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超高層ビル

ちょうこうそうびる

ビル(高層建築物)を高さで分類した場合、もっとも高いものを指す。
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定義

ビル屋根を伴う高層建築物)を高さで分類した場合、もっとも高いものを指す。屋根や壁のない鉄塔の類は含まない。


定義は種々あり、どこからが超高層ビルと呼ばれるという一般的基準があるわけではない。


なお、広辞苑岩波書店)では「15階以上または100m以上」としている。また、日本の建築基準法では高さ60mを超える建築物に対してはそれ以下の建築物と異なる構造基準を定めている。


英語圏では約500フィート(約150m)以上の建築物を「skyscraper(スカイスクレイパー、摩天楼)」と定義していることが多い。300m以上の超高層ビルは「スーパートール」と呼ばれている。


2023年現在、100m以上の超高層ビルが最も多い都市は香港が1位、2位がニューヨーク、3位が東京となっている。


日本の事情

『方丈記』には「大都会で屋根の高さを競ってる(いらかをあらそへる)」とあり、今も昔も考えることはあまり変わらないようだ。


関東大震災後の日本では、耐震性を確保するという意味もあって100尺(31m)以上のビルを禁ずる規制が敷かれていた。技術の進歩により高層ビルでも十分な耐震性が確保できるようになったとして、1962年の建築基準法の改正により31mを超えるビルの建設を解禁、1968年の霞が関ビル(147m)を皮切りに、東京では西新宿などで、大阪では梅田など各所で超高層ビルが立ち並ぶようになった。


100尺規制には欧州風の統一的な景観を維持するという意味もあり、建築基準法の緩和後も東京の丸の内や大阪の御堂筋のような古くからのオフィス街では独自に100尺規制が残され、綺麗に高さの揃ったビルが立ち並んでいた。特に丸の内のビル街は「皇居を見下ろす建物を建てる」ことへの反発が強かったが、1974年に竣工した東京海上日動ビルディングを皮切りに、順次超高層ビルに建て替えられ、日本の景観は米国風に移行していった。丸の内のビルなどでは、昔の面影を残すため建て替え前のデザインを模した31メートルの低層部の上に、超高層の高層部が乗ったようなものが多い。


御堂筋は近年まで31mの見事なスカイライン(軒線)が見られ、幅43.6メートルのイチョウ並木と相まって、日本では稀有な風格あふれる景観が市民に愛されていた。しかし「再開発を促進したい」という行政の思惑から高さ制限は1995年に緩和されて50mの軒線形成を目指すことになり、その制限も2014年に撤廃されて超高層ビルが立ち始めた。御堂筋はこのほか広告規制などもあったが、これらの規制はいずれも緩和・撤廃され、景観重視の京都とは対照的な路線を歩んでいる。


一方、建てたくても建てれないのが福岡市中心部。これは福岡空港が街のど真ん中にあるためで、まわりの建物が低いため目の錯覚により福岡タワーが超巨大に見える。


2023年2月現在、日本で最も高い超高層ビルはあべのハルカスの300mであるが、2023年6月30日に高さ330mの麻布台ヒルズ森JPタワーが竣工する予定である。また、2027年には東京駅前に高さ390mのTorch Towerが竣工予定。


超高層ビルの建設が大都市部でも特定の場所に集中する傾向があるのは、交通アクセスやオフィス需要の関係だけでなく、電波法や航空法、容積率、その他条例により、超高層ビルの建築が規制された地区が多いからである。現在でも空港が街中にある福岡市や景観保存地区の広い京都市では、強い建築規制が敷かれている。


海外の事情

ニューヨークマンハッタンは超高層の代名詞であり、1920年代の建築ラッシュ以降もなお建てられ続けている。他にはドバイ、上海、深圳、シカゴ、広州、香港、トロント、バンコク、シンガポールなどが超高層ビルの多い都市として知られる。香港とシンガポールは土地が少ないので非常に縦長の特徴的なビルが多い。アメリカ合衆国中国のような経済大国のほか、南アジアや東南アジアの新興国でも超高層ビルの建設が急増している。


日本人がアジアやアメリカに行くとその超高層ビルの多さと高さに驚愕するが、かつてバブル時代前後にかけては東京が世界最先端の超高層ビル群のイメージで語られていた。海外絵師や映画等のSF都市に謎の日本語が書いてあるのはその名残である。


そのほか、カナダオーストラリアアラブ首長国連邦などの国々も都市が新しいため旧来の街を壊す心配もなく、超高層ビルの建設が盛んである。


一方、古い街並みが多く残るヨーロッパの国々は伝統的景観の保護を重視しており、超高層建築物は少ない。欧州で超高層ビルが林立するのはロンドン周辺やパリ近郊のラ・デファンス、フランクフルト・アム・マインなどごく限られた地区のみである。このため欧州崇拝系の論者は超高層ビルはアジア的だとし一種の差別意識が混じって毛嫌いする傾向にある(アメリカはスルーする場合と、資本主義の象徴として批判する場合の2パターンに分かれる)。


いわゆる「超高層ビル」の例

東京都

霞ヶ関ビル(霞が関、36階建て、高さ147m)

サンシャイン60池袋、60階、239.7m)

都庁第一本庁舎(新宿、48階、243.4m)

コクーンタワー(新宿、54階、203m)

東急歌舞伎町タワー(歌舞伎町、48階、225m)

渋谷ヒカリエ(渋谷、43階、182.5m)

渋谷スクランブルスクエア・東棟(渋谷、47階、229m)

ドコモタワー(千駄ヶ谷、25階、240m)

キャロットタワー(太子堂、27階、124m)

神奈川県

横浜ランドマークタワー(みなとみらい、70階、296.33m)

静岡県

アクトタワー(浜松市、45階、212.77m)

愛知県

JRセントラルタワーズ(名駅、53階、245.1m)

ミッドランドスクエア(名駅、47階、247m)

大阪府

大阪府咲洲庁舎(住之江、55階、256m)

りんくうゲートタワービル(りんくう、56階、256.1m)


スーパートールの例

1WTC(ニューヨーク・マンハッタン、104階、541.3m 2014年竣工)

エンパイアステートビル(ニューヨーク・マンハッタン、102階、443.2m 1931年竣工)

クライスラービル(ニューヨーク・マンハッタン、77階、319m 1930年竣工)

ウィリスタワー(シカゴ、110階、527.3m 1973年竣工)

あべのハルカス(大阪・天王寺、60階、300m)

台北101台北、101階、高さ508m)

ブルジュ・ハリファ(ドバイ、160階、829.8mで世界一)


2001年のテロ事件で崩落したツインタワーもスーパートールのひとつである。


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