『MOTHER』と『MOTHER2』とでは容姿や設定が大きく異なるため、別々に解説する。
概要
こ、これがギーグ…!!
MOTHERにおけるギーグ
1900年代の初め頃、地球に宇宙人が現れた。
彼らは主人公(以後、便宜上「ぼく」とする)の曽祖父に当たる人物であるジョージと、その妻であるマリアを連れ去り、地球を離れた。
その後、彼らはギーグの子守役を命じられることになり、地球人の手によってギーグが育てられることになった。
しかしその2年後、ジョージだけが地球に戻ってくる。その後ジョージはPSIなどの奇怪な研究に没頭するようになり、そしてマリアは永遠に地球に戻ってこなかった。
1988年、ギーグは地球に来襲。ホーリー・ローリー・マウンテン山頂にマザーシップを構える。
それが原因となってか、地球では電気スタンドや人形が飛び回る(ポルターガイスト現象)、人々が正気を失い「ぼく」に襲いかかる、死者がゾンビとなってさまよい歩く、怪物が人々を襲う(「ぼく」の仲間・テディの両親はホーリー・ローリー・マウンテンに現れた怪物によって殺された、と作中では語られる)、村の大人たちが突如行方不明になるなどの怪奇現象が発生する。
ヒドラのような体でカプセルのような機械に入っており、見た目はポケットモンスターのミュウツーに酷似している。が、製作者曰くミュウツーをギーグに似せる意図はなかったのことなので、偶然の一致と思われる。
どのような攻撃をしているのかがわからず、ゲーム中では「ギーグからの こうげきのしょうたいが つかめない!」と表示される。
この攻撃は全体攻撃で、毎ターン休むことなく行われる。が、サイコシールド(パワーシールドは不可)やガードによってダメージを減らすことは可能。
いかなる直接攻撃もPSIも効かないが、最後は幼い頃にマリアに聴かされた子守唄を「ぼく」たちに歌われることで戦意を喪失。再度の襲来を予見させる言葉を残し、マザーシップとともに地球を去った。
ちなみに、ゲーム版の公式設定では、生き残ったジョージがPSIの研究を始めたのは異星人の侵略に対抗するためであり、自分たちをさらいマリアを囚われの身にした宇宙人に対して敵対意識を持っていたことを伺わせている。
ラストバトル時のギーグのセリフにも「わたしたちの星から大切な情報を盗み出してわたしたちに歯向かおうとした……ジョージ」とある。
それに対し、ノベライズ版でのジョージとマリアは最初から最後まで宇宙人に対して友好的であり、彗星の衝突から地球を救って力尽きたギーグの母の恩に報いるべく、彼女の遺言に従ってそれぞれギーグを育てること、PSIの研究に没頭することを決心したという設定になっている。
(マリアがクイーンマリーになってしまったのは、ギーグが卵から孵るまでの100年間、若さを保つために入っていた睡眠カプセルが誤作動を起こして精神に異常をきたしてしまったためとされている。その間に予定よりも早く卵が孵ってしまったため、独りぼっちのギーグがグレてしまった)
元の親がいるので少なくとも単独犯ではないのだが、ゲーム内の情報だけでは所謂フリーザのように高貴の出なのか、一般家庭の放蕩息子(≒地球人が弱すぎる)なのかまでは判然としない。
MOTHER2におけるギーグ
「ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン」
「…カエレ…」
「チガウ…チガウ…チガウ」
「アーアーアー」
「イタイイタイ…」
「キ モ チ イ イ …」
地球を侵略するために来襲。しかし、彼の持つ予言マシン「知恵のリンゴ」がギーグの敗北を予言。その内容は「三人の少年と一人の少女によって悪魔は敗れる」というものだった。
そのため、ギーグは様々な手を使って主人公(以後、便宜上ネスとする)の冒険を阻もうとする。
彼が地球に現れた影響で、動物が凶暴になったり、人間が正気を失いネスたちを襲ったり、死人がゾンビとなって蘇ったり、宇宙人やロボットなどが地球に現れたりした。
