されている。

 デスラーが言うには、自己保身にひた走る官僚や、再び権力を得ようとする旧貴族に呆れていたらしく、さらに帝国臣民が勝利を続けるガミラスは無敵であると信じ、逆に敗北に対する恐れや恐怖と言った危機感を知らないでいること事体に、危機感を感じていた(勝利には対価を必要とするのに、彼ら臣民はそれを支払おうともしないことにも不満があった模様)。

 怖いもの知らずな臣民を目覚めさせるためにはどうするべきか。それを解決する方法が、自国民のいる都市を攻撃に晒すことであった。自国に対する攻撃は、臣民に対して危機感をもたらす重要な薬となる、と彼は考え、実行のための機会を窺っていたのである。

 そして、そこにヤマトという絶好の存在が現れた。デスラーはヤマトが自分の所(総統府)に来るであろうことを考慮しつつ、予め考えていた自国民の通過儀礼をこなそうとしたと考えられる。実際、アニメ版では、デスラーが総統府を脱出した後に『予定通りだ』と発言する辺り、ヤマトの襲撃を考慮していた可能性が高い。


オリジナル版

 では、オリジナル版のデスラーは完璧な指導者と足り得るのだろうか、と問われると疑問点の多きところである。上記に記された通り、オリジナルファンの多くの言う『武人で紳士なデスラー』とは、あくまでも第2作目以降からのデスラーであって、本当に比較すべきデスラーは第1作目におけるデスラーと言えよう。

 リメイク版とは違い、オリジナル版ではガミラス帝国は、(当初はストーリーにあったが)クーデターやらが起きる程に危機的状況にあった訳ではない。よって本国には十分な戦力が残されていても不思議ではなかった。にもかかわらず、デスラーはガミラス本星そのものを戦場に設定しており、さらには天井都市そのものをミサイルとして転用するなど、かなり強硬な手段に出ている。さしものヒス副総統でさえ、あまりの無茶な命令に驚愕していた

 また本国の命運をかけた一大決戦であるにもかかわらず、その決戦は彼にとって一番楽しい時間でしかなかったようである。その楽しい時間で、彼は大切な母なる星であった筈の本土を戦火に晒し、果ては星の死期を大幅に縮めてしまったのである。早い話が、デスラーはヤマトを甘く見ていたが為に招いた結果でもある。


 この様に、民族の為に戦い続けたはずのデスラーが、余力のあったであろう艦隊戦力を投入することもなく、ヤマトをわざと引きずり込み、自らの手で本国を危険に晒したうえに、結果として死に追いやったという矛盾が生じている。余裕のあった艦隊戦力と言われているが、これについては実際の所艦隊戦力がガミラス本星に存在しえない可能性もあるため確実にあるとえいないことに注意する必要がある。


ドメルは宇宙戦艦ヤマトを撃沈するために3段空母3隻、戦闘空母1隻からなる部隊を編成しているがこれらの空母部隊は各戦線から引き抜かれたとされている。空母部隊の艦長兼飛行隊長は着任のあいさつとして、ルビー戦線、サファイア戦線、ダイヤ戦線、オメガ戦線からきたといっており、このことから2199と異なりガミラスはマゼラン星雲内もしくはその近傍で、ガミラスと明確に交戦している勢力がいることになる。

※こちらの動画で確認できる。


ガミラス星は寿命が間近であり、そのために移住先の惑星を求めて武力侵攻を開始し、多正面作戦を展開していたとなれば、ガミラス艦隊は各地の戦線の維持に手一杯で、戦況に応じて自由に動かせる予備戦力は払底していた可能性もある。ドメルが七色星団の戦いにおいて、バラン星失陥以前から率いていた艦隊を1隻たりとも率いていなかったのは「各戦線から空母を引き抜いた分の戦力低下を補うために、代わって送り出された」可能性もあり得るのである。


勿論デスラー個人のガミラスが地球に敗北するわけにはいかないという個人的プライドも影響していたかもしれないが、艦隊戦力が必ず余裕があったとは言えない。寧ろ親衛隊がいたぶん2199のほうが余裕があったと言えるかもしれない。


 方や2199版は、やり方が過激であることは免れ得ないとしても、始めから本国や国民に対する執着がない分、自分の手で命を奪うと言う行為は矛盾を生じにくくさせている(アニメ版での説明が足りなかったが、それを小説版が大きく補完した)。


概要(宇宙戦艦ヤマト2202

 続編『宇宙戦艦ヤマト2202』に引き続き登場するが、実際に登場したのは第3章『純愛編』の締めくくりであった。どのような経緯で、彼がガトランティスに救われたのかは現時点で不明である。

