プロフィール
人物像
ナイトオブラウンズの一員である少年。地位は「ナイトオブスリー」で、マントの色はダークグリーン。
名門貴族出身だが、卓越したKMF操縦技術で今の地位を手に入れた実力派である。専用機はトリスタン。独特に編んだ金髪が特徴。
作中ではスザクを手伝う為に、アーニャと共にエリア11を訪れて、後にアッシュフォード学園高等部に入学した。
普段は陽気な自由人だが、戦闘では常に余裕を見せた態度で振舞う自信家。一方で、ナンバーズ出身であるスザクに対しても親しく接する(スザクもラウンズとの戦いの際にジノだけは殺さなかったので、お互いに友情はあったと思われる)など、基本的に誰に対しても気さくで人懐こく、ブリタニアの貴族らしい差別意識なども低い(三男として特に期待もされずに生まれたせいか、そもそも貴族としての意識自体が低い)。その明るい性格や容姿もあって学園内では女子からの人気も高いが、やはり貴族のお坊ちゃんである為に、庶民の文化には疎い。
ラウンズ内ではスザクの他には、ナイトオブシックスであるアーニャと特に仲が良く、よく一緒に行動している。その一方で、ナイトオブテンのルキアーノとは険悪であり、彼からは「家柄だけのお坊ちゃん」と見下されているのに対して、「家柄で決まる程ラウンズは軽くはないでしょう」と彼にしては珍しく皮肉交じりに冷たくあしらっている(もっとも、ルキアーノと仲良くできる人物の方が珍しいだろうが)。
太平洋上で戦って以来カレンに関心を抱いており、一目見た彼女の事を「好みのタイプ」と賞している。カレンがブリタニアの捕虜になった時には、ブリタニア側に戻る事を持ちかけた事もある。
後にビスマルクらと共に、皇帝となったルルーシュに反旗を翻すも、スザクに返り討ちにされてしまい、そのメンバーの中で唯一生き延びる。自分の守るべきものの為に、あくまでもルルーシュと敵対し戦う事を決意して、その後は黒の騎士団に合流して改造されたトリスタン・ディバイダーでルルーシュらとの最終決戦に臨む。ルルーシュの蜃気楼を破壊するも、スザクのランスロット・アルビオンとの戦闘では敗北する。
しかし、ダモクレスのプレイズムミナスを部分解除して、カレンをスザクの元に送り届ける事には成功した。その後は、スザクと相打ちになって殆ど大破した状態で落下する、カレンの紅蓮聖天八極式を受け止めて救出した。
ファンからの評価
このように展開だけ見るとそれなりに纏まっているようにも見えるが、その一方で、ルルーシュに対しての「私はお前の世界を認めない」という発言に関しては
「家柄に拘らないと言いながらも、結局は貴族の権益や旧体制に縋りつきたいだけではないか」
という指摘も多く存在する。これは上記の彼の「守りたいもの」というのが、作中でまるで見えてこないからである。
また、ジノは自身が味方する事になったシュナイゼル(と黒の騎士団)に対しても別にこれと言った大義もなく(シュナイゼルの「フレイヤによる恐怖政治」も、当然ながらルルーシュのギアスによる独裁に勝るとも劣らない程に危険である)、そもそも最初はシャルルの仇討ちを目指すビスマルクに同行していたにもかかわらず、ビスマルクが倒されると今度はそれまで敵対していた筈の黒の騎士団に擦り寄る形になった為に、特に信念らしい信念も見せないままブリタニアと黒の騎士団の間を尻軽に飛び回りながら、正義の味方のような台詞を吐くジノに対して「薄っぺらい」という批判が向く事もある。
一部のファンからは、「自分自身の主義主張も特に無く、半ば流されるまま何もかも無くした結果、かつて関心を持っていたカレンに拠り所を求めて彼女のいる黒の騎士団に身を寄せたのではないか」とも推測されている。事実か否かは不明であるが、もし本当にそうだとすれば、この上無く情けない行動と言えるだろう。
小説版の「ナイトオブラウンズ」では彼の事が掘り下げられており、「騎士は与えられた命令に従うだけの存在だからこそ、弱い奴が向いている」という独自の考えを持っている事が明かされている。スザクに対して関心を持ったのも、彼の弱さや自罰的な面にある種の共感を持って認めたからである。
ただし、与えられた命令に疑問を持たないようにして、忠実に実行すると言えば聞こえは良いが、これは言い方を変えれば何の思想も持たずに、ただ国に帰属しているだけという自分の弱さに対して開き直っているともとれるような考え方であり、上述の彼の薄っぺらさを裏打ちしているとも言える。
平時であればそれでもいいのかもしれないが、クーデターによって仕えるべき国家や主君が変わった激動の時代においても、仮にもナイトオブラウンズに席を置く人間がこのような軸のない考え方でフラフラしていたのは、大いに問題があったと言えるだろう。
そしてやはり彼の戦う理由とは結局、シャルル統治時代のブリタニアへの執着以外のものは特に何も見えてこず(これは描写不足も大いにあったのだろうが)、結果的に自らの戦う理由と道を改めて自分の意思で見出したスザクには二度も敗北して、その上に最終決戦では自分の手で決着をつける事もできずに、最終的にはカレンに丸投げしたとも言える顛末だった。
そして、この在り方が特に変わったり成長したような様子も特に無いまま、やはりルルーシュの死後の世界を謳歌している様子が小説版で描かれており、これらの事から流石にこの人物程ではないものの、最終的には改めてファンからの批判とバッシングを集める事になってしまった。
基本的に決して悪人ではなく、普通に接する個人単体の付き合いでは良い奴ではあると言えるが騎士や軍人、責任ある立場の人間としては軸が無く、思考放棄気味な部分が露呈してしまった結果だと言える。
関連タグ
アーニャ・アールストレイム ビスマルク・ヴァルトシュタイン ドロテア・エルンスト
ルキアーノ・ブラッドリー ノネット・エニアグラム モニカ・クルシェフスキー
ガエリオ・ボードウィン:似た者同士