太平洋フェリー
たいへいようふぇりー
概要
名鉄グループ傘下の海運会社であり、名古屋~仙台~苫小牧間の長距離フェリーの定期運航を行っている。1982年、太平洋沿海フェリーの営業権を引き継ぎ設立。長距離フェリーとしては経営規模は格別大きい訳ではないが、客船レベルの豪華な設備に定評があり、移動だけでなく、船旅自体を楽しむラグジュアリーフェリーの代表格として高い評価を受けている。また、名古屋発着の便は福島県沖ですれ違うが、その際かなり接近するのもサービスの一つとしている。
太平洋沿海フェリー時代は名古屋~那智勝浦~大分間の定期航路も存在した。
船舶
いしかり
就航:2011年 総トン数:15762トン 旅客定員:777名
現在太平洋フェリーで最も新しい船である。同じ名前を持つ船として3代目であり、国内フェリー最大面積の個室となる52平米のロイヤルスイートルームを備える。内装コンセプトは「エーゲ海の輝き」をテーマに青と白を基調としたものになっている。
東日本大震災当日には翌日に予定されていた船内見学会のため東京港に入港していたが、大津波警報を受け港外へ緊急退避した。その後、就航前ではあったが、被災地への人員物資の緊急輸送に従事した。
きそ
就航:2005年 総トン数:15795トン 旅客定員:768名
2005年、太平洋フェリー史上最大の船として満を持して就航した船。内装コンセプトは「南太平洋のしらべ」。パブリックスペースを大幅拡充しつつ、客室についても一等室の二段ベッド廃止や全室カードキー化、B寝台完全セパレート化、A寝台の廃止とS寝台の設置など、新機軸を多数取り入れた。同じ名前を持つ船として2代目であるが、初代の引退前に就航したため、一時期二隻の「きそ」が並行して運航されていた。
きたかみ
就航:1989年 総トン数:13937トン 旅客定員792名
他の2隻が船齢2年と8年に対して、船齢25年とずば抜けて古い一隻。内装コンセプトは「スターダストの詩」。2011年に引退した2代目いしかりよりも古いが、2005年のきそ就航に合わせてリニューアルを行った。在籍する3隻のうち唯一展望室を有する。ちなみに運賃は他2隻に比べ低額である。
東日本大震災当日は通常運航のため仙台港に停泊していたが、大津波警報を受け湾外へ緊急退避して難を逃れた。震災以後、津波に備え名古屋~苫小牧直通旅客は仙台での途中下船ができなくなった。
フェリー・オブ・ザ・イヤー
太平洋フェリーは海事プレス社が発行している船旅専門誌「クルーズ」上にて、読者投票により毎年選出される「クルーズ・シップ・オブ・ザ・イヤー」のフェリー部門を、第一回から21年連続で受賞している。
1992年から2004年まで二代目いしかりが13年連続受賞した後、2005年にきそが就航すると2005年から2010年まで6年間連続受賞、さらに2011年の3代目いしかり就航から二年連続でいしかりが受賞している。