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熊徹の編集履歴

2021-07-09 17:32:32 バージョン

熊徹

くまてつ

アニメーション映画『バケモノの子』の主人公の一人。

概要

CV:役所広司


人間とは相対した関係にあるバケモノという種族であり、その名の如く熊を模した風貌をしている。


自らが住まう「渋天街」随一の武芸の達者であり、街の長である「宗師」の次期候補に立候補しているも、その性格と態度のせいで住民たちの支持は皆無であった。


そんなある日、友人の一人である多々良と共に人間界の街である「渋谷」を散策していたところ、道端で蹲っていた一人の人間の子供と運命的な出会いをしたことで、転機が訪れることになる。


「徹」の字には「貫き通す」という意味がある。


モチーフは名優・三船敏郎が演じた映画『七人の侍』の登場人物の一人・菊千代


キャラクター像

従来の価値観や風習、常識を顧みず、飽くまで自身が見たもの感じたことで物事を判断する所謂リベラルな思考をしており、自ら決断したことに一切の迷いを持つこともなく、結果が出るまでやり抜くことをモットーとしている(本人曰く「一旦こうだと決めたら、それ以上曲げない性分」)。


しかしその反動と幼い頃から独力でものを成してきた故に周囲を顧みる意識が極端に乏しく、日頃の態度も粗暴かつ傲岸不遜で手前勝手であり、そのせいで周囲からの評判は芳しくなかった。また繊細な一面もあり、図星を突かれたりショッキングな出来事があったりすると忽ち動揺することもある。


一方で、自らと同じ境遇にある者に対する厚情の念を持つ。他にも、幼少期は「弱い」と蔑まれていたにも関わらず、現在は街随一の武芸の達者と謳われるまでの実力者にまで成っており、これは直向きに努力し続けたことが伺える。現在も自主トレーニングを欠かしていない。


次期宗師の立候補者ではあるが、実の所これといった宗師としての明確なビジョンや野心があるわけではなく、彼自身が真に欲しているのは「最強の武人としての称号」と「九太との修行の成果」である。故に宗師の座そのものには一切無頓着である節がある。


尚、彼の境遇は渋天街のとある人物と共通しているところがある。


他者からは疎ましがられがちな一方、多々良や百秋坊、猪王山といった付き合いの長い友人も少なからずいる。卯月からは幼少の頃から気に掛けられおり、彼には頭が上がらない。


大きな水瓶をパンチ一発で叩き割ったり、身の丈に迫る程の長さの自前の刀剣を軽々と振り回すなど、そのパワーは極めて強力。にも関わらず、側転をしたり木の枝を軽々と飛び移るという身のこなしの軽さも持つという、優越な身体能力を誇る。

彼の武術はその身体能力を活かしたものであるが、「独創的」と評される独自性の強さも重なり熊徹以外の者は体得出来ない節がある。体得にあたって専用のフィールドは必要ない模様で、地位を得ても自宅を改築したり豪邸に引っ越さなかったのはこれも理由であると思われる。


外見、服装は赤を基調としたものが多い他、自前の羽織や刀剣には太陽を思わせる刺繍が施されており、このことから太陽を信奉していると思われる。また帯は左側に結び目をつくることに拘っている。


九太を通じての変化

強情ではあるが、気を許した者とは打ち解け合う一面があり、自身と境遇が類似する故に気に掛けた九太と交流を始めてからは、彼の成長度合いに従って次第に熊徹もまた意識が改まっていく。


武芸に関しては上記の通りそれまでは攻め一辺倒で攻撃手段も直感に頼り切っていたが、九太が足捌きで自身をあしらえるようになってからは彼曰く「相手に合わせる」という、言うなれば相手の動きを予測する立ち回り方を九太からの指南や組み手を重ねて習得していく。終盤の次期宗師決定戦でその成果が現れ、猪王山の裏をかく攻撃を繰り出し彼をたじろがせていた。


関係性に於いては、境遇を同じとする者同士故に相性が良く、日頃のコミュニケーション手段はいがみ合いであるが、「喧嘩するほど仲がいい」宜しく常日頃より気持ちが通じ合っており、互いの至らぬところを補い合っていると言える。後に集った他の弟子たちに技や動作の説明をすることに関しては恐らく九太がフォローしていたと推測され、熊徹の方も九太が幼少の頃は上記のように彼を養うため稼ぎに明け暮れたり力仕事を行っていた。そうして九太との切磋琢磨を重ねる内に信頼関係が育まれ、それが次期宗師決定戦へのモチベーションへと繋がっていく