また、人間の心に付け入り、負の感情を増幅させる幻影マシン「マニマニの悪魔」を作り、数々の悲劇を生み出した。
ギーグの本拠地は過去の時代にあるため、ネスたちは時空を超えるために生身の体を捨て、機械に魂を移さなければならなかった。
だが最もギーグの影響を受けたのは、ネスの隣の家に住むポーキー・ミンチ。ギーグに深く侵食された彼はラストバトルの際にも現れ、ネスたちに勝負を挑む。
ポーキーとの接触以前からそうだったのかは不明だが、あまりに自らの力が強大過ぎたためか、自我が崩壊してしまっているため、普段は「悪魔のマシン」によって力を制御している。この「悪魔のマシン」は全ての攻撃を無効化・反射するため、この段階でギーグにダメージを与えることはできない。
また、ネスにしか操ることができないはずの特殊なPSIを行使することができる。
ポーキーが敗れた後「悪魔のマシン」のスイッチを切り、ギーグは解放される。解放されたギーグは力を暴走させ、前作のような「こうげきのしょうたいが つかめない!」攻撃を行う。単純な全体ダメージ、ステータス異常、雷属性の攻撃などの効果があるが、中には即死効果を持つ攻撃もある。
唯一、ブレインショック系PSIに弱く、これをかければ、ある程度は受けるダメージを抑えることができる。またダメージを与える度に狂気に満ちたセリフを発するようになり、プレイヤーに強いトラウマを残す。
ポーキー曰く、「悪の化身なんてものじゃない、悪そのもの」。しかし、ポーキーの嘲りの言葉の中に隠された一筋の状況打開の手立てを見つけたポーラの祈りに応じ、冒険の先々で出会った人々が捧げた祈りの力によって、ギーグは最終的に完全に形を失い戦いは終わった。
ちなみに、公式的には『1』と『2』は世界観及びストーリー上の繋がりはないとされているため、恐らく『1』と『2』のギーグは別人と思われる。
(『2』は『1』のリメイク的位置づけで作られており、「1980年代のアメリカ」とプロローグ中で明言されている『1』に対し、『2』ではアメリカが舞台とは明言されておらず、前作とのつながりを示唆する演出も存在しない)
第1段階では、パイプ状の物体が球体の周囲を取り囲んでおり、その球体の真ん中にネスの顔が映し出される。
第2段階では背景と同化し、苦悶の表情を上げる人の顔(あるいは胎児のシルエット)のようなものが蠢く。
また、上下をひっくり返すと人の顔の部分が『1』のギーグの頭部のように見える。
この姿故に、上記の「狂気に満ちたセリフ」と相まってプレイヤーに凄まじいトラウマを植えつけた。
第1段階ではギーグの本体がどこかコンピュータ回路のようにも見えるため、ギーグ自体が生体コンピュータである可能性も考えられる。
第2段階でようやく言葉を発するが、セリフが会話というよりも無機質さと暴走してエラーを吐きまくる様とも似ている。
セリフの特徴が似ているといえばこれか?
プロデューサーの糸井重里は、自身が運営している「ほぼ日刊イトイ新聞」の中で、「(要約)少年の頃に間違って観てしまいトラウマになった映画がギーグのセリフの元になっている」と語っていた。
なお、余談ではあるが、ファミコンディスクシステム末期の頃に任天堂から発売されたアドベンチャーゲーム『タイムツイスト』において、赤ん坊時代のキリストの体を乗っ取った悪魔と、主人公の少年の対決のクライマックスを迎えたシーンで、この状態のギーグによく似た背景エフェクトが出てくる。
(ちなみに『タイムツイスト』の開発元は『1』『2』の開発に関わったパックスソフトニカ)
ギーグの主な部下
関連動画
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MOTHER2(GBA版)バグ ギーグをいのるなしで倒す。 Earth Bound Glitch