概要
CV:ホーライン・ニューストーン/吹:岩永哲哉
『トランスフォーマー』シリーズの一つ『ビーストウォーズ』の登場人物でサイバトロンの一員。初登場は第12話。スキャンした動物はハヤブサで、この時点でのサイバトロンとしては貴重な飛行可能なメンバーであった。
基本的にタイガトロンと一緒にいる事が多いが、単独行動が多い彼とは違い、他のサイバトロン戦士との行動も少なくない。性格は純真かつ穏やかだが、ツッコミは結構キツい。掛け声は「ハイヤー!!」
落下時に生命維持・起動用ポッドが損傷してしまい生命の危機に晒されたが、ライノックスの尽力により何とか誕生する事が出来た。そのため、ライノックスに対しては「親戚の叔父さん」的な親しみを感じているらしい。
性別について
日本語版『ビーストウォーズ』では男性キャラクターとして知られているが、原語版では女性であり、名前もエアレイザー(Air razor)となっている。
これは「男児向けトイで女性キャラは売れない」という不文律に基づく玩具の販促の都合によるもの。元々女らしく見える場面が少なめであった為か日本の視聴者にはそれほど違和感もなく映り、タイガトロンと次第に恋仲になっていく描写があたかも友情が深まっていくように上手いこと差し替えられていった。
が、続編の『メタルス』ではより2人の仲が深まるに連れ、同性愛的とも受け取られかねないBLのような展開となってしまった。しかもテレビマガジンの質問コーナーで読者の子供にこの事を突っ込まれた際には「友情が愛に変わったんだよ、変心ってね!」といった回答まで飛び出す始末。
ちなみに玩具では性別に関する設定は特に明記されておらず、エアラザーがアニメに登場する以前に発売された玩具写真を用いた児童書では原語版に則り「女性戦士」と紹介されている。
メタルス
本作では敵や味方の一部がクォンタム・サージを浴びたことで「メタルス化」というパワーアップを果たしているが、エアラザーは地球で誕生し、エイリアンや現地生物の要素が体内に多く取り込まれていたためメタルス化しなかった。
前作のラストでエイリアンが惑星破壊兵器を起動させた際に地上に落下したポッドを捜索するためタイガトロンと共にチームを離脱。辿り着いたエイリアンの観測スポットで罠にかかり共に拐われてしまった。この時もお互いに引き離されようとも見つけだしてみせると握り合った手を決して離さなかった。
その後再度地球に介入しようとしたエイリアンにタイガトロンと融合させられ(この時も意識は見られなかったが手は重ねられていた) 、「タイガーファルコンとして生まれ変わり、彼らの代行者として地球に送り込まれサイバトロンの元へ戻ってくることとなった。
余談だが、タイガーファルコンとして生まれ変わった時に表面化しているのはタイガトロンの人格であり、声優もそのままなので岩永哲哉はエイリアンに拉致された場面が最後の出演となってしまった。
今木商事版メタルス
今木商事氏による漫画版『ビーストウォーズメタルス』(コミックボンボン1999年11月号~2000年4月号)では原語版に則り女性のままであり、メタルス化を果たしている。しかも顔が擬人化された上に口調も女らしくなるなどの大幅なアレンジが加えられた。
↓本人降臨
どうしてこうなった…
タイガトロンを「様」付けするほどに彼を慕っており、行方不明となっていた彼を迎えに行った時は記憶喪失となっていた隙をタランスに洗脳され戦わされてしまう。致命傷を受けながらも洗脳を解くが、仲間達のもとに戻る事は叶わず力尽きてしまう。
その後はアニメと同様にタイガーファルコンとして復活するが、本作ではエアラザーの人格が強く表面化している。デストロン軍を蹴散らし、戦いが終わった後は戦死者達の魂をあの世へと導いていった。
このデザインは『Qロボ トランスフォーマー』(単行本は『爆笑トランスフォーマー ギャグコロシアム』、作者は今木商事)の時も同じだったが、初代メガトロンは「ファンだ」とぶっちゃけたり、ブラックウィドーはタイガトロン探しに協力的だが何故か写真集を出したり、レーザーウェーブには入浴時を盗撮されたりと、何故かデストロンサイドの受けが良い。あだ名は「エアりん」。
