概要
通称"ヤミー"。
藍染惣右介に仕える破面(アランカル)の集団"十刃(エスパーダ)"の一員。
死の形の内の1つ「憤怒」を司る。
粗暴な言動の目立つ巨漢。
数字でランク付けされている十刃で、もっとも下っ端の"No.10"として登場するが、実は"1"の刻印を消すことで"No.0"となり、全破面の中でもっとも強大な力を発揮できる。
帰刃
名前は憤獣(イーラ)。解号は「ブチ切れろ」。
解放の際は刀を抜くと同時にその刃を爆発させ(煙になるようにも見える)、赤いオーラを出しながら肥大化していく。帰刃後は、象に似た複数の足と長い尾を生やした百足のような下半身を持った巨人の姿となる。この際、下半身に赤い前掛けをしている。尻尾の先端はハンマーのようになっており、肘や背中から黒い杭のようなものを生やしている。頭の突起は黒くなり、つながったように並んでいる。
実は、上記の姿は第1段階に過ぎず、さらなる怒りを覚えた際は、再び赤いオーラを出す。その後、上記よりさらに巨大な姿となる。下半身は赤い毛に覆われ、怪獣のようなヒレを持った尻尾も生えている。上半身は普通のデブのようになっているが、顔の目より上が、後ろに突き出した4本の角に覆われていて、下顎も鋭いキバをいくつも生やしている。さらに背中からも2本の巨大な角を生やす。
この形態では魂吸(ごんずい)といって強制的に周囲の人間の魂を奪い取り、捕食することが出来るようになる。
本編での動向
破面編序盤、ウルキオラ・シファーと共に空座町に登場。井上織姫と茶渡泰虎を一人で追い詰めるも、駆け付けた黒崎一護により右腕を切断されてしまう。一時戦況は不利になったかと思いきや、虚化を恐れ動けなくなった一護を仕返しと言わんばかりに痛めつけた。一護にとどめを刺そうとしたとき、浦原喜助と四楓院夜一の妨害に遭い、虚圏に帰還。帰還後、切断された右腕をロカ・パラミアに治してもらい、腕試しとしてロカの頭を叩き潰した。ヤミー曰く「本調子なら股まで裂けた」(アニメでは殴り飛ばして壁に叩き付けた)。
その後しばらく出てこなかったが、ロリ・アイヴァーンと織姫の二人と出くわし、ロリに啖呵を切ってしまったためロリと戦闘に入り、ロリを打破するも織姫には逃げられてしまう。その直後、やってきた石田雨竜と立て続けに戦闘になるも、床を脆くされていたことに気づかず下層階に転落してしまう。
しばらくして脱出に成功すると、偶然にも氷漬けにされたルドボーン・チェルートを発見し、朽木ルキアらの目の前でルドボーンを粉砕し殺害した。そのまま居合わせたルキア、阿散井恋次、茶渡と戦闘。帰刃してからは3人を軽くあしらうまでに至り、ついには虚化した一護の月牙天衝さえも「少し切っちまった」程度にしか効かないほどの化け物になった(ただし、これは一護の力が弱まっていたことが原因かもしれない)。
しかしながら、不運にも朽木白哉と更木剣八の危ない二人が助太刀に現れたため、一護を殺すことは叶わず、白哉と剣八の二人にフルボッコにされ、上記の第2段階となって迎え撃った。そこからの戦闘シーンは省略されてしまっているが、彼らに敗北し、虚の子犬に看取られながら没したようである。戦闘終了時には、右腕を失い左胸部から縦に真一文字の大きな傷がついている描写があり、それらが致命傷になったと思われる。また、(漫画版では)天蓋に2つの大穴が開いて虚圏の月が見えており、どれほどの激闘だったかがうかがえる。
戦いを終えて帰還した剣八と白哉は平然としていたものの、出血が止まらない深手を負わされており、部下の隊士が慌てて医療部隊を呼ぶほどの重傷であった。この際に部下から戦いの感想を問われた剣八は「つまらない戦いだった」と吐き捨てているが、相応の手傷を負わされていたことからヤミーの実力そのものに不満を覚えていたとは考え難く、後々の戦いでも一対一に拘っている様子からして白哉との共闘が不本意であったと考えるのが自然だろうか。