しかし一方でそれまで家族と呼べる存在と触れ合ったことがなかった故か、過剰なまでに九太への依存が強い。上記のモチベーションも、言い換えればそれの表れであるとも言える。


九太が青年に成長した際には、本来であれば彼の独り立ちを促し受け入れるべきであるにも関わらず、相変わらず九太を半人前呼ばわりして自主行動を許そうとせず、遂には彼の不審を買って一方的に離別を言い渡された。


その途端かつてのような横暴さが目立つようになり、その最中で次期宗師決定戦を迎えてしまった結果、九太との修行で身に付けた相手に合わせる立ち回りは何処へやら、かつてのような攻めに偏りきり勘に頼りっぱなしの無為無策な攻撃を繰り出したことで却って窮地に立たされるという失態を犯した。


その後九太が舞い戻ったことで形勢を立て直し勝利を収めたが、身も蓋もないことを述べればこれも彼の存在に依存しきった成果であると言え、熊徹個人が成した訳ではないと断言出来る。実際当の九太からも「一人でもさっさと勝てよ」と叱責され、卯月からは「熊徹一人なら勝ち目はない」と言い切られていた。本来であれば九太が側に居ずとも、それまでの修行をよく踏まえて上手く立ち回っていればそれなりに善戦出来ていたであろう。


結局生涯のうちに、精神面に於いての欠点は克服出来なかったと言える。


最終的に本人はそれを自覚し、自らを「半端者の馬鹿野郎」と卑下して卯月から「お前がそんなことを言うようになるとは」と感心されていた。


当初は我が強く己を過大に見て周囲を顧みなかったが、九太との交流を経て自分は誰かの援けなしでは何も成せないことを悟り、それでも尚窮地にある者を救い出そうとする利他の精神を得たと言える。


来歴

幼き頃から親のいない天涯孤独の身であり、宗師以外は誰からも相手にされておらず、時には「言うことを聞かない面倒な奴」と周囲から嫌がらせを受けたこともあった。


そんなある日、現宗師がその座を辞し神への転生を宣言しその次期候補に立候補するも、その粗暴といい加減な性格と態度から住民達からは全く支持されていなかった。


しかしある日の夜、多々良と共に人間の街・渋谷を散策した際、高架下で一人のみすぼらしい人間の子供を目にすると彼に弟子入りを持ち掛ける。


結局はその場を後にするも、渋天街へ帰った際に広場で自分たちを追ってきたその子供と再会し、彼を自宅に招き入れたのち名前を尋ねるも個人情報の保護を理由に明かさなかったことから、年齢に因んでその少年を「九太」と名付ける(本名は「蓮」)。


翌日の朝、九太を朝食に誘うも彼が嫌いな生卵を食べるよう強要したことから言い争いとなり、追いかけっこになったのち九太がその場から逃走。それを追う形で広場に寄ると猪王山に遭遇し、彼と人間の九太を弟子に取るか否かで対決になる。開始早々果敢に攻め入ったものの、相手を見くびっていたことから反撃を許しその後も次々と攻撃を食らってしまう。


それでも退くことはなく攻撃を止めることはなかったが、結局敗北を喫する。しかしその直後、宗師がその場に現れ九太を弟子に迎え入れることを許可し、帰宅後には九太から「もしあんたといて強くなれるなら、俺あんたの弟子になってやってもいいぜ」と言われた後、懸命に卵かけご飯を食べる様子を見て感銘し、本格的に彼を自らの弟子として育てることを決意する。


しかしそれまで師事や指導の経験がなかったことから、技の説明は非常に大雑把かつ漠然であり、稽古初日は思い通りにならない苛立ちから九太に「勘が悪い」と言い捨て踏ん反り返りそのまま指導を放り投げて帰ってしまう。さらにその後、九太から自身と猪王山との品格に対する雲泥の差を聞かされ落胆してしまう。


