概要
劇場版ONE PIECEシリーズの中でも、特に副題に「FILM」と名付けられる作品の総称。
最大の特徴として、原作者である尾田栄一郎が制作総指揮・総合プロデューサーとして関わり、原作本編にも関わる様なストーリーが描かれること。
ただし、留意すべき点として、映画で描かれる内容自体はあくまでもパラレルであり、決して直接関わるものではない。
特徴
最大の共通点として原作者が制作指揮に大きく関わっている。と言う点が挙げられるが、従来の劇場版シリーズと比較すると、以下の様な共通点がある。
- 1.映画の内容が原作本編と密接に関わっている。
原作者の尾田先生が、原作本編で使用しなかった設定を使用したり、または後々登場する設定の先出しを行なっている。
前者の例としては、本シリーズ1作目のボスキャラである金獅子のシキは、本来ならば原作で登場させる予定があり、シャンクスと白ひげとの対談で名前を出すつもりだったが、諸事情から没になっていたことが明かされている。
映画公開後も、ロックス海賊団の設定の際にも名前だけだが再登場を果たしたり、四皇にまつわる設定の重要人物ともされたりと、大きく影響を与えている。
後者の例としては、ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)の隠されている島であるラフテルの綴りが判明している。
- 2.原作から登場するキャラが多い
これまでの劇場版では、回想シーンと原作エピソードのリメイクである『エピソード・オブ・○○』を除けばルフィたち麦わらの一味以外は登場しなかったが、本シリーズではゲストキャラと同じくらいかそれ以上登場する。
また1.に関連して、時系列が新世界編に移ったシリーズ2作目以降では、元帥に就任したサカズキや海軍大将を辞めた"青雉"ことクザン、CP9からCP‐0に移ったブルーノとカリファなど、一部は2年後の姿が原作に先駆けて描写されている。
- 3.映画オリジナル衣装
従来の劇場版シリーズが『ONE PIECE』という作品を多くの人に知ってもらう為の宣伝的な役割を担っていた為か、主に原作やテレビアニメと同様の衣装で登場するのに対して、本シリーズでは映画オリジナル衣装やキャラクターデザインを原作者自ら手がけている。
- 4.副題が簡潔
従来の長編アニメ作品が、映画であれば『ねじまき島の冒険』や『珍獣島のチョッパー王国』の様な明るい副題をつけたり、本編の人気エピソードを抜粋して総集編化した「エピソード・オブ・○○」の様な副題をつけていたのに対して、本シリーズの場合は英単語やアルファベット1文字を使用するなどの副題の簡略化が行われている。
シリーズ作品
カッコ内は全体での順番を指す
No. | タイトル | 公開日 | 備考 |
---|---|---|---|
1(10) | ONE PIECE FILM STRONG WORLD | '09年12月12日 | |
2(12) | ONE PIECE FILM Z | '12年12月15日 | |
3(13) | ONE PIECE FILM GOLD | '16年7月23日 | |
-(14) | 劇場版 ONE PIECE STAMPEDE | '19年8月9日 | テレビアニメ放送20周年記念 |
4(15) | ONE PIECE FILM RED | '22年8月6日 | 原作連載25周年記念 |
※『STAMPEDE』は尾田先生はあくまで監修の立場であり、厳密には含まれない。
ゲストキャラクター
STRONG WORLD
かつてゴールド・ロジャーと覇を競った大海賊。
金獅子海賊団を率いる。
FILM Z
黒腕のゼファー(ゼット)
ガープやセンゴクと同期の元海軍大将で、これまで登場した海兵のほとんどを育て上げた人物。
NEO海軍を率いる。
FILM GOLD
黄金帝、怪物とあだ名される大富豪。
STAMPEDE
かつてのロジャー海賊団の一味。