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タイタン(衛星)の編集履歴

2020-01-26 17:20:30 バージョン

タイタン(衛星)

えいせいたいたん

タイタン(Titan)は、土星の衛星の1つ。

概要

土星衛星のうち最大のもの。太陽系の衛星の中でも、木星の衛星ガニメデに次ぐ大きさであり、地球の衛星であるはもとより、準惑星冥王星惑星である水星より大きい(ただし質量は水星の方が大きい)。


1655年、オランダの天文学者ホイヘンスによって最初に発見された土星の衛星である。なお後述する探査機ホイヘンスはこの発見者の名に因んでいる。

 

太陽系の天体の中では、金星、地球、火星とならんで一定量・濃度(気圧)の大気におおわれているという特徴があり、この点衛星としては唯一の存在(後述)。


「寒い、地球のような星」

太陽からの距離が約10天文単位、すなわち地球と太陽の距離の10倍ほど離れた土星軌道上にあるため、タイタンの地表は-180℃前後の極低温の世界であり、の岩盤となって地表面をおおっている。


タイタンの大気は大半が窒素(90%以上)、残りがメタン水素その他から成る。気圧は地球の大気より高く、約1.5気圧。衛星としては最大級とはいえ火星よりも小さく、磁気圏も持たないこの星にこれほど濃い大気がある理由は、まだ完全には解明されていない。


メタンの1気圧での融点は-183℃、沸点は-162℃であるので、タイタンの高緯度地帯ではメタンは液体となり、地表の低い部分に溜まる。このように、タイタンは地表に一定量の液体が安定的に存在する、太陽系では数少ない天体でもある(他は地球のみ)。なお真空あるいは希薄な大気(低い気圧)のもとでは、融点に達した物質は液体の状態を保てず、直接気化(昇華)する(地球でのドライアイスと同じ状況)。したがって、これもタイタンの濃い大気の恩恵といえる。


タイタンでは、ちょうど地球での水の循環のように、液体のメタンが気体となって上昇し、上空でとなり、として再び地上に降り注ぐ。2004年にタイタンを観測したカッシーニと、これから分離してタイタンに着陸したホイヘンスは、液体のメタンがつくるなどの地形、丸みをおびた氷の岩石が並ぶ河原のような風景を撮影した。極低温の世界ではあるものの、太陽系の天体では火星(かつて液体の水が地表にあったと推測される)とならんで、地球人にはなじみのある風景が広がる星のようである。


生命(生物)の可能性

2020年現在、タイタンに生命生物の存在は確認されていない。しかし、タイタンの地表に大量に存在する液体メタンが地球の海にあたる役割を果たし、その中で有機物が複雑に合成されて、地球の生物とは別の構造、代謝呼吸のシステムをもつ生命・生物が成立している可能性を指摘する者もいる。


また、水は地表では極低温により氷の岩盤となっているが、地下の深い場所では内部の熱エネルギーにより液化(地球のマグマに相当)、すなわち海となっていると推測されている。これが地球と同様、原始的な生命を誕生させるゆりかごとなっているという説もある。


これら2つの仮説の双方が的中すれば、タイタンは成立の基盤が全く異なる複数の生命・生態系をもつ、おそらく太陽系で唯一の天体という事になる。


関連イラスト

Titan's rain

本記事のメイン画像はどちらかというと古典的なイメージで、実際のタイタンでは空は黄色味をおび、太陽の光度と雲の厚さからして、昼間の明るさは地球の天気の悪い日の夕方くらいと想像される。


関連タグ

太陽系 土星 衛星

他の土星の衛星 レア ミマス エンケラドゥス

ティーターン タイタン(曖昧さ回避のページ)

地球外生命

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