「小僧… 泣くだけじゃ何も変わらん」
「強くなれ!!」
「そうすればクソ野郎どもにくやしい思いをしなくてすむ」
「シェリーーーーー!!!」
「てめえの執念が追っていたものは… てめえの信じていたものは… あんな言葉で潰されるものだったのか!?」
「王の特権で魔物を消すなどつまらんことだ」
「どんな悪党がいようが、オレは自分の力でそいつらを治めてみせる」
プロフィール
本の色 | 黒 |
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人間換算年齢 | 14歳 |
好きな食べ物 | 魚(シャチ)、けもの肉 |
趣味 | 強い奴と戦うこと、ハイキング |
CV | 小嶋一成 |
概要
作中に登場する全魔物の中でも最強クラスの強さを持つ「優勝候補」。本の持ち主はシェリー・ベルモンド。
今作の主人公であるガッシュと清麿にとって最大のライバルといえる存在であり、時には協力者ともなる存在(あくまで人間換算年齢ではあるが、清麿と同じ年でもある)。
公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」では、作者の雷句先生から「戦いに参加する魔物の中の8割は彼を恐れている」と回答されており、現にその実力は非常に高く、邂逅編・石板編・ファウード編・クリア編の全てで圧倒的な戦闘力や唯一無二の役割を担うようなシーンが必ず描かれるほど。
人物像
容姿
うねるように逆立った黒髪と、灰色に近い白肌、両目の上下に走る黒の模様が特徴的(魔物特有の生まれ付きの模様なのか、いわゆるフェイスペイントの類なのかは不明)。両腕にも同じような色の模様がある。
服装は作中を通して変わらず、半袖の網シャツ(胸元くらいの短さ)の上に厚めの黒いファーのような独特の衣装を羽織り、ズボンも同じく黒いファーのようなもの。靴も黒く、つま先部分に鉄が仕込まれたような物になっている。
また、胸元には骸骨のような化け物(?)が描かれた灰色のプレートのような物を付け、腹部にはあばら骨に沿うように6本の骨のような飾りを付けている。
両腕や腹筋も非常に逞しく鍛え抜かれており、一目見ただけで強者だと感じ取れるような威圧感を醸し出している。
公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」では、「ブラゴに外見上のモデルはいますか?」という質問に対し、作者の雷句先生は「モデルというか、ガッシュと正反対のイメージで、『強さの象徴』としてデザインしました。男気のあるところが気に入っています」と回答している。
後半からは身長が伸びているようで、初期と最終回では体格差がある(原作1巻時点では頭がシェリーの胸部よりやや下か同じくらいの高さだったが、原作33巻では身長170cmのシェリーと並んでも数cm程度にまで差が縮まっている)。
性格
基本的に冷静かつ無表情。口数も少ない方であり、日常パートでも戦闘シーンでも表情が変わることはほとんどない。
人間界へ来た当初はガッシュとの初戦で彼を見下すような発言をしたり、回想シーンでは「屋内で術の練習をすれば関係ない人を巻き込むから場所を変えよう」と提案されただけでシェリーの執事である爺やシェリー本人に暴力を振るう等、粗暴な面が目立っていた。
だが、人間界での戦いやシェリーとの旅を通じて何か感じるものがあったのか、ポッケリオ戦の後には疲労と高熱で倒れたシェリーを(口ではボヤきながらも)自身の上着をかけながら背負って運んだり、カナダの雪山ではタチの悪い地上げ屋に家を壊されそうになっていた老人と子どもを助けた上で記事冒頭のような言葉を静かにかけたりと、精神面でも大きく穏やかに成長していく。
徐々に変化していく様子をシェリーと共に間近で見ていた爺からも、「最初の頃の危険で荒々しい振る舞いが、今では威厳や風格に見えるほど」「厳しくも優しい王たる風格」とまで評されるようになった。
また、完全版おまけ漫画『ガッシュカフェ』によると、雑談といった会話はしないタイプで、シェリーから不満を抱かれていた様子。
キャンチョメ・フォルゴレの提案でシェリーとデュエットをしたときは素直に楽しんでおり、強面な容姿に反して感性は意外と(?)普通であると判明した。
