人物
1974年愛知県生まれ。その後、熊本県合志市で育つ。
熊本県立大津高校美術コース在学中の1990年に第2回GAGキング特別賞を受賞、翌年に第34回赤塚賞佳作を受賞。
1995年に、週刊少年ジャンプにて『すごいよ!!マサルさん』で連載デビュー。
マサルさん終了後は短期連載作『武士沢レシーブ』を連載した後、足かけ10年の長期連載となった『ピューと吹く!ジャガー』を世に送り出した。
現在はアイドルユニット『きのホ。』のプロデュース用漫画を手がけている。
ちなみにペンネームは誤植がそのまま定着したものらしい。本来はウスターソースを捩った「うすた宗介」だったとの事。
妻は漫画家の榊健滋で、1児の父。
作風・特徴
ボケは『とっても!ラッキーマン』や『珍遊記』のような大袈裟でわかりやすいボケではなく、「ツッコミが入って初めて笑える」ようなシュール且つ不条理なボケが中心となっている。
そのボケからツッコミまでの流れも、「ボケ」→「謎の間」→「ツッコミ」と一コマで完結させない構成となっていることが多く、他のギャグ漫画と比べると、笑いに至るまでがかなりローテンポである。
また、ツッコミは「〇〇じゃねーか!」というような指摘や訂正ではなく、「〇〇しちゃった!」といった状況説明や感想のようなものとなっている。(これはさまぁ~ずの影響であると語っている。)
この作風は後年のギャグ漫画界に大きな影響を与え、『マサルさん』連載後はギャグ漫画の大半がうすた風のシュール路線に染まった程である。著名な漫画家でいえば、中村光はうすたの影響を受けていると公言している。
上記作風に加え、以下のような特徴がある。
古来より伝わるギャグ漫画の効果音。
決してうすたの発明でも専売特許でもないが、ガビーンと言えば?と聞かれて『マサルさん』か『ジャガー』を思い浮かべる人は少なくない。
『タベル』以降は使用頻度が少なめ。
- さっきまで普通に描かれていた人物が、急に落書きのように手抜きになる。
『マサルさん』でいう「だばだば」が代表例。他にも、四角い胴体に雑な手脚がついた描写も多く見られる。
いわゆる緩急ギャグであり、手抜き絵が特徴的であるため見落としやすいが、よく見ると手抜きでない絵は総じて画力が高いことがわかる。
羽海野チカは『マサルさん』の手の描写に感銘を受けたと語っている。
- 頻出する他作品のパロディ。
細い線で描かれる繊細な画風から、いきなりつのだじろうや原哲夫などの濃い画風に変化することが多い。『ジャガー』では、『銀牙』のパロディを1話丸々行ったこともある。
また、うすたはセガの熱心なファンであり、ロボピッチャやスペースハリアーなど、セガに関するネタが作中にいくつか登場する。
- シュールギャグでありながら、中身は意外と青春っぽい。
「普通ではない部活やチームで、仲間と様々な活動を行う」「恋愛描写がある」という展開のいずれか、または両方が、読切含めほぼ全ての作品に見られる。いわゆる日常系作品に通ずるものがある。
作品
余談
上述の第2回GAGキング特別賞を受賞した同時期のホップ☆ステップ賞で、尾田栄一郎の作品が最終候補に選ばれている。
その際、両者とも「15歳・熊本」として紹介されたため、尾田の友人は、うすたの作品を尾田の作品と勘違いしたらしい。
好きな漫画家に増田こうすけを挙げており、赤塚賞審査員時点で増田の投稿作品を高く評価していたことから「(増田の身内以外で)一番最初にファンになったのは間違いなく自分だ」と語ったり、ギャグマンガ日和の一巻帯で「単行本が出たら絶対買う」とコメントを寄せるなど、様々な場面で増田を高く評価している。
うすたが他作品へイラストを寄稿する際は、自身の作風に沿ったシュールなネタイラストを提供することがほとんどだが、『ジョジョの奇妙な冒険』連載25周年企画では、「QUEENの『シアー・ハート・アタック』のジャケットを基にした歴代ジョジョ集合絵」というネタ無しかつリスペクト盛り盛りのガチイラストを寄稿し、ネットをざわつかせた。