概要
ロボット惑星・メカトピアを支配する鉄人兵団の地球人総奴隷化計画実現のため、兵団の到着に先がけてスパイとして地球へ単独潜入してきた少女型アンドロイド。
地球人そっくりの容姿で極めて精巧に作られており、ケガした彼女を治療する際に「傷口が無かったら信じられない……」との感想をしずかが漏らした程である。
作中でも美少女とみなされており、1986年版でもエキゾチックな雰囲気を漂わせていたが、2011年版ではのび太達がデレデレしている描写が増えている。
他のロボットのような強固な戦闘能力は備えていないが、指先から熱線を放射して敵を攻撃することはできる。
少なくとも地球最大の熊であるホッキョクグマを一撃で倒す(殺したかどうかは不明)程の威力を誇るが、リルルを止めようとして撃たれたのび太の命に別状がなかったところから察するに、出力を自在に加減できる模様。
北極に送り込まれた土木工事用ロボットであるジュドと共に、作戦遂行の足がかりとなる秘密基地を建造する使命を帯び、先行して地球へ潜入。
旧版と新版では経歴が異なり、前者ではジュド共々計画のために新造された存在だったが、後者では成り上がりを目指し二人で軍部に志願した平民ロボットであった模様。
現地で会ったのび太から「おざしきつりぼり」を借り受け、その中の鏡面世界にて密かに暗躍していたが、正体がバレた際に鏡面世界と現実世界をつなぐ穴を無理矢理広げようとした為、発生した次元震の衝撃で吹き飛ばされ重傷を負う。
その後のび太たちに救われたことから、自分たちの行いに深い疑問を抱くようになっていく。
しかし祖国に対する忠誠心を捨て去ることは出来ず、自分たちの行いに対する罪悪感と祖国への忠誠の狭間で苦悩する。
物語終盤にしずかと共に3万年前のメカトピアに向かったリルルは、自分たちの先祖であるロボット・アムとイムを作った神=科学者に出会い、年老いて体の衰えた彼に代わり、アムとイムの頭脳に他者を思いやる温かい心をインプットするための改造作業を完成させる(※1)。
そして、改造作業によってメカトピアの歴史が変わったために生じたパラドックスにより、リルル自身も消滅するという悲しい最期を迎えた……。
その後、学校に居残りさせられたのび太の前に姿を現し微笑みかけて去っていくが、生まれ変わった本人なのか、幻なのかは不明のまま物語は幕を閉じる。(※2)。
その悲劇性から、本作のヒロインとしてファンの心にその自己犠牲的な生き様が深く刻まれることとなった人物であり、『のび太の魔界大冒険』の満月美夜子とともに人気を二分する『ドラえもん』の作品群史上屈指の名ヒロインである。
※1)2011年版では「争いの遠因となる競争本能を取り去り」と追加されている。
※2)2011年版では立派な白鳥になったピッポと共に幸せそうに空を飛んでいた。
関連キャラ
- ジュド - 相棒の土木工作用ロボットおよびその頭脳。脳に相当する部品はボウリングの球のような形状をしている。
- ザンダクロス - ジュドの機体。命名ドラえもん。
- ピッポ - 2011年版ジュドの頭脳。おはなしボックスでほんやくコンニャクと融合してヒヨコのような姿になった。命名はのび太。