もっとも後述のように、おそらく特別な立場であり英才教育を受けていたが故に、幼少期からあまり娯楽に触れていなかった可能性もある。
ギャグシーンでは
ギャグシーンを担当したり、唐突にギャグのような台詞を発するシーンはほぼ無いのだが、唯一の例外が原作29巻における清麿がアンサートーカーを一時的に消失してしまう原因となった夢(通称「アホな夢」)である。
この夢の中では、「ブラゴ大将軍!!」というやたら濃いタッチの太文字を背景に、ライオンのような猛獣の顔が描かれた腰巻き一丁の姿で啖呵を切っており、清磨(と読者)を絶句させた。
その後もシェリーからトスされたテニスボールを高笑いしながらお手玉した後、唐突に清磨に「アホのお手玉」なる速球をおみまいしている。一部のファンやサイトでブラゴが大将軍と呼ばれる事があるのはこの回が原因である。
とはいえ、勘違いされることもあるが、このシーンでのブラゴはあくまで「清麿の夢の中に出てきたブラゴ」であり、いわゆる「鬼麿」や「暴れん坊状態のティオ」のように、「現実にいるブラゴ本人」が豹変してしまったわけではない。
ファンの中にはキャラ崩壊同然の描写を(ネタだとわかっていても)あまり快く受け取れない層もいるので、大将軍ネタでイジる際には場を弁えた方がいいだろう。
実力
「優勝候補」という肩書きや、「戦いに参加する魔物の中の8割は彼を恐れている」という設定に違わず、術に頼らないブラゴ自身の戦闘力も並の魔物を遥かに上回っている。
作中では、
- アッパーの一撃でアマゾン川流域に生息するワニを気絶(絶命?)させる、ブルドーザーを凹ませた上で数メートル以上打ち上げて大破させる等、魔物ということを考慮しても並外れているとしか言いようのない腕力。
- 公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」ではパンチ力について、「軽く打っても数トン」「トレーラーが全速力で突っ込むぐらいの威力」と解説されている。
- 原作終盤ではデュフォーの指導を受けて過酷な環境に身を置き、拳圧だけでサハラ砂漠の砂を爆発が起きたかのように数メートル以上舞い上げる(あるいは砂丘を粉砕している?)という凄まじい修行を経て更に強靭な肉体を得た(修行後の実力については後述)。
- 満身創痍も同然になってしまったとはいえ、ゾフィスのディオガ級呪文たるディオガ・テオラドムをも術での迎撃(威力減少)や肉体強化呪文抜きで受け切り、戦闘を継続できるほどの頑強な肉体。
- フリガロのラギコル・ファングによって左腕が千切れ飛んでも顔色一つ変えずに戦闘を続行し、クリアとの初戦では両腕と右足の筋力を削がれ、上級呪文が容易く消滅させられても戦意を喪失せず、むしろ新呪文を発現させる程の極めて強固な精神力。
- このように激痛や絶望に対しても全く心が折れない描写が複数見受けられるため、「キャンチョメのシン・ポルクによる精神ダメージにも耐え抜いて勝てるのでは?」と考察されることもあるほど。
- 他、作中で明言こそされていないものの、邂逅編では自ら世界各地を飛び回って多くの魔物を倒していたり、ファウード編ではファウードの外にいながらもガッシュの力が上がっていることを感じ取っている描写があるので、モモンやアシュロンのような超広域の魔力感知能力を初めから持っていた可能性が高い。
等、特に肉体面において並外れた強さを持つことが度々描写されている。
また、原作239話におけるキースの回想ではゼオンや「竜族の神童」のシルエットが映るコマで(ほぼ間違いなく)ブラゴのシルエットも映っており、該当シーンの台詞も踏まえると王族に近い身分の生まれで、魔界時代から特別な教育を受けていた事が窺える。
クリア編では前述のようにデュフォーの指導を受け、元から作中トップクラスであった実力を更に鍛え上げ、以下のような著しい成長を遂げた。
- 幾つかの術は元から修得していた可能性もあるとはいえ、修行後の戦闘シーンでは新呪文を計8個も披露し、術の総数も19と作中最多に。
- しかも作中でただ1人シン級呪文の複数修得を成し遂げ、2つのシン級呪文はどちらもクリアのシン級呪文を捻じ伏せるほどの性能を持つ。