 ズォーダーの計らいで、彼専用の巨大戦艦ノイ・デウスーラと、その下にラスコー級突撃型巡洋艦4隻を与えられ、ヤマトへの攻撃を担うこととなった。

その際、ズォーダーからは

「我々に見せてほしいものがある。我等には無い言葉・・・・・・執念というものを」

と言われている。

 ただし、ガトランティスの最高幕僚位の大半は、デスラーを疎ましく思っており、「なぜ、あんな男に艦隊を?」とゲーニッツでさえ不快な反応を見せていた。またサーベラーにしても、敗北した経歴を持つのデスラーを見下していたが、ズォーダーは「一国の王には敬意を払え」と窘められている。

 しかし、デスラーにとってヤマトを攻撃目標として与えられたことにどんな意味を持つのか、彼自身は無論、ズォーダーも最初から気付いている節がある。そして、デスラーが己の意思でどう動こうとしているのか‥‥‥。


家族

 2199では、彼の身内に関するキャラクターは登場していない。ただし、パンフレット上において、叔父エーリク・ヴァム・デスラーなる人物を紹介されているだけであったが、2202において、デスラー一族の身内が明かされている。

 アベルト自身は、デスラー一族の次男となっており、その上に兄のマティウス・デスラーがいた。マティウスはガミラス統一戦争の英雄として尊敬されていたが、そういった才幹が、弟であるアベルトと比較されてしまい、重圧として重く圧し掛かっていた模様。

父は幼いころに既に亡くなっている。母はアデルシア・デスラー。アベルトは、母親からはあまり愛情を注がれていなかった様で、大半は父の面影を残していた兄のマティウスの方に向けられていた。

 マティウスは既婚者で、その妻と甥にあたるランハルト・デスラーがいる。

 兄が若くして亡くなった際、周囲からは「デスラー家は呪われている」等と陰口を叩かれており、さらに母親の情は亡くなった兄に向き続いていた。加えて、マティウスの死後に総統となった後にマティウスの元妻に暗殺されかけると言った事態にも見舞われた。全ては兄であるマティウスと言う巨大な存在に対する他からの自身への重圧。ガミラスの将来を守らねばならぬ立場という重責がアベルトの精神に歪みを掛けた要因ともとれる。


経歴

第3章

 対ヤマトの戦力として、ズォーダーの指示でデスラーが目覚める。幕僚陣からは余所者の様な目線を向けられていた。それでもズォーダーから艦隊を授けられ、ヤマト攻撃の戦法として任された際には「感謝の極み」と簡素に謝意を示した。またその理由の一つとして、「執念」を見たがっていた事にある。


第4章

 ヤマト追撃の折、まずは独断行動中の第8機動艦隊ことメーザー提督らを処刑するよう命じられる。デスラーは、与えられた新鋭艦ノイ・デウスーラと4隻のラスコー級を率いて、無我夢中で進軍中の第8機動艦隊の前方へワープアウトする。

その最中において、監視役として付き添うミルが艦橋に同席していた。そのミルからは、執念を始めとした感情は、ガトランティスにとって劇薬に等しい存在であるとして、第8機動艦隊が良き例であると呟いた。そんな感情というものは無用の長物であり

「正直、ヒューマノイドに関わるのは、ゾッとしませんね」

と発言している。

 それに対して、スターシャへの特別な感情を寄せていた事のあるデスラーは

「時に取り返しがつかなくなるからね。感情に、愛に狂わされるという事は・・・・・・」

と己の体験を踏まえてミルに返しつつ、発射準備の整ったデスラー砲で第8機動艦隊を葬り去った。

 最初の命令を完遂したあと、デスラーはヤマト攻撃に移る。瞬間物質移送機により巨大ミサイルを送り込んで奇襲攻撃を図る。ヤマトの索敵圏外からの正確な転送座標を知り得たのは、スパイとして潜入した桂木透子の存在があってこそだった。

彼女の精神と、ミルの精神がリンクされたことで、捕捉圏外からの攻撃を可能にしていた。

それでも奇襲から逃れようと動き出したヤマトを見て、デスラーも思わず

「どうやら、あの艦は何一つ、変わっていないようだ」

と、懐かしげにつぶやいている。

 そして、ヤマトを策に陥れる為に、罠を仕掛けた。瞬間物質移送機の転送座標を修正したうえでの包囲攻撃を実施し、その間隙を狙ってヤマトがワープによる脱出を見込んでいた。それはものの見事に成功し、超新星の残骸が濃密に充満する異空間へと誘った。自身らもワープし、困惑しているヤマトへ攻撃を続行。ただし、ノイ・デウスーラは兎も角、ラスコー級ではエネルギー変換が安定せずに暴発、轟沈するが気にも留めなかった。

 なお、この異空間において、デスラーはミルの精神感応による高次元通信が制限されることを知っており、傍に控えるミルにもわざとらしく呟いていた。ミルもまた、デスラーが精神感応の特殊性などを知っていた事に驚きを禁じ得なかった。そして、外部空間との精神リンクが不可能であることもデスラーは見透かしていた。

「無駄だよ。ここでは、君の精神波は大帝に届かない」

と、必死に大帝に伝えようとするミルの焦りを見透かして言っていた。やがてヤマトが異空間コアの円筒形天体に潜り込んだのを見計らい、もはや精神感応のリンクも使えないと知るやラスコー級2隻に追尾させる。

