概要
ワールドトレードセンター（以下「WTC」）はオフィスビルやホテルといった大小7つのビル群によって構成されていたが、その中でも110階建ての「ツインタワー」が象徴的だった。設計は日系人のミノル・ヤマサキ氏。
ツインタワーは北タワー（1WTC）と南タワー（2WTC）に分かれており、1966年〜73年までの間に建設された。北タワーの最長部は528mに及び、完成時は同じニューヨークにあるエンパイアステートビルを抜き世界一だった。
当初はツインタワーの威圧感から評価は不評であり、テナントもあまり入らず空室が目立ったが、1980年代からはアメリカ経済のみならず世界経済を担う存在となり最盛期にはビル全体で5万人が勤務。一日で20万人もの来訪者が訪れるニューヨークのシンボルであり、ランドマークでもあった。
ちなみに現在日本一高い電波塔である東京スカイツリーは634m。ツインタワーの方が少し低いものの、スカイツリーが二本並んでいるようなものであり、その存在感は圧倒的であった。セミツインタワー構造とも言える東京都庁(第一本庁舎)が半分以下の243.4mなので、その威容が想像できるだろうか。
テロ事件
WTCはその重要度と知名度から2度もテロ事件の標的となっている。
- 1993年2月26日「世界貿易センター爆破事件」
反米テロリストが爆発物を満載したトラックを北タワーの地下駐車場で爆発させた事件。駐車場のフロアが構造的ダメージを受けるほどだった。6人が死亡、1042人が負傷した。
- 2001年9月11日「アメリカ同時多発テロ事件」
反米テロ組織「アルカイダ」が引き起こしたテロ事件。ハイジャックされた旅客機4機のうち2機がニューヨークに向かいツインタワーに激突。南タワーと北タワーの順に崩落し、2749人が犠牲となった。他のWTC施設もこの崩落に巻き込まれ半壊または全壊、ツインタワーを中核とするWTCは完成から30年足らずで姿を消した。
詳しい被害は外部リンクや9.11の記事を参照。
再建計画
2002年に瓦礫の撤去と遺体の捜索が終了。跡地は「グランド・ゼロ(爆心地)」と呼ばれるようになった。再建に向けたコンペが行われ、最終的にダニエル・リベスキンド氏の再建案が選ばれた。
旧WTCの中核であったツインタワー跡地は慰霊の広場やテロ事件に関する記念館となり、それ以外の敷地に新たな超高層ビルや駅などの施設が再建されている。2012年には建設中の１WTCの高さがエンパイアステートビルを抜いてニューヨークで最も高いビルとなり、2014年に541.3mで完成した。
当初は2010年代に再建を終えるはずであったが、テロ犠牲者の遺骨が発見されて工事を中断することが度々あっただけでなく、大幅な計画の変更やリーマンショックの影響も重なり遅延しており、テロから20年以上経った現在も工事が続いている。
全敷地の完成はビル建設も含めると2020年代後半までずれ込んでおり、最終的には2028年頃の予定となっている。以前と同じく1〜7の数字を冠するビル群で構成されるが、「6」だけは何故か欠番となっている。
2014年に完成した1WTC
在りし日のWTCツインタワー
過去にはブラックビスケッツがMVをニューヨークで撮影、背景にツインタワーが映り込むだけでなく南タワー屋上で踊る姿を見ることが出来る。
関連タグ
・東武ワールドスクウェア - 崩壊前のWTCツインタワーのミニチュアがある。実物の崩壊後に撤去するか検討されたが、在りし日の姿として現在まで展示を継続している。