- 術に頼らない素の肉体面も遥かに強くなっており、肉体強化呪文抜きでも鎧形態のクリアを数メートル以上も打ち上げ、マント形態のクリアの顔面を殴りつけた際には一瞬とはいえ白目を剥けさせるほどの驚異的なパワーを披露している。
- 腕力だけでなく反応速度や瞬発力も大幅に増したようで、クリアとの決戦ではガッシュが合流するまでは肉体強化呪文をほぼ使わずとも鎧形態クリアのスピードや殴打を何度も見切って致命傷を避け、長時間の防戦を成立させている。
- また、作中でも最高クラスの魔力感知能力を持つクリアにすら「微かな魔力には気付いていたが、ガッシュ達の相手をしている間にここまで近寄っているとはな」と言わしめるほどの非常に優れた魔力隠蔽能力をも体得し、現にクリア相手に不意打ちを成功させている。
等、実質的には鎧形態クリアとも1vs1で戦えるほどの非常に高い総合戦闘力を身に付けた。
術
作中で唯一「重力」系の術を修得している。
厳密に言えば、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にてイソジンという千年前の魔物の術属性が「重力」と記載されているのだが、戦闘描写が無いためブラゴと全く同じ術なのかは不明(イソジンの詳細は「関連人物」の項目を参照)。
一応、原作1巻では清麿にレイスを放った際「目に見えない力の塊」と述べられたこともあったが、この表現は以降一切用いられていない。公式書籍でも術属性は「重力」で一貫している。
また、重力の色はカードゲーム・家庭用ゲーム等を通して紫色で統一されている。
アニメ版では、ブラゴの手から発せられる光とレイス系統の重力弾は紫色(リオル・レイスのみ黄緑色で表現されているシーンもある)、グラビレイ系統の重力場は黒で表現されている。
術の傾向としては主に「重力を弾丸にして発射する」「上空から重力をかけて押し潰す」「特定の位置を起点として引力を発生させる」「重力のエネルギーを身に纏う」の4種に大別され、下記のように豊富なレパートリーを誇る。
前述のように、術の総数も19と作中最多、かつ作中で2人しかいない自力でのシン級呪文複数修得者の一人(もう一人はクリア。「事実上のシン級」や「金色の本で発現したシン級」は除く)。
ブラゴ本人の実力だけでなく、術でも作中トップクラスの要素を兼ね備えているといえるだろう。
レイス
掌から重力弾を発射する。
初使用時は手のひらサイズだったが、石板編で使用した際には(パムーンの本の持ち主であるランスを含めて)清麿達を5人まとめて吹き飛ばせるサイズになっており、殺傷力の低さを逆手に取り人間達を安全地帯まで移動させるためにも使われた。
グラビレイ
手をかざした目の前に重力をかけ、相手の動きを封じる術。
公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」では「重力場を変化させて動きを封じる」と解説されている。
初級呪文であり範囲も狭めだが、物語初期のガッシュや清麿であればそう容易くは動けないほど強力。
ギガノ・レイス
レイスの上位術であるギガノ級呪文。より巨大な重力弾を発射する。
作中で初めて登場したギガノ級呪文でもある。
公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」では「黒い重力風を纏った強力な重力弾」と表現されている。
ちなみに(おそらく初期の頃は等級等の命名法則がまだあまり決まっていなかったのか)「ギガノ・レイス」と「ギガノレイス」で表記揺れしている場合もある。
アイアン・グラビレイ
グラビレイの上位術であり、邂逅編で登場した全ての術の中でも際立って強力な呪文。
グラビレイより更に強力かつ広範囲の重力を展開し、範囲内にいる敵を並の術や周囲の環境ごと押し潰す。
シェリーが力の放出を続ければ重力場を移動させ続けることも可能で、ポッケリオ戦ではブラゴを中心として円状に重力をかけ続けることでアマゾンの一帯を更地と化すほどの威力と範囲制圧力を見せた。
アイアン級(系?)がどの等級に匹敵するのかは不明だが、少なくとも並のギガノ級は裕に上回るほどの破壊力なのは間違いないだろう。
ディオガ・グラビドン
複数の真空の鎌を伴う、特大の重力弾を放つ術。
