概要
南米大陸北部に位置する国家。首都はカラカス。公用語はスペイン語。
1999年、「ボリバル主義」「21世紀の社会主義」を掲げる反米のチャベス大統領により、ベネズエラ・ボリバル共和国に改称された。他の南米諸国との関係を重視しているが、親米のウリベ大統領率いる隣国コロンビアとは仲が悪く、一時国交を断絶している。
産油国であり、またベネズエラ産のカカオは珍重されている。野球の強豪国であり数多くのメジャーリーガーを輩出している。
かつては「エンジェルフォール」に代表されるような高地や豊かな自然、美しい海など観光スポットでも知られていたが現在はそれどころではなくなっている。
チャベス時代の独裁も知られるところであったが、現行のニコラス・マドゥロ大統領も2017年に国会の立法権を剥奪し独裁体制になった。
後述の社会不安により混乱はとどまるところを知らず、反体制派の政治家であるフアン・グアイドが暫定大統領を名乗り、アメリカや日本、韓国などの支持を取り付けている。
しかしマドゥロ側はこれを認めず、中国やロシアはマドゥロ側につき、日本でも一部の反米系左派活動家や評論家がマドゥロ支持を打ち出しており他国をも巻き込んだ様相になっている。
社会不安の加速
シェールガスが安価に取り出せるようになり、石油価格が下落してからは、石油に経済を頼りすぎたベネズエラは世紀末よろしく北斗の拳状態になってしまい、国民の多くは国外へ脱出する事態になっている。治安は悪化の一途をたどっており外国人が安易に入国できる状態ではなくなっている。
ホンジュラスと世界最悪の治安を争う状態となっている。
首都カラカスはここ数年「世界で治安の悪い都市ランキング」の類では上位1桁常連でありヨハネスブルグより危険度が高いくらいである。
もちろん警察も全くあてにならないどころか警官が率先して悪事を働き、旅行者から金を巻き上げるなど日常茶飯事。
景気の悪化もとどまるところを知らず、政府の無策から食料流通や医療も滞りがちになっており伝染病の蔓延も深刻化している。
インフラのメンテナンスもまともにできない状態になり、2019年3月には深刻な停電で多くの病人が命を落とし暴動が発生する状態となった。
当然観光客も来なくなりつつあり、永住のつもりで在住していた外国人たちも次々と帰国しており、ベネズエラ人も命の危険を鑑みて海外移住する者、子供だけを海外に送り出す者が続出している。
ベネズエラ在住日本人も次々と帰国してかつての1/10以下の人数になっており、2019年2月からカラカスの日本人学校も休校になっている。
国外脱出者は2015年以降400万人に届く見込みという。
中南米の各国にもベネズエラからの難民が大量流入しており(特にコロンビアとブラジルに多い)、各国一般国民の生活にも大きな影響を及ぼすようになっているため周辺国も対処に苦慮している。これらの国ではベネズエラ難民に対する不満が爆発し彼らを襲う暴徒や武装ゲリラの事件も発生するようになっており、ベネズエラ人は「止まるも離れるも地獄」の様相に陥っている。
関連キャラクター
外部リンク
ベネズエラへ旅立つ前に知っておくべき10のリスクベネズエラ人を夫にもつ日本人女性が著したベネズエラ治安状況。