概要
作者は西尚美。強い霊感を持った雌猫『シロ』と飼い主である女性編集者が主人公の一話完結の短編漫画であり、心霊現象が絡んだ事件を彼女らが解決する様子を描いたホラーミステリー作品である。
主な登場人物
シロ
女性編集者『瀬尾あかり』の飼い猫。高い霊感と知能を持っており、事件の核心にいる人物を見張ったり見守ったりしながら、飼い主のあかりを始めとした人々を誘導して事件を解決している。猫故に喋れないが、明らかに人語を理解していると思われる描写が存在しており、困っている人を見過ごせない優しい性格の持ち主である事も理解出来る。人の本質を見抜く事が出来、あかりと違って外面に惑わされずに人に接する事が出来る。事件に関わった人(あかりも含む)は悪人を除き、過去のトラウマから解放されたり、それまでの境遇から離れる勇気を持ったりと良い方向に進んでいる。トラックの荷台にヒッチハイクしながらあかりの家から離れた場所の事件を解決して回った後、彼女の家に帰って来た事もある。霊感も連載が進む度に強くなっており、テレパシーで自身の夢を見せて事件に重要な情報を持った知人をあかりの許に誘導したり、鳴き声で金縛りを解いたり、猫パンチで悪霊を退治する事も出来る。
元々野良猫だったので正確な年齢は不明であり、作中には高齢化で猫又となった思われる猫も存在するので彼女もそうなっている可能性もある。
瀬尾あかり
ミステリー小説雑誌『奇談』の編集者。当初は20代前半。幼少時に遠い親戚の老婦人によって封印されていた霊感が、野良猫だったシロとの出会いをきっかけに徐々に復活する。担当作家『室生司』と出会い、後に結婚。気弱で大人しい性格の女性であり、事件の際はシロに引っ張られる事が多く、強く断れない性格から事件に巻き込まれる事もある。夢という形で霊の過去を見る事が出来る。どちらが飼い主か判らないレベルでシロに引っ張られており、読者にも嘆かれているが、様々な経験で多少は逞しくなっている。
編集長(長妻多歌子)
小説雑誌『奇談』の女性編集長。大食いで勝気な性格の持ち主であり、引っ込み思案な性格のあかりにとっては良い相談相手である。霊感はまったくないが、猫好きで、あかりが泊まりがけで出張する時などはシロを預かってくれる。
室生司
伝奇ミステリーを執筆する小説家。第3話「癒しの庭」(単行本1巻)より登場。自宅の庭に浄化されることを願う霊が訪れるので、ガーデンテーブルにはいつも茶菓を供えている。小説雑誌『奇談』の新連載で編集担当者になったあかりと、後に相愛、結婚に至る。恋人時代は豆腐メンタルで積極性が無いあかりとすれ違いも多かったが、シロを始めとした周囲の協力もあって結婚出来た。あかりと結婚してからは他の雑誌の仕事で家を留守にする事が多く、妻となったあかりも仕事の邪魔をしたくないという思いから相談しないので出番は少な目である。正確な年齢は不明だが、同級生に小学生の子供がいるので30代半ばにはなっていると思われる。
草馬怜二
小説雑誌『奇談』で室生と人気を二分するミステリー作家。あかりの独身時代、司の恋敵だった。第16話「闇は囁く」(単行本3巻)より登場。あかりとシロの協力を得て亡くなった異母弟に対する負い目から解放され、以後は自身の洞察力と霊感であかりや室生の危機を救うようになる。
ヒメ
シロの友達であるグレーの毛並みが特徴な猫。15歳の雌猫で小早川家の飼い猫。第128話「光る瞳のメッセンジャー」に登場。死んだ飼い主の為、彼女の妹と婚約者を助け様とあかりに協力を求める。シロ同様に霊感、もしくは長く生きた事で猫又化しているのか子猫に化ける、人語を喋る(あかりにしか聞こえない)、テレパシーであかりに自分の記憶を見せるといった現象を起こしている。
竹野刑事
若い男性の刑事であり、あかり達の協力者の一人。あかり達が事件の真犯人を捕まえたり、見つけて通報しているのを不審に思って接触してきたのが出会い。シロとあかりを信用しており、事件に有益な情報を調べてくれたり、シロに頼まれて襲われている人を助けてくれる。
赤ん坊の時に実母に置き去りにされ、その時に保護した警察官に育てられたという経歴を持っている。あかりに対し、既婚者であるのが残念という程度に好意を持っている。