作中で初めて登場したディオガ級呪文でもある。
ディオガ級なだけあり威力は高く、ゾフィスのディオガ・テオラドムと相殺し、最後には完全に打ち勝ってゾフィスに決定打を与える、上述のカナダの雪山ではダイナマイトによって生じた雪崩を完全に受け止めた上で雪山自体を粉砕する等、石板編の時点ではトップクラスとも言える強さを誇る。
ビドム・グラビレイ
両手をかざした2か所に同時に重力をかける「グラビレイ」の派生術。
効果範囲が増しているのかは不明だが、上空にいる魔物を纏めて叩き落とすことも可能なので、おそらく高さの射程は増していると思われる。
リオル・レイス
両手から細長く伸びた螺旋状の「レイス」を放つ術。
ブラゴの手に合わせて軌道を変えることも可能。
オルガ・レイス
螺旋状のレイスを直線的なビームのように放つ術。
バベルガ・グラビドン
グラビレイの上位術であり、石板編で登場した全ての術の中でも最強クラスの術。
一撃で大地や建物が底が見えないほど深く陥没する程の威力を誇る重力場を広範囲に展開する呪文。
作中では、
- ゾフィスがけしかけた数十体の魔物を射程範囲に入れてから唱え、一撃で全員まとめて床ごと遥か下の階まで叩き落としてトドメをさす。
- ゾフィスのディガン・テオラドムによる強力な爆発球(おそらくテオ級並?)を全て押し潰した上で彼の腕に腫れあがるほどのダメージを与える。
- 超高速で移動するファウードが足を引っかけて転倒するほどに海面を陥没させる、ファウードと直接戦った際にはファウードの指を折り曲げて攻撃の軌道を変えさせる。
等、その破壊力と規模は並のディオガ級すら上回っている。
ディボルト・ジー・グラビドン
ファウード編~クリア編の境に修得した術。
ディオガ・グラビドンと同程度の大きさであり、中に真っ黒な重力球が10個ほど敷き詰められた重力球を発生させる。
ミール曰く「空間ごと相手を捻じ曲げる」術らしい。
正確な威力は不明だが、クリアとの初戦ではシェリーが「今のブラゴの最大の攻撃術」と称していたり、ガッシュとの決戦ではエクセレス・ザケルガと相殺している描写もあるので、名前に「~ドン」が付くことも踏まえるとディオガ級相当は間違いないと思われる。
ニューボルツ・マ・グラビレイ
クリアとの初戦で発現させた、ファンの間ではいわゆる「マ級」に当たると評される強力な呪文。
手をかざした上空に、周囲の大地が瓦礫となって剥離し引き寄せられるほどの超強力な引力を発生させ、相手を身体ごと押し潰す。
その引力は作中最強クラスの魔物であるクリアでさえも一瞬で身体をコの字に曲げられ、手足を動かすにも苦労するほど。
尚、後のブラゴの「数秒は動けないはずだったな?」という台詞から、「所詮クリアを動けなくしたのは数秒だけ(=だからそこまで強い術ではない、弱い)」等とネガティブな解釈や過小評価をされることもあるが、それは誤りである可能性もある。
現にクリアは腕を動かすだけでもそれなりの力を込めていたし、アム・ドュ・スプリフォでこの術を消滅させるまでは決して自由には動けておらず、素の身体能力で重力場の外まで離脱できたとは考えにくい。ガッシュとの決戦で使用した際にも、清麿は即座にラウザルクを唱えるという対処をしている。
よって上記のブラゴの台詞は「(この術に捕まってから反撃の呪文を唱えて消滅させるまでの)数秒は動けないはず」という意味だと思われ、クリアや修行後のガッシュですら自力では離脱できないと見なせば非常に強力な術であるのは確かだろう。
ザング・マレイス
腕を手刀のように振ると同時に刃の形をした重力を飛ばし、対象を切り裂く。
ボルツ・グラビレイ
任意の地点に小規模な引力を発生させ、重力で相手を吸い寄せる術。
登場順こそ後だが、上記のニューボルツ・マ・グラビレイの下位術だと思われる。
ニューボルツ・マ・グラビレイと比べて重力が「強過ぎない」ため、これを応用して自ら急速に相手に接近し、一撃を叩き込むこともできる。
アム・グラナグル
両腕に重力のエネルギーを纏う肉体強化術。
ブラゴ自身の腕力も相まって威力は高く、何度も殴りつければクリアすら危うく首の骨が外れかかるほど。
ベルド・グラビレイ
帯状の重力を展開し、相手の術を吸収する。
一応「ルド」が入っているので防御術だろうか?
