図鑑データ
艦名 | 山汐丸 |
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図鑑No | 500 |
艦級 | 特2TL型 |
艦種 | 特設護衛空母 |
CV | 松岡美里 |
イラスト | 海原さかな |
概要、あった方が……いいですよね。
2022年2月22日~23日に行われたメンテナンスにて実装。同日開始の期間限定イベント海域「発令!「捷三号作戦警戒」」の前段E-3海域突破報酬として初登場した。
艦娘としては4人目となる大日本帝国陸軍所属の船艇をモチーフとした艦娘(ただしあきつ丸と同様陸軍直属という訳ではなく、民間海運会社が保有し陸軍が運用するという形式)であり、同時に初の戦時標準船をモチーフとした艦娘である。
容姿を……お呼びでありますか?
薄茶色の折襟式の上着(下士官兵用のものに近い)に、その上から艤装とつながっている茶色のサスペンダー付きコルセットと黒い指なし手袋、右半分が黒で左半分が茶色のスカート、航空甲板をモチーフにしたオーバーニーソックス(祥鳳のものに近い)、黒い長靴(陸軍でよく用いられていた乗馬ブーツと思われる)を着用。
上着は防暑衣に近いものだが、ついているボタンは後方支援の者の制服にみられる銀ボタンである。戦時標準船となるところを特設護衛空母に設計変更されたことの暗喩であろうか。
また、コルセットについているベルトには弾薬入れやお守りが付属している。
目を引くのがその髪型で、前髪はぱっつんと言える形に切りそろえている一方、横は一部がフレッチャーに近い形でまとまっており、その下半分くらいが赤くなっている。また、後ろ髪は肩あたりから三つ編みににしてまとめているが、これが膝くらいまでとかなり長い。
艤装は航空甲板がベースとなっており、前部の左右に25㎜連装機銃が各4基ずつあるのが見て取れる。
【花束】mode
2022年4月1日のアップデートにて、【花束】modeが実装された。
赤い着物に金色の帯という和服姿のほか、髪型が若干変わっており、一部を後ろに流して青緑色の短いリボンで結んでいる。
ちなみに【花束】modeが実装された艦娘は数あれど、和服の例は地味に珍しかったりする。
性格です!
一人称は日頃「自分」を用いているが、素は「私」。
口調は主に陸軍船特有の「あります」口調だが、あきつ丸や神州丸よりも感情は豊かで健気なタイプ。陸軍所属ゆえか、時報ではこの二人への言及が多く、「立派な船」と感心している様子が見られる。また、後述の史実があったためか、「横浜」「みなとみらい」といった地名については本人曰く、「どこか懐かしい」とのこと。
朝食と夕食はしっかり作っているほか、昼食はおにぎりを用意してくれる。なお、やはりというべきか、釣った魚を調理した夕食について「少し贅沢」と言うなど、大戦末期の食糧事情を反映してかやや貧食気味である。
このように、非常に健気で礼儀正しい艦娘である。
…お酒さえ絡まなければ。
どこぞのアル重と違って年中吞みまくっているわけでは全くないのだが、むしろ日頃あまり呑まないのが災いしてか酒癖が非常に悪い。
20時の時報にて神州丸から清酒を貰っておりそれで晩酌を始めるのだが、すると一変ベロンベロンに酔って提督に絡み出す。その酔い具合たるや、呂律は回らないわ船としての過去を思い出して泣きそうになるわと相当なもの。それでも時報をきちんと言おうとするあたりはやはり真面目か。
一方で酔いから醒めるのも早いらしく、23時には正気に戻る。
ちなみに酔った勢いのまま何やら口走る中で「しまね丸」という名前を口にしているが、これは彼女と同じく特設航空母艦として改造する計画があった戦時標準船のうち、海軍に割り当てられた2隻のうちの1番船である。
性能なので、あります。
艦種としては「特設護衛空母」という名称であるものの、空母というよりもむしろ補給艦に近いようで、艦種ソートタブでも「補助艦艇」枠に分類されている。無印の段階では航空機系は対潜哨戒機しか積めず空母ってなんだっけ状態であるが、改になると艦戦・艦爆・回転翼機が積めるようになり一気に空母らしさが出てくる。
また補給艦属性の艦としては対潜能力がずば抜けて高く、未コンでも先制対潜が可能。
史実、聞いれまふかっ!!?
山汐丸は戦時標準船のうち1万トン級タンカー仕様であったTL型をベースに航空運用能力を付加した「特TL型」、とりわけ量産性を重視した直線的な船体と対潜重視の武装が施された「特2TL型」に分類され、同型の戦時標準船では唯一戦時中に就役した船舶であった(戦後も含めると、同型の「千種丸」が1949年に武装や飛行甲板のない通常のタンカーとして就役している)。
現在のみなとみらいにあった三菱重工業横浜造船所にて1944年9月11日に起工、11日14日に進水し、翌1945年1月27日に竣工した。
本来は南方航路にて船団護衛要員兼石油輸送用タンカーとして運用する予定だったものの、既にフィリピンではレイテ島が陥落しマニラでの市街戦も目前という状況となっており、当然周辺の制海権はアメリカの手に落ちているという状況にあって南方航路での運用は現実的ではなくなっていた。そのため、竣工後にタンカーから通常の貨物船仕様に改装が行われる事となり、山汐丸は実戦に入ることなくそのまま横浜に留め置かれる事となる。
そんな中、1945年2月16日から17日にかけてドーリットル空襲以来となる本土空襲が発生(ジャンボリー作戦)。山汐丸もこの中で250kg爆弾1発、ロケット弾多数の直撃により大破着底。そのまま終戦を迎える事になった。
戦後、1946年3月6日には、同じく横浜船渠で建造され横浜港に係留されていた海軍標的艦「大指」(進水後艤装工事95%のところで建造中止)が触雷事故により漂流し、山汐丸に衝突して沈没するという事故が発生している。
その後解体作業が発生したが途中で船首が折れて沈没するというアクシデントが発生してしまう。しかも当時5つあった船台のうち2つを完全に塞いでしまった(特2TL型山汐丸の戦後)。そのため引き上げるための費用を勘案した結果、塞がれた船台2つは地上組み立て場とし、山汐丸は完全に解体するのではなく船体を部分的に残して岸壁に流用する事となった。こうして第3船台に干渉する船首部分と上部構造物を撤去された山汐丸の船体は、その場で土砂を詰め込んだ上で「山汐岸壁」と呼ばれる艤装作業用の岸壁として利用される事となった。
1956年、造船所拡張のため山汐岸壁は撤去された。横浜造船所の移転に伴う閉鎖から数十年経った2008年に同地にみなとみらいセンタービル(艦これリアルイベントが度々開催されているパシフィコ横浜から街路2本挟んだ位置)を建設する事になった際に地面より15m下の位置から山汐丸の錨が発掘されている。現在、この錨は同ビル北の広場にてモニュメントとして展示されている。
関連タグであります。す、すみません……
あきつ丸(艦隊これくしょん):同じ陸軍所属の飛行甲板を有した船舶。上述の通り、形式上民間海運会社保有であったという点も共通している。
速吸(艦隊これくしょん):海軍が保有していた給油艦兼補助空母。ただしこちらはカタパルトのみ備えており飛行甲板は有していない。