後に実写映画『ビースト覚醒』の玩具のPRに和田アキ子が選ばれ、顔部は人間でボディはプライマル(ビーストコンボイ)の姿に変形した。この漫画版のエアラザーの姿を考えると時代が追い付いたと言えるのかもしれない。
レジェンズ
玩具シリーズ『トランスフォーマーレジェンズ』のコミックでは、コンボイ社長が経営するアクサロン商事のOLという立ち位置になっている。web版の最初期から既に登場しているものの、出張版(玩具の説明書に掲載)と併せてもその出番はとても少ない。
しかし特筆すべきは男の娘にされてしまったことで、コミックの設定は日本語版アニメ準拠なため、中性的な男性にでもするのかと思いきや・・・坂本勇人先生何やってんすか。
第22話「ウィンドブレード後日談」では、往く当てのないウィンドブレードがタイガトロンの家に居候してきたところで
「僕というものがありながらタイちゃんー!!」
と叫んで押しかけてきた。その夜は美女(?)2人でタイガトロンを取り合いながら就寝した。なお、吹き出しの外をよく見ると「僕は男だからいいの!」という台詞が書き込まれている。公式何やってんすか。
ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー
CV:エリン・エーバース/吹替:高橋雛子
最終作である第3章『キングダム』にて、「エアレイザー」名義で登場。こちらは原語版と同じく女性である。
実写映画版
実写映画第7弾『ビースト覚醒』にてマクシマルの一員としてこちらでもエアレイザー名義で登場。性別は原語版、日本語版共に女性である。
巨大なハヤブサに変形するが、他のマクシマル達同様に全身に羽根が生えた有機的なボディに機械のパーツが付いているのが特徴。しかしながら、本編ではロボットモードに変形せず、終始ビーストモードのまま活動していた。
主な武器はビーストモード時に口から放射される熱光線で、劇中では飛行しながら橋を破壊したり、テラーコンを攻撃するなどしていた。この他にも猛禽類特有の強力な足でプレダコンを押さえ付ける場面も見られる。また、戦闘時には全身の羽が広がる事も確認されている。
ちなみに日本語吹き替えを担当した本田貴子氏は過去に『アニメイテッド』にて地球人の犯罪者の1人、スロー・モーを演じている。
玩具は『デラックスクラス』と『スタジオシリーズ』の2種が発売。『デラックスクラス』はロボットモードは従来のアニメ版を基準としているが、塗装などは劇中に近い。完全新規の設計で、ロボットモード時の足がビーストモード時の翼になる。武器は2本の刃物が付属。
一方『スタジオシリーズ』は更に劇中に近づけた姿になっており、大きさや塗装は異なるものの構造は『トランスフォーマーキングダム』版の物とほぼ同一(いわゆるリデコ)である。武器は腕に取り付けられる小型の銃が2つ付属している。
余談
玩具はレギュラーサイズ、および劇中未登場のトランスメタルが発売された。
ビーストウォーズ無印版では、翼部分に畳まれた刃を展開させ、アタックモードにする事が可能。これはビーストおよびロボットモード両方で可能。
メタルスでは、ビーストおよびロボットモードの他、フロートを展開させた飛行機のビークルモードに変形可能。また、ロボットモードでは装甲を下ろしたプロテクトモードも存在する。
ただしどちらの玩具も、トランスメタル・ブラックアラクニアとは異なり、女性的なプロポーションではない。海外版のテックスペックでは、女性キャラとして設定されてはいるが、見た目からはあまりそういうイメージは生じない(メタルスは中性的なプロポーションのため、男女どちらとも見たてる事は出来るが)。
海外版では、後にボットコン限定コミックにて、メタルスタイガトロンが登場するコミックで復活し登場する。
タイガーファルコンが破壊された後、そのボディからスパークが出て、タイガトロンと分離。メタルス化したボディに宿り、メタルスエアラザーとして復活しタイガトロンと再会している。