チューバ

ちゅーば

バンドを根底から支える大型・低音の金管楽器。

概要

チューバ（Tuba）とは、金管楽器の一種。数ある金管楽器のなかでも一番大きく、もっとも低い音域を担っている。

日本で出回っているチューバは主にピストン式かロータリー式であり、バルブの数は3～6個である。しかし、バルブを7つ持つチューバも存在している。

楽器の調性（いささか不正確な記述だが、その楽器の「ド」を吹いたとき、実際に出る音はピアノの音では何か、ということでご理解いただきたい）は、B♭（「ド」→ピアノのシ♭）、C（「ド」→ピアノのド）、E♭（「ド」→ピアノのミ♭）、F（「ド」→ピアノのファ）の4種類が存在している。

バルブの数はB♭管やE♭管では3-4本、C管では4-5本、F管では5-6本が一般的である。また、バルブが5本ある楽器の場合、第1-第4バルブがピストン式、第5バルブのみがロータリー式という楽器もある（逆に、第5バルブがピストン式という楽器はごく一部のメーカーを除いて生産されていないのが現状である）。

音域によって、テナー、バス、コントラバスの3つの種類に分けられる。

テナーチューバのうち、特にピストン式の楽器は一般にはユーフォニアムと呼ばれる（6本のピストンバルブを持つ特殊なフレンチ・チューバを除く）。ただし、あくまで「テナーチューバ」というのはオーケストラのスコアなどにおけるパート名であり、厳密な楽器の名前とは言い難い。

バス・チューバはE♭管とF管の楽器を特に指す。前者は吹奏楽やブラスバンド（英国式金管バンド）で、後者はオーケストラで用いられる。コントラバス・チューバはC管やB♭管の楽器である場合がほとんどである。

管の長さはB♭管がもっとも長く、以下、C管、E♭管、F管と続く。

厳密な指定があるわけではないが、楽団の編成によって、使われる楽器が変わってくることもあり、例えばオーケストラでは用いられるF管のチューバが、吹奏楽で使われることはほとんどない。

また、ブラスバンド（英国式金管バンド）においては、B♭管とE♭管のピストン式のチューバのみが使用され、かつアップライト式の楽器が主流である（第4バルブに音程を補正する機能を持つものが好まれる）。この演奏形態では、チューバを単に「バス」（E♭バス、B♭バス）と呼ぶ慣習があり、人によっては「バス」とチューバを明確に区別する場合もある。奏者と会話をするときにうっかり混同すると怒られるかもしれない。

マーチングバンドでは、横向け（フロントベル）仕様の肩乗せタイプ（マーチングチューバ）を使用することが多い。また、代用としてスーザフォンが使われることもある。

余談だが、漫画などでは小柄な女子がこの巨大な楽器を演奏する例が意外と多い。→ギャップ萌え