概要
オルドビス紀の海に生息していたとされる細長いおたまじゃくしのような体型をした海洋生物。体長約25センチ、名前の意味は「サカバンビラの甲羅」。サカバンビラ(Sacabambilla)は最初に発見された南米・ボリビアの村の名前。
骨でできた楕円形の甲羅が背中とお腹を覆うようについており、なかなか防御力の高そうな姿をしている。近縁のアランダスピスより平坦な体つきで、化石の分析により3枚の尾びれをもつことが判明している。
現生種ではヤツメウナギなどが属する無顎類に分類され、口に顎が無く、同時期の近縁種と同様に海底付近で泥をかき散らしたり水中を漂う有機物やプランクトンを探したりして食べていたと考えられている。
正面に付いた目と、そのすぐ下の口が弧を下にした半月状になっているのが特徴。口の下半分は細かい鱗に覆われており、柔軟に動いたと考えられている。
なお、直接の関係はないが、1億年ほど経ったデボン紀に彼らのように体の前半を鎧で覆った板皮類というグループが現れた。
あの模型
フィンランドにあるヘルシンキ自然史博物館ではこの魚の模型が展示されているが、
- やけに小さく下に尖って微笑んでいるように見える口
- 口角部分の横にある生気のない丸い目
- 窪みもないため際立つ虚無顔
- 鱗及び背びれ以降の部分をカット
- 全体的に太短い体
といった点が何とも言えない造形を生んでおり、展示位置もオルドビス紀ではなくデボン紀にされたため、地元民からの評価は低い。
しかし、あまりのシュールな見た目から2023年にふたば☆ちゃんねるでひとしきり流行ったあと、6月中盤にTwitterで爆発的な人気となった。
翼甲類の特徴をまるで再現できていない一方、実はちゃんと鼻腔があったり鱗を思わせるギザギザが下唇にあったりとこの種の特徴である顔は化石標本を十分に再現できている。
関連タグ
水を吐くフグ IKEAのサメ チンアナゴ:Twitterの魚ブームのある意味先輩
ボクカワウソ くちくいきゅう マムル:フォルムや顔のバランスがヘルシンキ自然史博物館の模型と似ている。