ちなみにクリアが「吸い込みきれない消滅波は斥力で弾いたか」と述べているが、これが「この術自体に斥力で弾く性質がある」のか「ブラゴが修行で細かなコントロールを身に付けて術の効果を拡張させている」のかは不明(クリアの台詞のニュアンス的に、おそらく後者だと思われる)。
ディゴウ・グラビルク
全身に重力のエネルギーを纏う肉体強化。
ディ+ゴウ級なので強化幅は高いと思われ、空中で使用した際には鎧形態のクリアを勢いよく地面に叩き付けるほどの蹴りを見舞った。
更にガッシュとの決戦で使用した際には、テオザケルと思われる強力な電撃をほぼ無傷で突破するほどの耐久力も披露している。
クエアボルツ・グラビレイ
高さ数メートル以上もある長方形の重力板を3枚発生させ(羊羹をイメージしてもらうとわかりやすい)、触れた相手の術の速度を落とす。
クリアが「クエア・スプリフォ」という防御術を使用しているので、これも防御術の一種だろうか?
ちなみに「クェア」ではなく「クエア」なので注意。
ニューボルツ・シン・グラビレイ
ボルツ系統のシン級であり、ブラゴが持つシンの術の一つ目。
ニューボルツ・マ・グラビレイより更に巨大かつ強力な引力を発生させる。
不意打ち気味かつ、既に巨大な砲台そのものを発射した後だったとはいえ、クリアのシン級呪文たるシン・クリア・セウノウス・ザレフェドーラの砲手と土台を一撃で原型を留めないほどに押し潰して圧死させ、跡形もなく捻じ切るほどの凄まじい威力を誇る。
シン・バベルガ・グラビドン
グラビレイ系統のシン級であり、ブラゴが持つシンの術の二つ目。
バベルガ・グラビドンよりも更に大規模かつ強力な重力場を展開する。
今までアイアン・グラビレイやバベルガ・グラビドンといったグラビレイ系統の上位術が強力だったことに倣い、この術の威力も(特別枠に等しいシン・ベルワン・バオウ・ザケルガ等を除けば)作中最強クラス。
修練を経たブラゴ自身の力とシェリーの心の力で生み出される威力も相当だが、修行を経て体得した「地球の力(自転)を少し借りる」応用性を発揮すれば、相当の肉体的負担こそかかるものの「クリアの術の頂点」たるシン・クリア・セウノウスすら完全に上回って地に叩き伏せるほど。
ガッシュとの決戦でも修行を経て遥かに強くなったとされる制御後バオウと拮抗しており、やはり一個人が出せる術の威力としては最上位クラスであることがうかがえる。
関連人物
ベルモンド家の令嬢にして、非常に高い精神力と心の力を持つ最高クラスの本の持ち主。
研ぎ澄まされた連携、そして互いの厚い信頼から成る圧倒的な実力で勝ち抜いていく。
本編では基本的にシリアスなシーンでの絡みが多いが、僅かながらコミカルなシーンも描かれており(アマゾンでブラゴが勝手にワニを取ってきたため、渋々ワニ肉を食べるシェリー等)、pixivでは二人のラフな一時を想像した微笑ましいイラストや漫画も多数投稿されている。
- 爺
シェリーの執事兼ボディーガード。シェリーが幼い頃からベルモンド家に仕えている、彼女の良き理解者。
ブラゴが魔物であることや王を決める戦いについて知る数少ない人物にして、ブラゴの王としての資質を最初に見抜き、二人を暖かく見守る。
今作の主人公ペアにして、ブラゴペアをライバルと見なしている相手。
ブラゴも次第にガッシュの実力を認めていき、原作終盤では純粋な力のぶつけ合いで決着をつける。
爆発系の術を使う狡猾な魔物であり、シェリーと共に追い続けてきた因縁の敵といえる存在。
石板編ラストで遂に直接対決し、重力vs爆発の熾烈な戦いを繰り広げる。
キースの台詞にて、同格の生まれや教育にて育ったことが示唆されている魔物達。
彼らも作中最強クラスの実力を持つ猛者達である。
- イソジン
石板編で登場した千年前の魔物の一体。ブラゴと同じ(?)重力属性。
さすがに個別記事を作るにはマイナー過ぎるキャラなので、少し長くなるが当項目で解説する。
初登場は原作103話。千年前の魔物達が一斉に復活する見開きページの場面でパムーンの右隣にいる、ギョロリとした二つ目を持つイソギンチャクのような魔物。
「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」では、本の色はチャコールグレイ、本の持ち主の名前はカラマンリスだと明かされている。
最後に登場したのは原作109話であり、ブラゴのディオガ・グラビドンをくらい、イカゲッソ、ザクソンと共に本を燃やされて退場し出番を終えた。
……と、これだけなら他のモブ石板魔物と同じように思われるかもしれないが、実は色々と気になる要素が幾つも見受けられる興味深い(?)魔物でもある。
具体的には、
- 上述のように(ほぼ間違いなく)イソギンチャクをモデルにしているにもかかわらず、なぜか名前が「イソギン」ではなく「イソジン」。
- (単に石板の並び順だったとはいえ)原作103話では2コマもパムーンの隣におり、更に「外伝 ナゾナゾ博士とキッドの光の旅」ではビクトリームから見て右斜め後ろ、レイラから見て正面、パムーンから見て右斜め前というちょうど読者人気の高い石板魔物3体に囲まれるような位置で佇んで(?)いる(ナゾナゾ博士とキッドが望遠鏡で様子をうかがい、「何て… 軍勢だ…」と驚くページの大ゴマ参照)。パムーン達の仲間だったりするのだろうか?