 そこでデスラーは、意味ありげな事を口に漏らし始める。ガトランティスの技術と思想には目を引くものがあったらしいが

「いったい臣下の誰が、大帝の御心を理解しているのだろうね。君らには汚染対象でも、大帝にとっては芳しく毒臭、お気に入りの玩具なのでは?」

等とあたかも指導者だった者同士にしか分からない、とでも言いたげなものだった。

さらにヤマトの殲滅を望んではいないのではないか、と漏らした途端、ミルが銃をホルスターから取り出そうとした。

 それを予期していたかのように、デスラーは身を翻して銃身を真っ先に掴んで、あっという間に見るの顎下に押し付けた。

「大帝は始めから気付いている。私にとってヤマトなど何の意味も持たないことを」

と、自身の立場を明かしつつ身動きの取れないミルから銃を取り上げた。

 その後、デスラー砲で片を付けようとすると、ミルもこの異空間に誘ったのは大帝から目をくらます意味合いがあったと悟ったがすでに遅く、ミルの制止を無視し

「私は屈辱を忘れん男だ」

とデスラー砲を発射。砲撃は円筒形天体と味方艦を破壊したが、ヤマトは脱出してしまう。それを見て強運な船だと苦笑していた。

 異空間が解けた後、ガデル・タラン率いるガミラス艦隊が合流。ミルが事態の把握をする前に眉間に銃を押し当て、大帝に何れ知れるのは承知であることを公言し、そのままミルを拘束した。その拘束中、ミルが外部との連絡を取れないように特殊な結晶石で独房を覆っていた。

 その後、テレザート星へ赴き、テレサに謁見していた古代、真田らに対面することとなる。

「ヤマトの諸君、久し振りだね」



概要(|2205)

第1話より登場。ガトランティスとの戦いで

ガトランティスとの戦いの新天地ガルマン星の解放のためボラー連邦と交戦。ボラーを退けガルマン・ガミラス帝国を解放することに成功。船も新造艦としてデウスーラⅢ世に乗っている。(今までのデウスーラの青ではなく赤になっているが本人は満更でもない)

その後本星に残ってる移民船団の警護に就くためディッツ提督以下1部の軍をガルマン近辺の近海に残しフォムト隊次元潜航隊を引きつれ待機中の移民船団の迎えのためガミラス本星に向かうもデスラーの目に写ったのは正体不明の敵の襲撃を受けており、総統府で移民船に乗り込む住民達に指示を出してるヒス副総統に待機中の移民船団の移動を急がせるも惑星の崩壊が近づき他の船が撤退する中自らは助けに行こうとするもタランに制止されガミラス星から撤退。ガミラス星が崩壊する瞬間を見て悲しみにくれ体制を立て直すためにイスカンダルに不時着しようとするもガミラスと双子星であるイスカンダルはガミラスが崩壊したことによりイスカンダルが軌道を逸らしてしまったためイスカンダルに取り込まれた移民船団の確保のためデスラー艦隊総出で追跡に向かうもイスカンダル近くでガミラス星に槍を突き立てたデザリアムと交戦。先行してイスカンダルを追ってたバーガー艦隊の背後に迫ったデザリアムの船をデスラー砲で撃破した後ワープアウトしたイスカンダルに追いつきイスカンダル星の空域移民船を護りながらデザリアムと交戦。タランはバーガー艦隊の援護のためデスラー砲を撃つべきと進言するも今使えば海上にいる移民船団にも被害が及ぶため打てずにいたが戦いの中で移民船団が居る海上まで後退させられ戦いの中でデスラー自身も傷を負い絶体絶命に追い詰められるがヤマト艦隊の救援により難を逃れるも、怒りのあまりデザリアムの要塞にデスラー砲を放つが我に戻り体制を整えた後古代達と情報共有を行い連合艦隊を編成してデザリアムと交戦しながら次元潜航艇を用いた移民船団の救出作戦を実行。その後スターシャから古代と共にイスカンダル星の地下に呼び出されそこでガミラスの青い血の真実を知った後スターシャに銃口を差し向けてしまうがそれでもスターシャを愛してると伝えスターシャを助けるためデスラー砲を打ちながらデザリアム要塞に特攻自分事波動砲で打てと言うが躊躇いある行動に犬死にさせる気かと憤るがヤマトがスターシャを助けてくれ古代と脱出したデザリアム艦隊事イスカンダルを爆破させたスターシャの残した子供を古代に託し別れを告げて新たな新天地ガルマン・ガミラスに向かった。

関連イラスト

デスラー総統21992199アベルト・デスラー


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宇宙戦艦ヤマト  宇宙戦艦ヤマト2199 宇宙戦艦ヤマト2202 デスラー ガミラス スターシャ ミーゼラ・セレステラ ヴェルテ・タラン ガデル・タラン マティウス・デスラー エーリク・ヴァム・デスラー アデルシア・デスラー

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