だが九太が渋天街以外の各地の宗師を訪ねる旅によって強さの意味を見出したのに加え、日常的に熊徹の動作を観察し真似し続けたことによって足さばき程度なら自身を遇らうことができる程度の身のこなしが身に付いたのを機に本格的な修行が始まることになる。その結果、二人で協力し合いながら武芸の腕を磨いていき共に精神的な成長を遂げることになる。


そしていつしか二人の存在は渋天街で評判になり、熊徹はついに渋天街の住民達から次期宗師候補者と認められそれまでの偏見は消え失せ、彼の元に多数の弟子入り希望者が押し寄せるようになった。


8年が経ち、次期宗師候補者として順風満帆な日々を送り九太とも些細なことでいがみ合ってはいたものの師弟として、果ては親子として良好な関係と絆を築いていた。


しかし九太は青年に成長し自尊心と好奇心が身に付いた影響から次第に自らの管理下を離れて自主稽古などの自主行動をするようになり、心配性から未だに彼を一人前と認められないことからそれに苛立ちを募らせていた。


そんなある日、九太の寝床から人間界の数学の教科書を発見したことで彼が人間界に関心を抱いていることを知り、その日の夜に帰宅した九太をそれに関して問い詰めた結果、自分を一人前と認めないと悟った彼と不和が生じてしまい、一方的に別れを告げられ不本意のまま九太と決別してしまう。


そして傷心のまま次期宗師を正式に決定するための闘技試合を迎えることになってしまい、動揺と自暴自棄から試合開始早々から自分のスタミナを省みない無理な攻撃を猪王山に敢行。当初は善戦するも、隙を突かれ反撃に転じられ猪王山の猛攻を立て続けに受けた挙句ついに戦意喪失しその場に倒れ込んでしまう。


軍配が猪王山に上がろうとしたその時、突如会場に迷いを振り切った九太が現れ、彼から喝破される形で背中を押されると果敢に立ち上がり再び猪王山に攻め入る。そして九太に指示を受けながら猪王山と激しい熱戦を繰り広げ、ついに隙を突いてカウンターの右ストレートを渾身の力で彼の顔面に叩き込む。そのまま猪王山はダウンし10カウントを過ぎてなおも立ち上がらなかったことから勝負は熊徹の勝利に終わり、次期宗師に熊徹が就任することが決定したのであった。


試合終了後、すぐさま九太の元に歩み寄り、いつものように憎まれ口を叩き合いながらも彼とハイタッチを交わす。


しかしその時、試合の結果を不服に思った猪王山の長男・一郎彦によって鞘の抜かれた猪王山の剣を背後から突き刺され、一命は取り留めたものの瀕死の深傷を負い昏倒してしまう。


その後、宗師庵で介抱を受けた後目を覚ますと、多々良と百秋坊の口から一郎彦が九太と同じく人間であること、そして九太が強大な”闇”の力を用いて暴走した一郎彦を止めるために彼と闘っていることを聞かされると、すぐさま自らの状態を省みず宗師の元へ直行し、自分が現宗師であることを利用して九太を救うために自らを神に転生させるよう彼に頼み込む。


そして燃え滾る大太刀の姿をした付喪神に転生すると、人間界で一郎彦と闘う九太の前に現れ彼と一体化する。九太はそれに涙するも、彼の胸の中からそれを喝破し九太を元気付け、彼と共に剣を構えて一郎彦に斬りかかるタイミングを待つ。そしてタイミングを見極めると、果敢に一郎彦に攻め入り彼の胸にある”闇”を切り裂く。そのまま”闇”は消滅し、一郎彦は気を失ってその場に倒れ込んだ。


翌日の早朝、一郎彦との決着の舞台となった代々木体育館の一角で九太と何気なく語り合った後、自分のやることを胸の中から見守るよう九太に伝えられると、「おう、見せてもらおうじゃねえか」と笑いながら答えるのであった。


その後九太は渋天街の住民達から「バケモノ界を救った英雄」として盛大に祝われたのち、街を去って人間界で実父と共に暮らし始めた。そして宣言通り、人間界で暮らす九太をいつまでも彼の胸の中から見守り続けるのであった


関連イラスト

いつも


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バケモノの子 バケモノ 渋天街 宗師

九太 猪王山 多々良(バケモノの子) 百秋坊 卯月

熊九


付喪神 心の剣

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