えー、手前味噌な記事で申し訳ありません~ンフフ。
古畑任三郎と言うのは、かつてフジテレビで放送されていたドラマシリーズなんです。
私、古畑が、毎回犯人を執拗に追い詰めて事件を解決するという、少々意地悪な番組かもしれません。
何せもう放送されたのが30年近くも前でして、それでも有難い事に未だにファンがいらっしゃる。感謝、しておりますぅ~。
古畑任三郎でした。
概要
フジテレビで放送されていた刑事ドラマ。田村正和と三谷幸喜の代表作の一つ。
日本の一般的な刑事ドラマと異なり、主犯による犯行がまず描写され、その後通報を受けて捜査を開始した古畑任三郎が各回の主犯との駆け引きを通じて真相を明らかにするという洋画「刑事コロンボ」シリーズに倣った形式になっている(これは、役者の知名度で役どころの重要度が割れるミステリードラマにありがちな欠点を逆手にとった構成ともいえる)。
元々三谷幸喜がコロンボのファンであるため、「振り返ればやつがいる」の打ち上げで三谷が「コロンボやりたい」とプロデューサーに懇願し、製作が決定した。
制作経緯
主演の田村正和は、刑事ドラマとヤクザは演じない(事務所が勝手に断っていた)というスタイルだったらしく、脚本を担当した三谷はOKが出るか悩んでいた。最初のオファーは、当然NOだったが、このドラマは「田村正和さんありきり」だと思い、サンプルの脚本を書き、再度田村正和の元に脚本を送る(その時の脚本は堺正章が演じる「動く死体」)。その後脚本を読んだ田村本人から、「面白い、やりたい」とOKが出た。だが三谷が古畑の人物像を、「黒縁のメガネをかけ、ポツンとした地味な存在」としてイメージしていたのを、田村本人が「俺の古畑のイメージは事件が起きたらふっと現れ、解決したらふっと消える、そんな感じ」、「古畑はスタイリッシュ、あと私生活は描かないでほしい」と要望までついた。三谷本人もその場で快諾、今に知られる古畑が完成する。
ドラマの内容
堺正章から明石家さんまなど大物タレントや名だたる俳優を犯人役に起用している。また犯人の職業も「歌舞伎役者」、「弁護士」、「医者」など社会的地位の高い職に就いていることが多い(例外あり)。
展開としては視聴者側には既に犯人と犯行の手口は明かされており、古畑がどうやって真相を見抜くのか、犯人側はどうやって追及をかわすのかといった駆け引き面が本作の最大の見所であり、他の「刑事ドラマ」とは大きく異なる。
物語の導入と謎解きパート直前に古畑が視聴者に向かって、物語の重要ポイントを説明する、第四の壁を破る独特の演出も人気となった。
この演出は「エラリー・クイーン・ミステリー」に影響を受けたもの。
基本的に犯人側は負けを認めて素直に逮捕されるので、冒頭の犯行シーン以外で死人が出る事はないが、松本幸四郎の回、一度だけ犯人が自殺した回があり、ファンからの評価が賛否両論あった。他に犯人の犯行を見抜きながらも敢えて公にせず見逃した例が二件ある。
ジャニーズの権利の関係などで、放送できないエピソードもある。
古畑本人の性格
非常にミーハーで負けず嫌い。茶目っ気のある性格。部下の今泉慎太郎をいじっては、やめてくださいよ~と返される。しかしひと度事件ともなるとその冴え渡る推理力と観察力をもって犯人を追い詰めていく。なお古畑本人は証拠のない犯人には決して「あなたが犯人」とは言わない。また部下の今泉を本当は大事にしている一面もある。一度だけ部下の今泉が殺人の被告人として有罪になりかけた際(明石家さんま、「しゃべりすぎた男」)には、目をつけた犯人が弁護士であるにも関わらず、「私はあなたが殺したんだと思っています。友人の人生がかかってるんです、絶対に尻尾をつかんで見せます」と、証拠のない状況で宣戦布告し、一晩で裁判記録から証言の矛盾を洗いだし、犯行を立証して見せた。
また今泉が爆弾の仕掛けられた観覧車に閉じ込められた(木村拓哉、「赤か青か」)際には、全く証拠がない状況下で、キムタク演ずる犯人が爆弾犯だと見抜き、最後には平手打ちを食らわした。
銃は一切携帯せず、犯人の取り押さえのような荒事も得意としない。菅原文太が演じる犯人役の荒事慣れした刑事が古畑が銃を携帯しない事を軽蔑した後、自白の場面で自身の私刑行為を責め「警察官に出来るのは裁く事ではなく事実を明らかにする事だけ」だと説く古畑の信念に敬服し、「納得いったよ古畑君。君に銃は必要ない」と評した。その際、古畑は「最高の褒め言葉です」と返している。
最初のエピソードで読んだ少女漫画に感動して以来、少女漫画を愛読しており、アニメや声優・アイドルにも詳しい(スマップ回)。また独特の妙な投球フォームをしているがボーリングも上手い。
余談
第2シーズンの最終話(鈴木保奈美)だけは実際の犯行シーンが一切描かれておらず、世間的には完全犯罪となった事件の真相を解き明かすという異色の展開になっている。
演者の田村が逝去した2021年、『仮面ライダーリバイス』と『ウルトラマントリガー』で古畑任三郎のパロディが描かれ、ほぼ同時期に日本を代表する2つの特撮作品で同じような趣向のパロディが描かれたことが大きな話題となった。