概要
責め苦がない分地獄よりかは楽だが、食の自由は動物に劣る。
生前、食べ物や財産に対する感謝をせずに、好き勝手に振舞っていたものが落ちる道とされる。
釈迦十大弟子の1人であるモッガラーナ(目建蓮あるいは目連)の母親も死後にここに落ち、それを救う為に始まったのが施餓鬼供養。だが近代になってインドにこの話(盂蘭盆経)が無い事実が判明し、中国で作られた逸話の模様。
子供は貪るようにガツガツと食べる様子から、俗称としてこう呼ばれる。 →ガキ
餓鬼の種類
餓鬼には36種も居るが多過ぎて大変なので、ここでは大まかな3分類のみを表記。
- 無財餓鬼
いわゆる『飲食が出来ない』存在で、一般的な餓鬼のイメージに最も近い最下等の餓鬼。
唯一、施餓鬼供養を施された飲食物だけは飲食出来る。
- 少財餓鬼
糞尿・嘔吐物・死体等の不浄なものだけを食べられる餓鬼。
- 多財餓鬼
飲食に困らず裕福に暮らせるが、どんな贅沢をしても満足しない。
しかし天部にも行ける最上級の餓鬼。
ある意味、最も不運な餓鬼。
創作での扱い
水木しげる作品
『ゲゲゲの鬼太郎』では3期鬼太郎77話「妖怪手の目と地獄の餓鬼」(原作「迷路」)に登場。入らずの山の奥にある神殿で、若返りの水を使い不老不死の存在となっていた。地獄が舞台の「鬼太郎地獄編」にも登場している。
また『縄文少年ヨギ』にも登場している。
桃太郎伝説シリーズ
原作者のさくまあきらが仏教関連の古書を集めて設定しただけあり、『新桃太郎伝説』ではこちらの回復道具を食べてしまう「餓鬼」をはじめ、「食吐餓鬼」「食水餓鬼」「食血餓鬼」「殺殺餓鬼」「食火炭餓鬼」が登場する。
女神転生シリーズ
詳細は →幽鬼ガキ
忍者戦隊カクレンジャー
妖怪軍団のガキツキとして登場。フードファイターをカリカチュアしたような姿で(裏モチーフは『餓狼伝説』のテリー・ボガード)、憑りついた人間を大食いにしてしまう。ニンジャイエローセイカイが取り憑かれ、巨大化させられてしまった。
侍戦隊シンケンジャー
遠目には大きな口のように見えるが、歯に見える部分には小さな顔が並んでいる。このアヤカシの舌から出る砂をかぶってしまうと空腹になってしまう。それも飲み食いする度に悪化し、食欲に負けて食べてしまった日には更なる苦しみに見舞われる。
プレータ
海外版の『女神転生シリーズ』では梵語のこの名前が使用されている。
インド神話風の世界が舞台の『サンサーラ・ナーガ』では「由緒正しいインドの餓鬼」と呼ばれ、荒野等でインドでの浮遊霊の伝承を元にした姿で登場したが、特徴が少なくGBA版では削除され出てこない。
余談
指定難病で『脂肪萎縮症』と呼ばれる症状があるが、この罹患者は脂肪が全く付かない為に、臓器が収まる胴体以外の部位が痩せ痩けている。
その上、脂肪から分泌され満腹中枢を刺激するホルモン・レプチンの分泌がほぼない為に一旦食事を始めると、文字通り貪るように飲食を行う。
恐らくだが餓鬼のモチーフには、同症例の罹患者が入っていると推測される(太昔故の発症者達への配慮のなさから)。