- 「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」では、モブも含めた石板魔物全員の強さが星の数で評価されており(最低が星1~最高が星5)、ほとんどのモブ石板魔物は星1であるにもかかわらずイソジンは星2。これは本編でガッシュと戦ったアルムや、ウマゴンと戦ったダルモスと同格の強さである。
- 本編においても、ゾフィスはブラゴの元へ強めの魔物を何度も向かわせていたことが明かされているので、イソジンもまた選りすぐりの強さを持つ魔物だった……のかもしれない。
- また、ブラゴと戦って送還されるシーンでは、なぜか本の持ち主がどこにも見当たらない。
- シェリーに「こ、ここは…? あんた達は…?」と訊いている男性はザクソンの本の持ち主であるカーター、彼の隣で側頭部を押さえている者はイカゲッソの本の持ち主であるバウザーだと「まるかじりブック2」に明記されている。同じく「まるかじりブック2」においてもカラマンリスの写真は「NO DATA」となっている)。
- 書き忘……ココのように遠隔地から呪文を唱えていたのだろうか? だがイソジンのすぐ傍で本が燃えているし、操られている本の持ち主は本が燃えたらその場で気絶することを考慮すると、「カラマンリスが遠隔地から術を唱えていた」「洗脳が解けた直後に動揺して逃げ出してしまった」等の可能性は低いと思われるが……。
等があり、もし多くの読者やファンに存在を認知されれば、いつか考察の対象として脚光を浴びる日が来る……のかもしれない。
原作の最終決戦にて(ネタバレ注意!)
アニメ版では(諸所の都合等で)クリア編が描かれないため、最終回でモチノキ町の海岸に現れ(ゾフィスの時の借りとして)暴走したファウードの動きを止めてガッシュを援護。
そしてラストシーンはガッシュとの一騎討ちが始まったところで終了、という形で締めくくられた。
一方、原作ではクリア完全体を無事撃破した後、最後に残ったガッシュと王の座を賭けて真剣勝負を行った。
戦いの中では最初に出会った頃を思い出しながらガッシュの成長を喜び、「見事、全くもって見事」と戦いを楽しんでいた。
清麿のアンサートーカーの力をもってしても互いの力が拮抗した激闘が繰り広げられ、最終的にはバオウ・ザケルガとシン・バベルガ・グラビドンの打ち合いで惜しくも敗れる。
そして本が燃え、魔界と帰ってしまう直前にはシェリーに最初で最後の感謝の言葉を言い残し、彼女と手を繋いだまま送還された。
最終話では学校の教室(?)で一人読書をしている姿が描かれており、シェリーは届けられた手紙を見て涙していた。
そして連載終了後、作者ブログにてブラゴはシェリーが好きで、手を繋いだのは彼なりの愛情表現であった事が明言された。
劇中でもデュフォーに「パートナーへの余計な気遣いが生まれている」と指摘されており、ある種の伏線があった。
ちなみに、魔物が人間に好意を抱いていたのはウォンレイに続いて二人目である。
また、同じく作者ブログでは「将来は大将軍になる」と回答されているが、これが本当に軍事的な組織のトップに立つという意味なのか、上述のギャグシーンをネタにしたものなのかは不明。
一応、原作261話におけるゼオンの回想でラジン中将なる魔物が登場しているので、魔界にも軍隊のような組織が存在していることは確定だと思われる。